第一章 ルアーフィッシング
遠山新二郎は妻の裕子と長男の直之と三人で渓谷にキャンプに来ていて、新二郎の趣味のルアーフィッシングをしている。
「あっ、お父さんまたヒットしたよ。」
「おう、凄いなぁ。お前は腕を上げたね。」
「うん、でもこのルアーが良いんだと思うよ。」
「そうだね、ミノーも良いけれど毛ばりは良く釣れるよね。」
「僕の作ったスプーンはダメだったけれど、今度はもっと良いルアーを作って試そうと思うんだ。」
「ルアーは奥が深いから難しいよ。」
「そうだね、お父さん。」
「釣った魚は全部リリースしてしまいましたけれど、今日はもう十匹も釣れましたわね。そろそろお昼にしましょうか。」
「お父さん、海水浴も楽しいけれど、ルアーフィッシングも楽しいね。」
「そうだね。」
「ここは渓谷で空気も良いから素晴らしいですわね。」
「渓谷で食べるおにぎりは美味しいよね。」
「たくさんお食べ。」
「もうお腹が一杯だよ。」
と長男の直之が言い、父親の新二郎も
「私もお腹が一杯になったね。」
と言った。
「ねえお父さん、ここだと空気が綺麗だから星がはっきり見えるよね。」
「そうだね。うちで見るより綺麗に見えるだろうね。」
「今度、望遠鏡を持ってきて泊まろうよ。」
「テントを買わないといけないね。」
と、新二郎は妻の裕子の顔を見ながら言った。
「今年はお金をいっぱい使ったから、テントは来年ね。」
「お父さん、昨日の夜は土星の輪が少し見えていたよ。」
「うちの望遠鏡もハワイ観測所のすばる望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡みたいだと、もっともっと遠くの星が見えるんだけれどね。」
「お父さん、うちも八十ミリの望遠鏡よりもっと大きい反射望遠鏡にしようよ。」
「お父さんのお小遣いで買ってもらいなさい。」
と妻の裕子があっさりと言った。
「直ぐには買えないけれど、もっと口径の大きい百五十ミリくらいの反射望遠鏡が欲しいね。」
「そうだね、お父さん買ってよ。」
「お小遣いを貯めて来年買おうか。」
「うん、僕もお小遣い貯めるようにするよ。」
「そうだね、もっと大きい望遠鏡が買えるまで家にある望遠鏡を使って今夜も星を眺めようか。」
「そうしなさい。」
と、またもや妻の裕子はそっけなく言った。
「うん、そうしようよ、お父さん。」
「それでは、遅くならないうちに帰ろうか。」
「そうしましょう。」
「昼間はルアーフィッシングをやって、夜は星を見るなんて、最高の一日だね。」
このように、直之は父の影響を受けて、ルアーフィッシングや天体観測を楽しんでいた。
遠山新二郎は妻の裕子と長男の直之と三人で渓谷にキャンプに来ていて、新二郎の趣味のルアーフィッシングをしている。
「あっ、お父さんまたヒットしたよ。」
「おう、凄いなぁ。お前は腕を上げたね。」
「うん、でもこのルアーが良いんだと思うよ。」
「そうだね、ミノーも良いけれど毛ばりは良く釣れるよね。」
「僕の作ったスプーンはダメだったけれど、今度はもっと良いルアーを作って試そうと思うんだ。」
「ルアーは奥が深いから難しいよ。」
「そうだね、お父さん。」
「釣った魚は全部リリースしてしまいましたけれど、今日はもう十匹も釣れましたわね。そろそろお昼にしましょうか。」
「お父さん、海水浴も楽しいけれど、ルアーフィッシングも楽しいね。」
「そうだね。」
「ここは渓谷で空気も良いから素晴らしいですわね。」
「渓谷で食べるおにぎりは美味しいよね。」
「たくさんお食べ。」
「もうお腹が一杯だよ。」
と長男の直之が言い、父親の新二郎も
「私もお腹が一杯になったね。」
と言った。
「ねえお父さん、ここだと空気が綺麗だから星がはっきり見えるよね。」
「そうだね。うちで見るより綺麗に見えるだろうね。」
「今度、望遠鏡を持ってきて泊まろうよ。」
「テントを買わないといけないね。」
と、新二郎は妻の裕子の顔を見ながら言った。
「今年はお金をいっぱい使ったから、テントは来年ね。」
「お父さん、昨日の夜は土星の輪が少し見えていたよ。」
「うちの望遠鏡もハワイ観測所のすばる望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡みたいだと、もっともっと遠くの星が見えるんだけれどね。」
「お父さん、うちも八十ミリの望遠鏡よりもっと大きい反射望遠鏡にしようよ。」
「お父さんのお小遣いで買ってもらいなさい。」
と妻の裕子があっさりと言った。
「直ぐには買えないけれど、もっと口径の大きい百五十ミリくらいの反射望遠鏡が欲しいね。」
「そうだね、お父さん買ってよ。」
「お小遣いを貯めて来年買おうか。」
「うん、僕もお小遣い貯めるようにするよ。」
「そうだね、もっと大きい望遠鏡が買えるまで家にある望遠鏡を使って今夜も星を眺めようか。」
「そうしなさい。」
と、またもや妻の裕子はそっけなく言った。
「うん、そうしようよ、お父さん。」
「それでは、遅くならないうちに帰ろうか。」
「そうしましょう。」
「昼間はルアーフィッシングをやって、夜は星を見るなんて、最高の一日だね。」
このように、直之は父の影響を受けて、ルアーフィッシングや天体観測を楽しんでいた。