言の葉花壇

何度聞いても美しい日本語に、今日もマナ女とカナ女がにぎやかに呟きます。ぜひお気に入りを見つけてください。

雨障み

2021年08月10日 | 万葉集

#雨障み……★☆ ひさかたの 雨も降らぬか 雨障み 君にたぐひて この日暮らさむ: 詠み人知らず : 歌意:雨でも降ってくれないだろうか。そうしたら、雨で出かけずにあなたに寄り添って今日一日を暮らそう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第四巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

ひさかたの あめもふらぬか あまつつみ きみにたくひて このひくらさむ

まだまだ、暑いなぁ~

ほんま、雨降って涼しくなってほしいやろ。

雨障み(あまつつみ)=雨 に降られて外に出られずとじこもっていることやで。

たぐひて=寄り添うとか連れ添うとかのことやで。

でも、こんなに暑かったら一緒におったら余計に暑いやろと思うけど、そこは恋人同士。

ちょっとでも一緒におりたい恋心や。


七夕のこころに添えて4首 まち來し今日の・扇のかぜに・早漕ぐ舟の・月の舟 星の林に

2021年07月07日 | 万葉集

#まち來し今日の……★☆ 棚機の 心のうちや いかならむ まち來し今日の 夕暮のそら: 九条兼実 : 歌意:織姫の心の内はどんな気持ちだろう。ずっと待ちに待っていた今日の夕暮れの空だから。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #千載和歌集 第四巻より■□■

#扇のかぜに……★☆ 天の河 扇のかぜに 霧はれて そらすみ渡る かさゝぎのはし: 清原元輔 : 歌意:天の川は扇で煽ぐ風で霧が晴れて、空が澄わたり鵲の橋も見える。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #拾遺和歌集 第十七巻より■□■

#早漕ぐ舟の……★☆ この夕 降りくる雨は 彦星の 早漕ぐ舟の 櫂の散りかも: 詠み人知らず : 歌意:この七夕に降る雨は彦星が急いで漕いでいる舟の櫂のしずくが散っているのだろうか。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十巻より■□■

#月の舟 星の林に……★☆ 天の海に 雲の波立ち 月の舟 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ: 柿本人麻呂 : 歌意:天上の海には、雲の波が立っていて、月の舟が星の林に漕いで隠れて行くのが見える。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第七巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

たなはたの こころのうちや いかならむ まちこしけふの ゆふくれのそら

あまのかは あふきのかせに きりはれて そらすみわたる かささきのはし

このゆふへ ふりくるあめは ひこほしの はやこぐふねの かいのちりかも

あめのうみに くものなみたち つきのふね ほしのはやしに こぎかくるみゆ

今日、7月7日は「七夕」やでぇ。

おり姫様は今夜、1年に1回だけ彦星様に逢うんやで。

でも、雨が降ったら天の川が渡られへんから、気が気じゃないくらいお天気が気になるんや。

でもなぁ、雨降っても、彦星様はおり姫様に逢うために一生懸命、月の船を漕いで会に行くんや。

だから、雨雲が晴れるようにみんなで、扇で煽いで雨が止むように祈ろやぁ。


立つ虹の

2021年06月09日 | 万葉集

#立つ虹の……★☆ 伊香保ろの やさかのゐでに 立つ虹の 現はろまでも さ寝をさ寝てば: 詠み人知らず : 歌意:伊香保の高い堰に立っている虹ではないが、あのように人目について現れるまでも満足するほど寝たならば、もう、見つかってもかまわない。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十四巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

