平成26年8月16日(土)~17日(日) 晴れ エサオマントッタベツ岳(北東カールから)
■1日目 沢遡行で北東カールまで
早朝に札幌を発って一気に北東カールまで登り、翌日にピークを踏んで下山するという計画でエサオマンを目指した。朝の3時に札幌の自宅を出発し、帯広を目指して高速道路を走り戸蔦別川沿いの林道終点に到着したのが6時頃であったが、すでに最終ゲート前には数台の車がとまっていた。そう、ここは伏美岳、北神威岳、戸蔦別岳その先の幌尻岳、札内岳、そしてエサオマントッタベツ岳への前進基地というべき位置にある。

(笹が覆いかぶさるエサオマン戸蔦別林道を進む)
すぐに準備し、いずれもエサオマンは初めてのMさんとJさんと私の3名でエサオマン戸蔦別林道を進む。林道といっても笹が覆いかぶさり、途中崖崩れの場所もあって、林道とは名ばかりであるが、唯一安心して歩けるところである。ザックの重さに慣れた頃に川に出て、これから長い沢歩きが始まる。重いザックを背負っての沢歩きに最初はふらついていたが、それも徐々に慣れてくる。水量は思ったより多いがうっかり流されるというほどではない。

(40分くらい歩いて沢に出る、いよいよここからスタート)
沢筋の何箇所かには巻道を示すピンクテープもあったが、出たり入ったりしているよりは沢を進んだ方が早いので、往きはほとんど水の中を歩いていた。小さな滝や滑の箇所もあったが、ほとんど危険なところもなく、水中にみかける魚影(オショロコマ?)が心を和ませてくれる。

(こんな感じのところを遡行する)
約3時間強、Co997二股付近で下山してきた単独者2名と相次いで出会った。話を聞くと上には5~6人の登山者がいるとのこと。二股を過ぎると徐々にエサオマンの山並みも見えてきて、あともう一息という気持ちも生じてくる。傾斜も徐々に増してきて2ケ所の滝をいずれも左岸を高巻いていくと、いよいよハイライトというべき300mの滑滝が現れる。そしてここを登りきると北東カールである。

(滝は左岸を高巻く)

(300m続く滑のところ、結構神経を使う)
北東カールにはすでにテントが一基張られており、ガスの中から一人二人と下山してきた。聞くとノマドのガイドツアーの方々、前日997二股で1泊し、午前中に北東カールに到着しピークまで行ってきたとのこと。ピークを踏んで後は帰るだけという余裕のせいか、みんなリラックスしているように見えた。

(北東カールに到着して、テントを設営する)
周りは終始ガスっていたため初日のピークハントは諦めて、テント設営後に灌木を集めてたき火を起こした。夏とはいえ標高1500mを超える高地は寒い、持ってきたダウンジャケットを着て、たき火にあたりながらビールを飲んでいると、ツアーパーティのお一人が「たかたか」さんはおりますか?と近づいてこられた。そのひとは「いさむ@HYML」さん、エバさん夫婦山紀行ログのエサオマン山行記への私のコメントを見ての声掛けであった。もちろん初対面ではあったが、昔からの知り合いのような気分でとても楽しい時間を過ごした。またの再開が楽しみである。(ひょっとしたら、一度だけ参加したツボ岳でご一緒していたかもしれない)

(当日のテントは2張り)<いさむさん撮影>
■2日目 山頂を踏んで下山する

(朝、いさむさんらに見送られ出発する)
翌日4時に起床、青空が広がり絶好の登山日和のなか5時に北東カールを出発した。カールバンドの登下行ルートは3ケ所ある。向かって左側が一般的に使われるルート(大きいガレ場の途中から右側の細いガレ場に移動)、右側のルートは見た目に急斜面でザイルが必要なルート、そして我々はJP直下に延びる真ん中のルンゼを登った。落石が激しいので間隔を空けて3点確保を肝に銘じながら一歩一歩登っていくとポンと稜線で飛び出る。登ってきた道を振り返ると、そのべらぼうな斜面に、ここを降りたくないと思った。

(真ん中のルートを進む)

(先行するMさん、だんだん急になってくる)
稜線の先にエサオマンのピークが見える。しつこいハイ松に苦労しながらも見た目ほどは時間は掛からず6時半に山頂に到着した。昨年登った幌尻岳や1ケ月前のカムエクを前後に配し鋭い稜線の日高の山に囲まれ、ここに自分が居ることが不思議な気がした。

(急斜面から稜線にでると、すぐそこにエサオマンがあった)

(エサオマン山頂、背後に幌尻岳や戸蔦別岳が見える)
いよいよ下山、帰りは一般的に使われている左側のルートでいくこととし、JPを通過した先にあった踏み跡を下りた。草が生えていてそれほど急でない道に、楽ちん楽ちんと口ずさみながら降りていくとやがてガレ場が現れ、落石を注意し緊張しながら降りていくと、やがて崖の真上に出てしまった。戻るのも大変、さてどうすると周りを見渡し左岸側の尾根を強引にトラバースした。結果はオーライ。草付の適度な斜面を下って崖下にでることができた。そのため余計に1時間ほどの時間を費やしたが、安全に換えられるものはない。

