言の葉花壇

何度聞いても美しい日本語に、今日もマナ女とカナ女がにぎやかに呟きます。ぜひお気に入りを見つけてください。

君とし見てば

2022年04月11日 | 万葉集

#君とし見てば……★☆ あしひきの 山桜花 一目だに 君とし見てば 我れ恋ひめやも: 大友家持 : 歌意:山の桜の花をあなたと一緒に一目でも眺めたら、こんなに恋しいとは思わないのに。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十七巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

あしひきの やまさくらばな ひとめだに きみとしみてば あれこひめやも

家持さん、家持さん、「君とし見てば」って誰とお花見したいんですか?

大伴家持大伴池主君や。

山峽に 咲ける桜を ただ一目 君に見せてば 何をか思はむ: 大伴池主 : (万葉集第十七巻より)

私が先日から体調悪くて、花見でけへんって言うたら、池主君が心配して一緒に花見でけへんから寂しいって手紙来たから、その返事や。

体調悪いんですか?病気?

大伴家持:う~ん、そうやねん。

今、都で怪しい感染症が大流行りやろ。

なるたけ、みんなで出かけへんようにしてたんやけどなぁ~。

感染対策してたのに、ちょっと前からどうも体調がよくないんや。

それは残念ですね。

じゃあ、ウチが代わりにお花見に行ってあげましょう?

大伴家持:そやな、残念やけどしゃーないわ。

あとは頼んだで。

この手紙もちゃんと池主君に渡しといてや。

は~い、承知しました。

家持さんもどうぞお大事になさってくださいね。

みなさん、お元気?

この歌は、天平19年3月3日(747年4月16日)大友家持は病に臥せっていて、日頃から手紙のやり取りをしていた大伴池主が前日に心配して書き送った手紙に対する返事ですよ。


母とふ花の

2022年03月15日 | 万葉集

#母とふ花の……★☆ 時々の 花は咲けども 何すれぞ 母とふ花の 咲き出来ずけむ: 丈部真麻呂 : 歌意:四季折々の花は咲くけれど、どうして、「母」いう花は咲いてくれないのだろう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第二十巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

ときどきの はなはさけども なにすれぞ ははとふはなの さきでこずけむ

みなさん、お元気?

九州の守りを固めるために筑紫の国に派遣される防人の歌やね。

派遣先の筑紫にも時期が来れば色とりどりの花が咲くだろけど、自分が心を慰めてくれるためにずっと眺めていたい花は「お母さん」やというのに、この花だけはなんで咲いてこないんだろうと意味やね。

ほんま!

切ないなぁ。

どんなにきれいな花でもお母ちゃんには敵えへんのや。

昔は自分の家族と別れて防人に行くのは、もしかしたら、一生会われへんかも知れへんという状況やったからね。

今も、世界中のどこかで戦争や内戦、事故や事件で家族がバラバラになったり命が失われて一生会われへんことがおきてるわ。

1日でも早くそんなことが無くなる世界になってほしいわ。

ウチはずっとお母ちゃんや家族の側に居りたいからね!

―――ロシアとウクライナの戦争が1日でも早く終わりますように―――


雪寒み

2022年02月28日 | 万葉集

#雪寒み……★☆ 雪寒み 咲きには咲かぬ 梅の花 よしこのころは かくてもあるがね: 詠み人知らず : 歌意:雪が降って寒いので次々に咲こうとしない梅の花。それならばそのままでありたいようにしていればよい。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

いよいよ2月も終わりやでぇ。

読み方やでぇ~

ゆきさむみ さきにはさかぬ うめのはな よしこのころは かくてもあるがね

かくてもあるがね=はこのようであろうからとか、このようにするようにとか言う意味やで。

梅の花は咲きたくても寒い寒いと言うて咲けへんのや。

そんなに寒い寒い言うてるのやったら好きにしたらええやんってなげやりな言い方や。

もう、ほんま、わがままな梅の花や。

みんなのとこはもう咲いてるぅ~?


