ブランコの気持ち

2016-10-23 09:19:13 | 童話
僕はブランコが大好きです。
だからブランコに乗ると、ブランコとお話しをします。
『ブランコさん、こんにちは。』
『やあ、また乗ってくれたね。ずっと待っていたんだよ。』
『ブランコさんは僕が乗るとうれしい?』
『ああ、すごくうれしいよ。』
『どれくらいうれしいの?』
『いっぱいうれしいよ。』
『そう、僕と同じだね。』
『そうだね。』

『今日は一人だけれど、明日は友達と来るよ。』
『そうかい、今日もうれしいけれど、友達と一緒に来てくれると、もっともっとうれしいなあ。』
『ブランコさんは、いつからこの公園に有るの?』
『この公園ができた時から有るんだよ。』
『雨が降る時や、風が強い時もずっとここに居てさみしくないの?』
『夜はだれも居なくなってさみしいけれど、朝になると小さな子供を連れたお母さんや、大きな子供が来てくれるからさみしくないよ。それからね、この公園を管理している人が時々修理に来てくれるんだよ。』
『ブランコさんは修理しないといけないの?』
『そうなんだよ。雨が降ると座る所を吊っている金具が傷んでくるので、油を付けたり、交換してくれたりするんだよ。』
『ふぅ~ん、大変なんだね。』
『係の人がちゃんとやってくれているから、君達が安心してブランコに乗れるんだよ。』

『ねえ、ブランコさんはいつまでここに居ることができるの?』
『座る所の木を交換してくれたので、君が大きくなるまでここに居ることができるよ。』
『うれしいなあ。』
『私も君達にずっと乗ってもらえるからうれしいよ。』
『もう帰らないといけないから帰るね。明日は友達と一緒に来るからね。バイバイ。』
『ああ、明日も待っているからね。バイバイ。』
『うん、バイバ~イ。』
   おしまい