言の葉花壇

何度聞いても美しい日本語に、今日もマナ女とカナ女がにぎやかに呟きます。ぜひお気に入りを見つけてください。

いはぬをしたふ

2023年12月31日 | その他

#いはぬをしたふ……★☆ をのづから いはぬをしたふ 人やあると やすらふほどに としのくれぬる: 西行 : 歌意:こちらから何も言わなくても慕ってくれる人もあるかと、ためらっているうちに年が暮れてしまいました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #新古今和歌集 第六巻より■□■

 みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

おのつから いはぬをしたふ ひとやあると やすらふほとに としのくれぬる

 みなさん、お元気?

いよいよ年末、今年も押し迫ってきましたね。

ホンマ!大掃除やらおせち作りやら忙しいわぁ!

年賀状も書かなアカンし!

でも、西行さんも年賀状出してないんや!

 ん~、まぁ、年賀状かどうかはわからないけど、枕詞に「歳暮に、人につかはしける」とあるから、親しい人に挨拶したのね。

いはぬをしたふ(言はぬを慕ふ)=は何も言わなくても慕ってくれるって意味ね。

やすらふ(休らふ)ほどに=はためらうとか躊躇(ちゆうちよ)する、の意味ね。

 ウチにもおるわ。

親しいからなんも言わんでもいつでもランチとかに誘えると思っているうちに年末になってしもた友達がいっぱい。

1年は早いわぁ~。

そうね。なんだかアッと言う間ね。

 

 それでは、私たちも、皆様にご挨拶しましょう。

 

今年も大変お世話になりました。

新しい年が、皆にとってさらに幸せで充実した年になりますように。
来年も私たち、そして「言の葉花壇」をよろしくお願いします!

 


柴やこらん

2023年12月17日 | その他

#柴やこらん……★☆ 柴やこらん 清水や汲まん 菜やつまん 時雨の雨の 降らぬまぎれに: 良寛 : 歌意:山で柴を切ろうか、清水を汲もうか、 野で菜を摘もうか、冷たい時雨が降ってこない間に。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #良寛歌集 より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

しばやこらん しみずやくまん なやつまん しぐれのあめの ふらぬまぎれに

いよいよ今年も最後の月、12月になったなぁ~。

みなさん、お元気?

ほんとね。いろんなことがあった1年だったわね。

柴やこらん=は伐 (こ)らんで木などを伐採する意味ね。

そうやでぇ。

良寛さんも薪を切ったり水くんだりして新しい年迎えるのに忙しそうにしてるわぁ。

ウチもそろそろ大掃除にかからなあかんわ。

あらっ、マナちゃんも大掃除するのね。

あたりまえや!

家の大掃除はもちろん、心の大掃除もして新しい年迎える準備するんやでぇ。

心の大掃除?

イヤな恋はすべて忘れて捨て去って、楽しかったことだけ覚えておくんや!

なるほど、だからいつも体調は万全ね💛

なんやかんやと過ぎて行った1年やけどみんなも、体に気ぃつけて、年末の忙しさ切り抜けてやぁ~!


錦ありける

2023年11月30日 | その他

#錦ありける……★☆ さまざまに 錦ありける み山かな 花見しみねを しぐれそめつゝ: 西行 : 歌意:春に花を見た峰々を今は時雨が降って色とりどりの錦に染まっている深山だ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #山家集 巻上秋より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

さまさまに にしきありける みやまかな はなみしみねを しくれそめつつ

そろそろ、短かった秋も終わりやなぁ~

雨上がりの紅葉はキラキラしてめっちゃきれいやでぇ。

西行さんも春に花見に来た山々が黄色や赤の色に染まってる山見て感激やったんやなぁ。

みんなも、そろそろ紅葉狩りも最後やからきれいに染まってる山々を見て褒めたりやぁ~

 


秋の夜を

2023年11月19日 | 万葉集

#秋の夜を……★☆ 秋の夜を 長しと言へど 積もりにし 恋を尽せば 短くありけり: 詠み人知らず : 歌意:秋の夜は長いと言うけれど、あなたと一緒に過ごして積もりに積もった恋を全部言おうとしたらそれが短く感じられる。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

あきのよを ながしといへど つもりにし こひをつくせば みじかくありけり

みなさん、お元気?

いよいよ秋も深まってきましたね。

ほんまぁ~わかるわぁ!

何がわかるの?

この気持ちやん!

好きな人と一緒におると、時間がアッと言う間に過ぎて行く。

もっともっとおしゃべりしたりして、長~く一緒に居りたい気持ち!

夜のデートも楽しいわぁ。

みんなも、秋は楽しい夜を過ごしてやぁ~


たなびく雲の

2023年10月31日 | 万葉集

#たなびく雲の……★☆ 北山に たなびく雲の 青雲の 星離り行き 月を離れて: 持統天皇 : 歌意:北山にたなびいている青雲が、遠くへ離れていってしまう。星たちからも離れ、月からも離れていくように。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第二巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

きたやまに たなびくくもの あをくもの ほしさかりゆき つきをはなれて

また、あの二人なんかもめてるでぇ~。

持統天皇人麻呂人麻呂、こっち、こっちやで。もっと近くに!

柿本人麻呂:天皇様にはご機嫌麗しく・・・

持統天皇:ええねん、ええねん、そんな挨拶は。

あのな、相談があるねん。

柿本人麻呂:何でしょうか?

持統天皇:先の天皇さんの殯(もがり)も明けたやん。

おおっぴらに堂々と大好きな温泉にも行けるし、だいぶと天皇の地位にも慣れてきたわ。

そやけど大和の民には、私がどんだけぇ~、先の天皇さんがお隠れになって悲しんでるかを知ってもらいたいねん。

柿本人麻呂:それはごもっとも。

持統天皇:そやから、悲しみの歌を詠もうと思うねんけど、もう、2年以上も喪中やったから、これがなかなか浮かべへんのや。

そこで、歌聖と呼ばれるあんたに考えてほしいんや。

それを、私が詠んだことにでけへんやろか?

柿本人麻呂:わ、わ、私は確かに歌聖ですが、そ、そ、そんな、民をだますようなことは絶対に出来ません!

持統天皇:そうか、やっぱりあかんか・・・

柿本人麻呂:あ、あたりまえでしょう。

いくら天皇様のお願いと言えども!

先の天皇様がお隠れになって、お悲しみならそれを素直に歌に込めたなら、へたくそでも、人々もその悲しみをちゃんと理解してくれますよ。

持統天皇:う~ん、それはわかってるんやけどなぁ・・・

よっしゃ!ほんならこうしたらどうやろ。

柿本人麻呂:!?

持統天皇:取り敢えず私が詠んで、あんたが添削する。

これならええんちゃうか?

柿本人麻呂:え、ええ、まぁ・・・

持統天皇:そうなるかと思って、ちゃんと昨夜詠んで準備した歌があるから、これを添削してや。

ここがもうちょっと悲しい風に、それにこの言葉はあんまりええことないやろ、ここはもっと雄大に・・・

柿本人麻呂:ではこうして、こうなって・・・ああでもない、こうでもない・・・

持統天皇:ほぅ、ええやん、なかなか!

柿本人麻呂:・・・、・・・、こ、こ、これではほとんど添削してしまいます。

持統天皇:かめへん、かめへん。おお元は私の歌や!

と言った会話があったかどうかは定かではないけど、

第40代天武天皇686年、9月9日に崩御したんで、天武天皇の皇后やった持統天皇は悲しんでこの歌を詠んだんやでぇ~。

そして、第41代女性天皇になって古代日本の律令国家の基礎を築いていくんやでぇ!