忘れむしだは

2022年02月23日 | 万葉集

#忘れむしだは……★☆ 面形の 忘れむしだは 大野ろに たなびく雲を 見つつ偲はむ: 詠み人知らず : 歌意:顔かたちを忘れそうになった時には広い野原に出て、たなびく雲をみては思い出すことにしよう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十四巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

おもかたの わすれむしだは おほのろに たなびくくもを みつつしのはむ

なぁんか、ステキやと思わへん?

ウチは好きな人から「会えない時は大空を見て君を思い出しているよ」

キャァァァー!こんなん言われたら・・・!!!

あっ、あっ、ちゃんと意味言うとくでぇ。

面形(おもかた)=は、顔かたちとか面影のことで、ウチのようなかわいい顔のことやでぇ~。

忘れむしだ(忘れむ時)=忘れそうになった時ちゅう意味やで。

おほの(大野)ろ=は広い大野やで。

さぁ~!ウチも大空見上げて好きな人のこと考えよ!

みなさん、お元気?

今日のマナちゃんは大いなる妄想にハマっていますね。

では、またね


実の照るも見む

2022年01月30日 | 万葉集

#実の照るも見む……★☆ この雪の 消残る時に いざ行かな 山橘の 実の照るも見む: 大友家持 : 歌意:この雪の消えないうちにさあ出かけよう。そして山橘の実が赤く照り輝いているのを眺めよう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十九巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

このゆきの けのこるときに いざゆかな やまたちばなの みのてるもみむ

山橘=はヤブコウジって言う赤い実のなる植物のことやでぇ。

それに葉っぱは緑のままやから、雪の白、葉っぱの緑、実の赤と、三色カラーや。

なんか、想像したらめちゃきれいやと思うわ。

昔の人は、雪が降って寒い寒いと言って閉じこもってんと、こんな景色を見に行くこと楽しみにしてたんやなぁ~

ほんまに、赤い実が照り映えて輝いて見えるわ。


この降る雪の

2022年01月23日 | 万葉集

#この降る雪の……★☆ 我が背子と ふたり見ませば いくばくか この降る雪の 嬉しくあらまし: 光明皇后 : 歌意:あなたと二人で見ているのだったら、どれほど、今、この降っている雪が嬉しく見られることでしょう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第八巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

寒っいなぁ~。

みんなの所にも雪、降ってる~?

読み方やでぇ~

わがせこと ふたりみませば いくばくか このふるゆきの うれしからまし

みなさん、お元気?

光明皇后が夫の聖武天皇に送った歌ね。

聖武天皇は行幸で留守やったんやね。

だから、皇后は一人で降る雪を見て、あなたと二人で見たらもっと嬉しいのにと手紙に書いて送ったんやね。

出張中って言うことやね。

それにしてもラブラブやなぁ。

雪が降っても二人で見たいなんて。

ウチも早くそう言える人を探さなアカンわ。

しょーもない事でも二人やったら楽しい。ええなぁ~

そうね。マナちゃんにも、早く二人で楽しい事できる人が現れること祈ってるわね。


恋ひしわたれば

2021年12月11日 | 万葉集

#恋ひしわたれば……★☆ ますらをの 現し心も 我れはなし 夜昼といはず 恋ひしわたれば: 詠み人知らず : 歌意:立派な一人前の男らしい正気を自分はなくしてしまった。夜昼という区別もなくあなたに恋し思い続けているので。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十一巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

ますらをの うつしごころも われはなし よるひるといはず こひしわたれば

男の人も恋するとこうなるんや!

現し心=理性のある心とか正気っていうことやで。

ところで、秘密やで。

誰にも、絶対にゆーたらあかんで!

実はな、実は・・・

ウチも昔、こんなんゆーてくれた男の子おったんや キャァー


酒に染みなむ

2021年11月30日 | 万葉集

#酒に染みなむ……★☆ なかなかに 人とあらずは 酒壷に なりにてしかも 酒に染みなむ: 大伴旅人 : 歌意:いっそ人として生きているよりは、酒壺になりたいもんだ。そうしたら思う存分酒につかっていられるだろう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第三巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

なかなかに ひととあらずは さかつぼに なりにてしかも さけにしみなむ

みなさん、お元気?

