窓の気持ち(1)

2016-10-15 13:46:34 | 童話
僕は窓を開けて外を見るのが大好きです。
そして窓から外のみんなとお話しをします。

『窓さん、こんにちは。お外のみなさん、こんにちは。』
『やあ、また来てくれたね。ずっと待っていたんだよ。』
『窓さんは僕が来るとうれしい?』
『ああ、すごくうれしいよ。』
『どれくらいうれしいの?』
『いっぱいうれしいよ。』
『そう、僕と同じだね。』
『そうだね。』
『今日は天気がいいからお外が良く見えるね。』
『そうだね。』
『今日のように天気がいい時良いけれど、雨が降ると窓さんは濡れるからかわいそうだね。』
『ありがとう、君は優しいんだよね。だけれど、窓の私が雨や風が入って来ないようにしているから、みんなが濡れたり、寒かったり、暑かったりしないので、私はここに居て嬉しいんだよ。』
『ふぅ~ん、そうなんだ。』

『ねえ、窓さんは窓さん同士でお話しをするの?』
『ああ、窓はみんな仲良しだから、たくさんの家の窓さんとお話しをするよ。遠くに見えていてもお話しができるし、見えない窓さんとは耳でお話しをするんだよ。小さなささやくような音でも聞こえるんだよ。』
『ふぅ~ん、すごいんだね。』