いかほろの やさかのゐでに たつのじの あらはろまでも さねをさねてば

伊香保ろ=今の群馬県の伊香保町やで。

やさかのゐで(八尺堰塞)八尺(やさか)大きいこと。長いこと。堰塞(ゐで)は堰堤、ダムのことやで。

ぬじ(努自)=これが虹(にじ)のことやで。万葉仮名で書いたら「努自」と書くんや。

現はろまでもあらはろあらはるの東国訛りなんや。

さ寝をさ寝てば=幾夜も続けて寝ること。

この歌は万葉集の巻14の東歌に収められている歌で、東国地方の人が詠んだので、「にじ」も「ぬじ」になってるんや。

万葉集の中で虹が出てくる歌はこれ1首だけなんやで。

ウチ等が、今見る虹の原理は解って見てるから何とも思わへんけど、昔の人にとって虹は天変地異、見えたら不安材料やったんやで。

高い位置から大勢の人が見える虹のように、自分たちの仲も知れ渡るんやったらそんでええわ、って、結構やけくそやけれど、知れ渡った後が不安やみたいな意味に使われてるんや。

みんなも、小っちゃい秘密でばれたらエヘッて言うようなことある~?

ウチはダイエット中にチョコレートをひとつしか食べたらアカンのに、ふ、ふたつ・・・

アカンわ!しゃべったら・・・


片糸にあれど

2021年05月30日 | 万葉集

#片糸にあれど……★☆ 河内女の 手染めの糸を 繰り返し 片糸にあれど 絶えむと思へや: 詠み人知らず : 歌意:河内女が手染めの糸を繰り返し紡ぐので、片糸だけれど 滅多に切れるようなことはない。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第七巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

かふちめの てそめのいとを くりかへし かたいとにあれど たえむとおもへや

昔の河内国(今の大阪府の東部)では糸を染めることや機織りが盛んやったんやで。

糸は紡いで2本を撚り合わせて丈夫にして織物にするんやけれど、片糸はまだ撚る前の1本の糸ちゅうことや。

普通は1本だけやったら頼りないけど、河内の女性が紡いで染めた糸は1本でも丈夫で滅多に切れへん、二人の仲もまだ片思いやけども、自分は切れることなくず~っと思てんるからねっちゅことや。

健気に片思いしてたらいつか相手も思ってくれる、片糸も撚り合わさって布地が織れるくらい丈夫になるんや。

ウチにもきっと何本も撚り合わせて切れへん丈夫な赤い糸がつながった人がおるって信じてるでぇ~。


にほへる香かも

2021年05月26日 | 万葉集

#にほへる香かも……★☆ 橘の にほへる香かも 霍公鳥 鳴く夜の雨に うつろひぬらむ: 大伴家持 : 歌意:ホトトギスが鳴く夜の雨の中、橘の良い香りがどこからともなく漂っているようだ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十七巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

みなさん、お元気?

読み方やでぇ~

たちばなの にほへるかかも ほととぎす なくよのあめに うつろひぬらむ

うつろひぬらむ(移ろいぬらむ)=ぬらむは(今頃)~しているだろう、という意味なんで「移動してるだろう」よ。

橘ってミカンのことやろ。

ミカンは秋から冬やんか。

そうね。でも、実は秋から冬にかけてなるけれど、今の季節は花が咲くのよ。

花橘と言って、とってもいい香りがするの。

暑くなり始めた今頃の雨は五月雨(さみだれ)と言って、しとしとと降り続け、なんとなく湿気臭く、じとじとした感じで、物がカビたりして気分も憂鬱になるでしょ。

昔の人は、良い香りで精神を安定させたり、虫よけ等の効能のある草花を知っていて、花橘もそんな植物なのよ。

それに、葉っぱは常緑で果実もたくさん生るので豊作の象徴でおめでたい植物なのよ。

今でも、柑橘系は、果実、皮、オイル等は、薬や洗剤、消臭剤などの用途によく利用されてるでしょ。

そう言えば、ウチの大好きなミカンはビタミンCがたっぷりで抗酸化作用もあってアンチエイジングに最適や。

こんな古い時代からすでに、そう言った作用があるって知っていたのね。

やっぱり、昔の人はエライなぁ。

でも、ウチは香りより実や!

たっぷり食べれる冬が待ち遠しい。

アンチエイジング!アンチエイジング!