寒くなってきて、日本酒の美味しい季節になってきましたね。

こうして各地で日本酒祭りがありますね。

ずらっとお酒並んでる。

あそこで熱心にお酒見てる人は・・・?

あなたはどなた?

大伴旅人:あっ?わしか? わしは大伴旅人や。都でとっても偉い人や!

あなたが大伴旅人さん。あなたが酒壺になって、お酒につかりたい方ですね。

大伴旅人:もちろん!こんな美味しいものを嫌いやというやつの気が知れん!

あな醜 賢しらをすと 酒飲まぬ 人をよく見ば 猿にかも似む やで!

賢そうな顔していても、お酒飲めへん人は猿に似てるということ?

いや、そこまで言わんでも・・・

大伴旅人:それほどお酒は美味しいんや。

それに、わしはな、この間愛する妻を亡くしたんや。この淋しさは地位や名誉はもちろん、お金や友達ではあかんのや。

この淋しさを治してくれるのはこの美味しいお酒以外ないんやで、お嬢ちゃん。

それでこの日本酒祭りで全国のどのお酒が美味しいか見に来たんや。

どうや、この、ずらーっと並んだ全国のお酒の見ごたえは。

もうちょっと見てから帰るからな。

どれもみんな美味しそうやないか!

なるほど。でも、いくら淋しくても健康を考えてほどほどにしてくださいよ。

大伴旅人:ありがと!まるで亡くなった妻の言うことみたやな。わしが都に戻ったら遊びにおいでや。ほんならな。


稲つけば

2021年10月31日 | 万葉集

#稲つけば……★☆ 稲つけば かかる我が手を 今夜もか 殿の若子が 取りて嘆かむ: 詠み人知らず : 歌意:稲をついてあかぎれができる私の手を今夜もお屋敷の若樣が、かわいそうだと手にとって嘆いてくださることだろう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十四巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

みなさん、お元気?

読み方やでぇ~

いねつけば かかるあがてを こよひもか とののわくごが とりてなげかむ

稲つけば=稲をついて精米することやで。

かかる()我が手=手の皮が破れ裂ける。あかぎれになる。また、ひびがきれるって言うことなんやて。

それにしても、いやぁ~、シンデレラストーリーやんかぁ!

身分違いの恋!ええなぁ~。女子のあこがれや!

フフフ、羨ましい?

でもね、全く違うのよ。

えっ?違う?どういう事?

これは、労働歌で、稲刈り、精米と田んぼで過酷な労働している若い女子たちの願望なのよ。

こんなに辛い農作業でもこんな素敵なことがあったらどうする?ねぇ、どうする?的なね。

きゃぁー、そうなんや。

 昔の人々はこんな想像をしながら辛い農作業をちょっとでも楽しくしてたんやね。

 そっか!ウチはてっきり、本当に若様と恋人どうしかと思ったわ。

もし、違って想像やとしても、なんか、女子たちが、キャーキャー言いなiがら農作業してる様子が目に浮かぶわ。

いつの時代も女子たちはにぎやかで明るいんや!


千たび嘆きて

2021年10月17日 | 万葉集

#千たび嘆きて……★☆ あかねさす 日の暮れゆけば すべをなみ 千たび嘆きて 恋ひつつぞ居る: 詠み人知らず : 歌意:日が暮れてゆくとどうしようもなくやるせなくなり、何度もため息をついて、あなたのことを恋しく思って嘆いている。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 十二巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

あかねさす ひのくれゆけば すべをなみ ちたびなげきて こひつつぞをる

あかねさす=は茜色に鮮やかに照り映えるの意味から、「日」にかかる枕詞や。

すべをなみ(術をなみ)=はどうしようもなくとかどうにもしょうがなくとかやで。

千たび(千度)嘆きて=は、千度(ちたび)やから千回のため息とか、何回も何回ものため息とか、回数のめっちゃ多いことの意味やで。

みんなぁ~、千回のため息やで。

夕日のきれいな夕暮れになると千回もため息つくような恋や!

