小嶋つうしん(号外)

(元)大分県議会議員 小嶋秀行の徒然ブログ

福田康夫という人物

2008年02月01日 | 政治・経済
 先日、薬害肝炎の原告団を救済する「議員立法」が国会で成立し、被害者の救済が行なわれることとなりました。記憶に新しいと思います。

 そもそもこの問題は、国の責任を求めて裁判沙汰になっていたものでしたが、結局、「議員立法」を行なうという方法で解決してしまいました。いろいろありましたが、これがまさしく彼らの好きな“政治的解決”というやつでしょうか。

 それにしても、就任後間がない首相であったとしても、なぜここで、福田総理は自らの判断で解決しようとしなかったのかいまだに疑問です。あれだけ国の責任というものが問われ、社会的にもそれがほぼ認知されていたにも拘らず、裁定を下せませんでした。

 結局のところ、福田首相自らが判断して、国として救済するということになれば、厚生労働省や当時の官僚の責任が厳しく問われることに怖気づいた、周囲の官僚が抵抗したのだと考えられます。

 しかし、これで福田総理は、自らの存在を逆に危うくしたことに気づいているのだろうかと、疑問でなりません。そして、自民党福田内閣の支持率を下げる役割を自ら演じてしまっているようなものだと思うのですが、考えすぎですか。

 ところが、懲りない福田氏は、またぞろ同じような事をやってのけようとしました。いわゆる「つなぎ法案」です。要するに、自らが与野党クリンチになっている問題を解決するために汗をかこうとするのではなく、自分が総裁でもある自民党(与党)を盾(りようして)に議員立法という格好をとらせ、ウルトラ政治決着をはかろうとしたのです。

 今回の国会のゴタゴタを見ていると、一国の首相である福田康夫という人は、まったく「裸の王様」のように見えて仕方ありません。リーダーシップというものがまったく感じられませんが、逆にだからこそ、この一連の「政治劇」のなかで、「したたかな手口」と評する方もおられるかもしれません。

 実際のところ、就任からこの間の、福田康夫という人物が、全国の有権者にはどのように映っているのだろうか。機会があれば一度訊ねて見たいものだと良く思います。官僚の言いなりにしか動けない(動かない)マスコットでは、この国は良くなりませんね。

 あの約6年間の小泉政治は何だったのだろうか。全部が先祖帰りしてしまおうとしています。自民党が益々居丈高になってしまいました。