フフフ、マナちゃんはわざわざアンチエイジングしなくても、いつも変わらずかわいいわよ。


馬にふつまに

2021年05月23日 | 万葉集

#馬にふつまに……★☆ 片思ひを 馬にふつまに 負ほせ持て 越辺に遣らば 人かたはむかも: 大伴坂上郎女 : 歌意:私だけの片思いを馬にすっかり背負い持たせ越の国の辺りへ遣れば、人が半分でも担ってくれるでしょうか。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十八巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

かたおもひを うまにふつまに おほせもて こしへにやらば ひとかたはむかも

ふつまに=はすっかり

おほせもて(負ほせ持て)=お負わせてやから、荷負わせてやで。

人かたはむ(片食む)=人に半分食べてもらう。つまり人に半分手伝ってもらうちゅうことや。

越辺越の国のあたり。今の北陸地方やで。

私の片思いのすべてを馬に負わせて送るからそっちで半分くらい担ってやっちゅう意味。

大伴家持が北陸の長官やった時に大伴坂上郎女が送った歌やで。

大伴坂上郎女家持の叔母で、しかも自分の娘の夫でもある家持の後見人やったんや。

だから、片思いも恋心というよりか、「元気にしてる?何の音沙汰もないけど、こっちばっかり心配してるんや。ちょっとは、そっちからも心配やって言ってきたらどうや。この思いをアンタも半分くらいは持ちや」的な「片思い」に感じるわ。

お姑さんのチクチク感を感じるけど、重い荷物を自分だけで持つんじゃなくて半分だけでも手助けしてって言えるのはええこっちゃ。

みんなも重たい荷物(心配事)があったら、誰かにちょっとでも持ってもらったら楽になるでぇ~。


千重に百重に

2021年05月12日 | 万葉集

#千重に百重に……★☆ 心には 千重に百重に 思へれど 人目を多み 妹に逢はぬかも: 詠み人知らず : 歌意:心では何重にも恋しく思っているのに人目が多いので、愛しいあの人に逢うことができない。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十二巻より■□■

 

 みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

こころには ちへにももへに おもへれど ひとめをおほみ いもにあはぬかも

 みなさん、お元気?

千重に百重に(ちえにももえに)=は幾重にも幾重にもという意味よ。

思へれど(おもえれど)=思っているけれど。

人目を多み(ひとめをおおみ)=人の目が多いのでよ。

 な~んか、男の子の言い訳ぽいわ。

だって、人目があるから会われへんなんて・・・

ウチは恋したらいつだって会いたいやん。

 今ならそうね。

昔の日本人は謙虚だったのよ。

自分たちの恋を人に知られたくないって思ってたのね。

 そっか~!

「しのぶ恋」って言う訳や。

そうやなぁ~、それもそれなりにいいかも。

 ウフフ、マナちゃんは恋だったらなんでもコイね。


藤波の花

2021年05月09日 | 万葉集

#藤波の花……★☆ 霍公鳥 鳴く羽触れにも 散りにけり 盛り過ぐらし 藤波の花: 大伴家持 : 歌意:霍公鳥の鳴く羽に触っただけでも散ってしまった。もう花の盛りを過ぎているんだろう藤の花。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十九巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

ほととぎす なくはぶれにも ちりにけり さかりすぐらし ふぢなみのはな

羽触れ (はぶれ)=はばたいた羽が触れることやで。

この歌は奈良時代天平勝宝2年4月9日大伴家持さんが詠んだんやで。

このころの季節は今より1か月程度ずれてるから4月はちょうど今頃なんやで。

みなさん、お元気?

霍公鳥(ホトトギス)は初夏になったら鳴き始めるんで、「あー、もう春が過ぎてだんだん夏が近くなった」って昔の人は動植物で季節を感じてたようね。

夏の初めを知らせる、霍公鳥が羽を震わせて鳴くから、その、ちょっとの震えにも花の盛りが過ぎた春の終わりを知らせる藤の花も散ってしまうっていうことやろ。

つまり、季節の入れ替わりや。

いよいよ、夏の始まりや。

そうね。


五位の冠

2021年04月29日 | 万葉集

#五位の冠……★☆ このころの 我が恋力 記し集め 功に申さば 五位の冠: 詠み人知らず : 歌意:最近の私の恋力を記入し集めて、功績として申請したら五位の冠ももらえる。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十六巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

このころの あがこひぢから しるしあつめ くうにまをさば ごゐのかがふり

みなさん、お元気?