みんなは千回もため息つくような恋をしたことある?

ウチはせいぜい600回くらいのため息しかついたことないわ。

千回もため息つくような情熱的な恋をするには、まだまだ修業がたらんわ。


夜道はよけむ

2021年10月10日 | 万葉集

#夜道はよけむ……★☆ 天の原 振り放け見れば 白真弓 張りて懸けたり 夜道はよけむ: 間人大浦 : 歌意:天空を遙かに眺めて見ると、白木の弓に弦を張ったような月が出ている。これを眺めながら歩く夜道は良いものだろう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第三巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

あまのはら ふりさけみれば しらまゆみ はりてかけたり よみちはよけむ

秋は空気が澄んで空がきれいに見えるやろ。

だから月も明々と見えるから、満月の歌が多いけど、あえて三日月やで。

なんか、幻想的やろ。

きっと、デートの帰りとかで三日月のような寂しい月を見てもキラキラに見えるんや。

あー、ウチもこんな幻想的な夜道を、ルンルンな気持ちで空を見上げて歩いて帰るデートしてみたいわぁ~。

みんなはこんな気持ちの夜道歩いたことあるぅ?


誰ぞかれと

2021年09月20日 | 万葉集

#誰ぞかれと……★☆ 誰ぞかれと 我れをな問ひそ 九月の 露に濡れつつ 君待つ我れを: 詠み人知らず : 歌意:「いったいあの人は誰だろう」といって長月の夜露に濡れながら恋しい人を待っている私のことを聞かないで下さい。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十巻より■□■

 みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

たぞかれと われをなとひそ ながつきの つゆにぬれつつ きみまつわれを

デートで恋人を待っていたら、みんなに不審がられて「ただ、恋人待ってるだけやん」って言う感じやなぁ~

誰ぞかれ=あれは誰やねんやで。

ちなみにプチ情報。

「たそがれ」の語源らしいでぇ~。

なるほどやろ。


日の暮るらくも

2021年09月12日 | 万葉集

#日の暮るらくも……★☆ 夕さらば 君に逢はむと 思へこそ 日の暮るらくも 嬉しくありけれ: 詠み人知らず : 歌意:夕方になったら恋しい人に逢おうと思っているからこそ、日の暮れていくのさえも嬉しいことだわ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十二巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

ゆふさらば きみにあはむと おもへこそ ひのくるらくも うれしくありけれ

みなさん、お元気?

この歌の枕詞に「正述心緒」とあるわね。

つまり、心に思ったことを素直に詠んだんや。

学校やお仕事が終わって好きな人と会えることが待ち遠しい気持ちがよぉ~わかるわ。

そうやね。それに補記に「女歌」とあるから、女性の気持ちやね。

うんうん、わかるゎ、わかるゎ。

ウチもデートのある日はソワソワ、ワクワクや。

あらっ、マナちゃんもデートに行くんやね。

あったりまえや。

ウチはデートの予定がいっぱいあっていつも大忙しや!

・・・


いなと言へど

2021年09月08日 | 万葉集

#いなと言へど……★☆ いなと言へど 強ふる志斐のが 強ひ語り このころ聞かずて 我れ恋ひにけり: 持統天皇 : 歌意 もう嫌だ、聞きたくないと言っても聞かせる志斐の嫗のこじつけ話も、この頃聞かないので私は恋しく思っている。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第三巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

いなといへど しふるしひのが しひかたり このころきかず

強ひ語り=はこじつけ話のことで無理強いすることやで

嫗(おみな)=は高齢の女性のことで、つまり、お婆さんのことやで。

あれっ、持統天皇柿本人麻呂がなんかもめてるみたい。

人麻呂「天皇さま、ぼんやりされてどうしたんですか」

持統天皇「あー、人麻呂か。ええとこ来たわ。あんた、志斐の嫗(おみな)、知ってるか?」

人麻呂「あの、めっちゃ、よーくしゃべるお婆さんのことですか?」

持統天皇「せや!

