第 1068
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◆ ◆ 天を詠める |
天の海に 雲の波立ち 月の舟 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ
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柿本人麻呂 ◆ ◆ |
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::: 読み ::: あめのうみに くものなみたち つきのふね ほしのはやしに こぎかくるみゆ ::: 意訳 ::: 天上の海には、雲の波が立っていて、月の舟が星の林に漕いで隠れて行くのが見える |
今夜は七夕やね。
そうやね。万葉集には題詞が 「七夕」 となっていて七夕や天の川を詠んだ歌がたくさんあるわね。 でも、この歌の題詞にはただ単に 「天(あめ)を詠める(詠天)」 となっているから 特に七夕を詠んでいるわけではないけれど 「月の船」 ・ 「星の林」 なんて、とってもロマンチックなワードが出てくるわね。
なんか、すごく現代的な感じがして、1500年まえの人の言葉って感じがせぇへんわ。 そうやね。今夜は晴れて織姫と彦星が一年に一度のデートを楽しめるといいわね。
備考…出典は、「右ノ一首(ひとうた)ハ、柿本朝臣人麿ノ歌集ニ出ヅ」 とある |