春から秋のシーズンと比べると、冬場は圧倒的に雑草が少ない。しかしながら無いのではなく成長が遅いだけ。其処彼処に雑草は存在する。邪魔になるのは繁忙期シーズンと一緒、対処が必要なのだ。少ないながら蔓延った雑草にカチンと来たのだろう。長老が刈払機を持ち出した。久方ぶりの刈払機、軽快な爆音が響き渡る。彼の愛機も調子は上々なようだ。一頃エンジンが掛かりにくいとか悩んでいたが、どうやら回復した模様。刈払機は微妙なマシーンだ。常日頃メンテナンスに精出しておかないと、時たまヒステリーを起こしてしまう。何処かの山の神と同様なのかも。
2サイクル特有の爆音、これが響き渡ると無我の境地に到るのか、周囲の声は耳に届かぬようだ。ご承知だろうか刈払機には近づかないことだ。仲間内では5メートルルールを徹底するようにしている。つまり刈払機の作業者を中心として、半径5メートル以内の領域には入り込まないこと、と言う原則だ。上述のように作業者は無我の境地、周囲への注意力が不足気味なのだ。ポイントは近づかない事だろう。
長老もご機嫌のようで軽快に作業を続ける。カメラを持った子狸が近くにいても気づかぬ様子、上記の5メートルルールを厳守する。刈払機で切られたらたまったものでは無い。別れの挨拶をして帰宅しようかと思ったが、耳には遠いようだ。手を振るだけで意思表示を。
彼の作業は自分の持ち場から隣接耕作者の領域にまで及んでいた。作業が始まると、ついその先まで・・・・・・・・となってしまう。無論、隣接耕作者には異論があろうはずも無い。有り難い傾向なのだ。作業者である長老も、波に乗っかったサーファーのようで途中での中断など考えられないのだろう。両者共にウインウインの関係、三方良しの片鱗が斯様な場所にも。
刈り取られた雑草は若葉のようで青々としている。つまり即座には焼却は不可能で、しばしの乾燥期間が必要だろう。焼却するか、腐って消滅するか、何れかの手法でこの世からおさらばとなってくる。雑草にも人権が・・・・・と屁理屈を囃し立てる事は無い。淡々と作業を継続して初期の目的を達成するのみだ。ややこしい感情は引っ込めておきましょう。
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