めっちゃ、よーくしゃべる婆ちゃんのことや。

最近、宮殿にけえへんから、手紙にちょっとした歌を添えて送ったんや。

そしたらな、返事来たんやけどなぁ・・・」

人麻呂「あー、世間ではこの頃、怪しい感染症が流行って、人と人との接触を避けて不要不急の外出や、都なんかをウロウロしたらあかんと緊急事態宣言出したのは天皇さまじゃないですか。

だから、お婆さんも宮殿に来なくなったんじゃないですか。

ですから、私もこうしてソーシャルディスタンスで、遠くからお話ししてますよ。」

持統天皇「うん、まぁそうやねんけどな。

感染症が流行り、施薬院(せやくいん)にはどんどん病人が運び込まれて満床になってきて大変やねん。

二人でおしゃべりどころやないけど、世の中の情報が届けへんから、なんでも、よー知ってる婆ちゃんに聞いてみよかと思うんや。

まぁ、これも仕事のうちや。

それで、手紙書いたんやけど・・・まぁ、手紙の返事読んでみ。」

いなと言へど 語れ語れと 宣らせこそ 志斐いは申せ 強ひ語りと詔る : 志斐嫗 :

(いなといへど かたれかたれと のらせこそ しひいはまをせ しひかたりとのる)

人麻呂「へぇ、これは、来てくれ来てくれと、うるさく言うから行っていっぱいしゃべったのに、それをこじつけ話って言うなら、もう決してしゃべりに行きませんからね、っちゅう意味ですね。

これは完璧に拗ねてしまいましたね。」

持統天皇「そやろ。

婆ちゃんの話そこそこ面白いから、時々は来てほしいんや。

そこで、人麻呂、あんた、ちょっと、代わりに行って謝ってきてくれへんか。」

人麻呂「えー!な、なんで私が・・・ご自分で謝ったらいいじゃないですか」

持統天皇「せやかて、天皇が謝ったらおかしいやろ。

それに、あんた、歌、得意やん。」

人麻呂「そりゃ、まぁ、私は宮廷歌人ですから・・・」

持統天皇「そやろ、歌で人心を感動させるの得意やん。

世間ではあんたのこと、歌聖(かせい)や言うてえらい人気やん。

そこで、あんたの歌で志斐の嫗の心をほぐして、また、おしゃべりに来るようにしてほしいんや。

わかったか?ほな、頼んだで!」

人麻呂「そ、そんんなぁ~・・・」

・・・などと持統天皇柿本人麻呂が言ったかどうかは定かではないけれど、持統天皇志斐の嫗へ、からかいの歌を送り、志斐の嫗から、もうしゃべりに行かへんわと返事が来たと万葉集は伝えてるでぇ。


夕されば

2021年08月22日 | 万葉集

#夕されば……★☆ 夕されば ひぐらし来鳴く 生駒山 越えてぞ我が来る 妹が目を欲り: 秦 間満 : 歌意:夕暮れになるとひぐらしがやって来て鳴く生駒山を越えて私はやって来た。いとしい妻の顔が見たさに。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十五巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

ゆふされば ひぐらしきなく いこまやま こえてぞあがくる いもがめをほり

妹が目を欲り(いもがめをほり)=は恋人(妻)に逢いたくてやでぇ。

あっ、こんな夕暮れに人が・・・

ちょっと聞いてみましょか!

もしもし、お急ぎのようですが、もう、夕暮れですよ。

秦 間満:あっ、そうなんです。だから急いでるんでる。

私は、新羅使節団のメンバーなんですが、まだ出航しないんで休暇になったんです。

それで、ちょっとでも恋しい妻の所に帰ろうと・・・

難波の港には出航する時に間に合うように、急いで帰ります。

では、急いでいるので!

はい!それはお急ぎの所ありがとうございました。

もうすぐ日も暮れて暗くなりますね。

どうぞ、お気をつけて。

以上、生駒山麓からインタビューをマナ女がお送りしました。