時間の番人(4)

2016-10-02 08:31:20 | 童話
僕は家の中に時間が変化する場所があるのだと思った。
そして、今度は掛け時計のある部屋から手を洗いに行って、また掛け時計のある部屋に戻って来るまで、目覚まし時計を持って歩いてみた。

すると、手を洗いに行く時と、手を洗って帰って来る時に、部屋の戸の敷居をまたいだ時に、僕が持っている目覚まし時計が30分ずつ2回進んだ。
『あっ、ここだ。』
僕は試しに敷居の上で立ち止まった。
すると、まわりが暗くなったので、僕は少し歩いた。
そうすると、まわりが明るくなって、僕が持っている目覚まし時計の針が急に回った。
『わぁ、すごい。ここだ、ここだ。』

だけれど、オヤツを食べてから敷居の上に来ても、何の変化が無かった。
『同じ場所でも、時間が変わる時と、変らない時が有るのかなぁ?』

しばらくして、僕が忘れかけていた頃に敷居の上にいると、急にまわりが暗くなった。
『あっ、またなった。』

前の時は歩いて行って、1時間進んだ所に出たので、今回は歩かないでじっとしていた。
すると、少しずつ明るくなってきた。
『ここは何時なんだろう? あっ、だれか居る。』