日々の生活から

毎日の生活で感じたこと・考えたこと

なるほどの対話 / 河合隼雄 吉本ばなな / NHK出版

2006-01-15 12:39:01 | 
人が「面白い」と言っているものに、興味を持つことが多い。
まぁ、単純で影響されやすい、ってことなんですが。
で、この本も「元気になった」って、書いてあるのを見て、借りてきた。
自分の場合、図書館で借りるまでに日があくので、どういう意図で読む気になったかは、忘れた状態で読み始めることがほとんど。

私はこの本を読んで元気になったという感じにはならなかった。
でも、色々な気付きがあった。
偶然性ということについて、話が盛り上がっていた。カウンセリングも小説も思い通りにしようとするばかりでなく、偶然が入ってきて本物になるというような話だ。世の中、偶然というか意図通りじゃないことが起こって、物事が進むのが普通だから、それがないのは不自然だということらしい。
自分の管理するプロジェクトが「偶然うまくいった」ってことにならないかなぁと期待するのは、責任からの逃避だろうか(笑)。

「本当に言いたいこと」を言語化できないという話は、共感できた。
元妻の「本当に言いたいこと」がわからずに、お互いが苦しくなってしまったからだ。多分、彼女自身も何が「本当に言いたいこと」なのかをわかっていなかったんだと思う。カウンセリングでは、自分を信じることと謙虚になること、そして、腰を据えて付き合うこと、「ぼくが治そう」と思わないことで、道が開けてくるという話だった。身近にいる人に対しては、なかなかそういった態度が取りにくい。

なぜ小説か?というのは昔からの自分のテーマである。
「言いたい事があるなら、それを書けばいいじゃないか。小説なんて、色々な解釈ができるし、作家の意図と違うように取られることだってある。読者だって作家の意図と違うところで感心したり、だめな作品と判断してしまうことがある。」
この対談では「思いを言語化できないところに物語は入っていける」という点と「違う世界をぶつけることで隙間に入る」ということだろう。


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1 コメント

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はじめまして (saku)
2006-01-15 23:54:07
TBしていだだき、ありがとうございます。

落ち込んだ気分をなんとかしなきゃと焦っているときに読んだら、そのままでいいよ、と言われているような気がして、楽になったって言う感じだったかもしれません、元気になったっていうよりも・・・。

三年寝太郎の話があったでしょう?



身近な人に対しては、「本当に言いたいこと」を言語化する努力は大事だなあと私は思います。ほんとのほんとに言いたいことを自分の中に探し出してそれを出す作業は自分自身を癒すことにもなるんじゃないかしら、と経験上思います。



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