家元右近先生が出演なさるので見に行ってきました。杖をついた母を連れ、楽屋にご挨拶。其の後いろいろの家元クラスの方々の舞台を拝見しました。感激したのは藤間紫さんの「桧垣」老女の恋の悲しさ
を品格を保ちながら、しっかりと描いていておみ足が悪いと伺っていたのに殆ど気になりませんでした。若くては出来ない芸を見ました。やはり若い時すばらしかったからの老練といった所でしょうか。
そして家元
梅十三さんを相手役に「月」を素踊りでさすがの舞台です。名月を眺める目の不自由な人とその妻の悲しみ、がらっと替わって粋な芸者と船頭、村の素朴な案山子、と素踊りならではの運びは腕一つで見せる難しさながら、先代の鯉三郎家元の振り付けの良さをみごとに生かして秀逸。梅十三さんはかねてより、「鷺娘」など拝見してからのファンである私には嬉しい舞台でした。



