電車の気持ち(2)

2016-10-09 09:53:08 | 童話
『あっ、忘れていた。』
『何を忘れたの?』
『僕ね、ジェットコースターとメリーゴーランドと観覧車とお話しをするのを忘れていた。』
『今度お父さんと来た時にお話しをしなさい。』
『うん、わかった。』

僕とお母さんは、電車に乗って帰るので、僕はまた先頭の車両に行き、電車とお話しをしました。
『電車さん、こんにちは。』
『やあ、お帰り。遊園地は楽しかったかい?』
『うん、楽しかったよ。だけれど、お母さんはジェットコースターには乗らなかったので、ジェットコースターだけ僕一人で乗ったんだ。』
『お母さんはどうしてジェットコースターには乗らなかったの?』
『怖いんだって。』
『そうだね、女の人はジェットコースターが嫌いな人がいるんだよ。』
『ふぅ~ん、そうなんだ。だから、今度お父さんと遊園地に来た時にお父さんと一緒にジェットコースターに乗るんだ。』
『そうかい、それがいいね。』
『うん、そうする。』

『もうすぐ君の下りる駅だよ。気を付けて帰りなさい。』
『はぁ~い。また電車に乗るからね。バイバイ。』
『次の駅で下りるわよ。』
『はぁ~い。』

   おしまい