クツの気持ち(2)

2016-10-18 08:53:23 | 童話
『さあ、図書館のある駅に着いたよ。』
『今度はホームから駅の外は出る階段だよ。』
『いっぱい階段が有るんだね。』
『そうだね。』
『ほら、あそこが図書館だよ。』
『こんにちは、本を見に来ました。』
『はい、どうぞ。ここに図書館のカードを入れてね。』
『は~い。』
『ねえ、それはな~に?』
『これはね、図書館に入るためのカードだよ。お母さんが登録してくれたんだ。』
『ふ~ん、そうなんだ。』

『わあ~、いっぱい本が有るね。』
『今日は、どの本を見ようかな。』
『クツの本はないの?』
『探してみようか。う~んとね、「大きな株」や「あかずきんちゃん」や絵本の中の子はみんなクツを履いているけれど、クツだけを書いている絵本はないね。』
『そうだね。』

『有ったよ。サンタクロースの本の中にお菓子をいっぱい入れたクツがモミの木にぶら下がっているよ。』
『そうだね。だけれど本当のクツの本を探そうよ。』
『うん、いいよ。』
『なかなか見つからないね。そうだ。、図書館の人に聞いてみよう。』
『すみません、クツが載っている絵本は有りますか?』
『はい、ちょっと待ってね、調べるから。』
『それは何ですか?』
『これは図書館に有るたくさんの本を探す装置なのよ。』
『ふぅ~ん、すごいんだね。』

『やっと出てきたわ。「シンデレラ」や「こびとのくつや」や「くつやのねこ」という絵本が有るから案内してあげるからね。』
『はい、ありがとうございます。』
『ここに有るから見てね。』
『はい、ありがとうございます。』
『図書館の人は親切なんだね。』
『そうだね、親切だね。』

『よしっ、この「こびとのくつや」をイスの有る所へ持って行って、座って見ようよ。』
『この絵本はおもしろいので借りて帰って、おうちで見ようか。』
『えっ、借りて帰れるの?』
『そうだよ、このカードが有るからね。』
『さっき、図書館に入る時に使ったカードがそうなの?』
『そうだよ。借りる本とカードを一緒に係の人に渡すんだ。そうして借りる登録が終ると、本とカードを返してくれるんだ。そしてね、返す日までに図書館に持ってくるんだ。』
『ふぅ~ん、便利だね。』

『また電車に乗って帰るよ。』
『うんわかった。この絵本を図書館に返しに来る時に、また一緒に図書館に来られるね。』
『うん、また一緒にね。』

    おしまい