「恋力(こひぢから)」ってなんやろ?

う~ん、そうやね、まぁ、恋愛している時の苦労かなぁ。

恋愛の苦労の記録を集めてみたら、スゴイ功績になるので、それを役所に申請してみたら、きっと五位の位の冠をもらえるかもって言う歌。

五位は貴族の位で、昇殿を許される最下位よ。

「かがふり」は冠のこと。

昔の人は冠や衣服の色で位がわかったんやね。

な~るほど!

この詠み人知らずさんは、こんなに恋に苦労してる功績から庶民の自分でも昇殿できる貴族になれるかもって言うことかぁ。

そんなんやったらウチも苦労してるから冠もらえそうやわwww。

なるほど、マナちゃんの恋の苦労も冠ものっていうわけやね。


春雨の

2021年04月12日 | 万葉集

#春雨の……★☆ 春雨の しくしく降るに 高円の 山の桜は いかにかあるらむ: 河辺東人 : 歌意:春雨がしきりに降っているがあの高円山の桜は今ごろどうなっているだろう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第八巻より■□■

 

 みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~。

はるさめの しくしくふるに たかまとの やまのさくらは いかにかあるらむ

しくしく=しきりにとか、ひっきりないしとかやで。

高円=奈良の春日山の南にある高円山(たかまどやま)のことやで。

いかにかあるらむ=今ごろはどんなんかなぁっちゅうことや。

みんなぁ~

桜の花がきれいな時間は短いやろ。

この季節は雨が降ったら散ってないか、どないなってるか心配やわ。


い行き逢ひの

2021年04月08日 | 万葉集

#い行き逢ひの……★☆ い行き逢ひの 坂のふもとに 咲きををる 桜の花を 見せむ子もがも: 高橋虫麻呂 : 歌意:あちらの道こちらの道と行き違う国境の坂の麓に咲き乱れている桜の花を見せてあげられる娘がいたらいいな。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集第九巻 より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

今日はウチは街頭でインタビューするでぇ。

ちょっとインタビューいいですか?あなたのお名前は?

高橋虫麻呂です。

虫麻呂さん、えらいにぎやかですが、ここで何してるんですか?

虫麻呂 あー、ここで送別のお花見です。

送別?どなたの?

虫麻呂 藤原宇合(ふじわらのうまかい)さまです。

宇合さまが西海道節度使に任命されて着任するので見送りに来たんです。

そしたら、桜が満開であんまりにもきれいやから、みんなで別れや桜の花の歌を詠んで宴を催してるんです。

この歌はボクが詠んだんです。

歌の詠み方教えてもらっていいですか?

虫麻呂 読み方ですか? いいですよ。

いゆきあひの さかのふもとに さきををる さくらのはなを みせむこもがも

「い行き逢ひ(いゆきあひの)」っていうのはどんな意味ですか?

虫麻呂 「い行き逢ひ」っていうのは、国の神様どうしが出会った場所を人々が大勢行きかうようになった坂の頂上のことで、平たく言うと国境のことですわ。

そしたら、「咲きをを」るは?

虫麻呂 それは、「咲き撓(さきおおる)る」で花や葉の重みで枝がしなう。たわむほどに茂る。っていう意味です。

どうです!この景色!

ほんまですね。桜、満開ですね。

宴もたけなわ。忙しいところありがとうございました。

みんなぁ~、私、マナ女が、ここ、大阪府と奈良県の国境、龍田道より、藤原宇合卿の送別の宴の生中継のインタビューをお送りしました。


堅香子の花

2021年03月14日 | 万葉集

#堅香子の花……★☆ もののふの 八十娘子らが 汲み乱ふ 寺井の上の 堅香子の花 : 大伴家持 :  歌意:大勢の乙女たちがさざめき入り乱れて水を汲んでいる。そのお寺に湧いている泉の上方に咲いている可憐なカタクリの花よ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十九巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

もののふの やそをとめらが くみまがふ てらゐのうへの かたかごのはな

もののふ=「朝廷に仕えた文武百官」で八十の枕詞やで。

汲み乱ふ(くみまがふ)=入り乱れて汲む

寺井=寺に湧く水

堅香子の花(かたかごのはな)=カタクリの花のことやでぇ~

宮中の女官たちが暖かくなって、お寺の泉に水を汲みに来てワイワイ、ガヤガヤにぎやかに作業してるところに、可憐なカタクリの花も咲いて、あ~~、あったかなったんや、春になったんやっていうのがよーわかるやろ。

万葉集でいっぱい花の歌はあるんやけれど、春の初めに咲くカタクリの花の歌は唯一、この歌一首だけなんやでぇ。


東日本大震災に寄せて

2021年03月11日 | 万葉集

#愛し母に……★☆ 天地の いづれの神を 祈らばか 愛し母に また言問はむ: 大伴部麻与佐 : 歌意:天の神、地の神、いったいどの神様に祈ったら恋しい母とまた話ができるだろう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第二十巻より■□■


#八度袖振る……★☆ 白波の 寄そる浜辺に 別れなば いともすべなみ 八度袖振る: 大舎人部祢麻呂 : 歌意:白波が寄せるこの故郷の浜辺で別れたならば、たまらなくなり幾度も幾度も袖を振る。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第二十巻より■□■


#星離り行き……★☆ 北山に たなびく雲の 青雲の 星離り行き 月を離りて: 持統天皇 : 歌意:北山にたなびいている青雲が遠くへ離れていってしまった。星たちからも離れ、月からも離れていくように。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第二巻より■□■

2011年3月11日

午後2時46分

東日本一帯に大きな地震がありました


桃の花

2021年03月03日 | 万葉集

#桃の花……★☆ 春の園 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つ娘子: 大友家持 : 歌意:春の園にくれない色に映える桃の花が輝き下を照らすような道にたたずむ乙女よ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十九巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

はるのその くれなゐにほふ もものはな したでるみちに いでたつをとめ

今日は3月3日、桃のお節句やでぇ。

「くれなゐにほふ」は赤い色に咲き映はえていること

「した照る道」は美しく咲いてる桃の花の樹の下の陰まで照りかがやくように見える道のことやで。

みなさん、お元気?

この歌は

天平勝宝二年三月一日の暮に、春苑の桃李の花を見て此歌を作った

と、枕詞にあるわね。

ほんま!桃のお節句にぴったしの絵のようにきれいな歌や。

家持さんはどんな美人が桃の木の下にたたずんでるのを見たんやろかな。

それはきっと桃の樹の妖精やったかもね。


雪は消ぬとも

2021年02月24日 | 万葉集

#雪は消ぬとも……★☆ 残りたる 雪に交れる 梅の花 早くな散りそ 雪は消ぬとも: 大伴旅人 : 歌意:残っている春の雪に交じって咲いている梅の花よ。この雪は消えてしまっても急には散らないでいてくれ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第五巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

のこりたる ゆきにまじれる うめのはな はやくなちりそ ゆきはけぬとも

みなさん、お元気?

この歌は「令和」の元号となった梅の花の歌32首 ( 2019年5月のブログ記事一覧-言の葉花壇 ) の後に追加された歌の最初の一首やよ。

枕詞に「後追和梅歌四首」つまり、後に追ひてよめる梅の歌四首ということやね。

この後に

雪の色を奪ひて咲ける梅の花今盛りなり見む人もがも

我がやどに盛りに咲ける梅の花散るべくなりぬ見む人もがも

梅の花夢に語らくみやびたる花と我れ思ふ酒に浮かべこそ

と、全部で四首追加してるわね。

この時代の人々にとって梅の花は春を待つ気持ちの代表やったんや。

町中の梅もそろそろ咲き始めたで。

ウチも暖かい春が待ち遠しいわ。