(崖をなんとか高巻いてテン場に戻る)
テントを撤収し9時半に北東カールを後にした。稜線からの下りで余りに緊張を強いられたためか、滑滝の下りや滝の高巻きも淡々と降りたという感じで、あの滝はどこだろうと思いながらいつの間にか997二股に着いていた。とはいえ、重いザックによる下山は足にくる。足への負担を避けるため手を使いながら、また、なるべく巻道を使って降りた。最後の林道を惰性で歩き14時過ぎに車止めに戻り、お疲れさんとメンバと握手を交わした。

(滝の左岸を高巻いているところ)
■今回も反省
今回の山行の核心部はカールバンドの登下行だった。なんとなくザイル不要と判断しテントに置いてきたのが間違いのひとつ。行動の選択肢が狭められ、その結果余裕のない行動につながる。また、最初から左のルートを登下行すれば何事もなかったかもしれない。今回の結果オーライが自分(もしくはパーティ)の実力の範囲内なのか、その範囲を超える危険な状態だったのか、今もよく分からない。
(ログがずいぶんと飛んでいる、こんなことも想定しGPSを使う)※クリックでYahoo地図
〔コースタイム〕
■16日(土)
03:00 札幌出発
06:15 エサオマン戸蔦別林道入口(=ゲート前)着
06:40 エサオマン戸蔦別林道入口 発
07:20 入渓
09:55 997二股
12:40 北東カール(テン場)着
■17日(日)
04:00 起床
05:00 テン場 発
05:40 稜線
06:30 エサオマン頂上 着
06:50 下山開始
07:18 JP通過
08:50 テン場 着
09:20 テント撤収し下山開始
11:00 997二股
13;20 沢を離れ林道へ
14:00 エサオマン戸蔦別林道入口(=ゲート前)着
■1日目 沢遡行で北東カールまで
早朝に札幌を発って一気に北東カールまで登り、翌日にピークを踏んで下山するという計画でエサオマンを目指した。朝の3時に札幌の自宅を出発し、帯広を目指して高速道路を走り戸蔦別川沿いの林道終点に到着したのが6時頃であったが、すでに最終ゲート前には数台の車がとまっていた。そう、ここは伏美岳、北神威岳、戸蔦別岳その先の幌尻岳、札内岳、そしてエサオマントッタベツ岳への前進基地というべき位置にある。

(笹が覆いかぶさるエサオマン戸蔦別林道を進む)
すぐに準備し、いずれもエサオマンは初めてのMさんとJさんと私の3名でエサオマン戸蔦別林道を進む。林道といっても笹が覆いかぶさり、途中崖崩れの場所もあって、林道とは名ばかりであるが、唯一安心して歩けるところである。ザックの重さに慣れた頃に川に出て、これから長い沢歩きが始まる。重いザックを背負っての沢歩きに最初はふらついていたが、それも徐々に慣れてくる。水量は思ったより多いがうっかり流されるというほどではない。

(40分くらい歩いて沢に出る、いよいよここからスタート)
沢筋の何箇所かには巻道を示すピンクテープもあったが、出たり入ったりしているよりは沢を進んだ方が早いので、往きはほとんど水の中を歩いていた。小さな滝や滑の箇所もあったが、ほとんど危険なところもなく、水中にみかける魚影(オショロコマ?)が心を和ませてくれる。

(こんな感じのところを遡行する)
約3時間強、Co997二股付近で下山してきた単独者2名と相次いで出会った。話を聞くと上には5~6人の登山者がいるとのこと。二股を過ぎると徐々にエサオマンの山並みも見えてきて、あともう一息という気持ちも生じてくる。傾斜も徐々に増してきて2ケ所の滝をいずれも左岸を高巻いていくと、いよいよハイライトというべき300mの滑滝が現れる。そしてここを登りきると北東カールである。

(滝は左岸を高巻く)

(300m続く滑のところ、結構神経を使う)
北東カールにはすでにテントが一基張られており、ガスの中から一人二人と下山してきた。聞くとノマドのガイドツアーの方々、前日997二股で1泊し、午前中に北東カールに到着しピークまで行ってきたとのこと。ピークを踏んで後は帰るだけという余裕のせいか、みんなリラックスしているように見えた。

(北東カールに到着して、テントを設営する)
周りは終始ガスっていたため初日のピークハントは諦めて、テント設営後に灌木を集めてたき火を起こした。夏とはいえ標高1500mを超える高地は寒い、持ってきたダウンジャケットを着て、たき火にあたりながらビールを飲んでいると、ツアーパーティのお一人が「たかたか」さんはおりますか?と近づいてこられた。そのひとは「いさむ@HYML」さん、エバさん夫婦山紀行ログのエサオマン山行記への私のコメントを見ての声掛けであった。もちろん初対面ではあったが、昔からの知り合いのような気分でとても楽しい時間を過ごした。またの再開が楽しみである。(ひょっとしたら、一度だけ参加したツボ岳でご一緒していたかもしれない)

(当日のテントは2張り)<いさむさん撮影>
■2日目 山頂を踏んで下山する

(朝、いさむさんらに見送られ出発する)
翌日4時に起床、青空が広がり絶好の登山日和のなか5時に北東カールを出発した。カールバンドの登下行ルートは3ケ所ある。向かって左側が一般的に使われるルート(大きいガレ場の途中から右側の細いガレ場に移動)、右側のルートは見た目に急斜面でザイルが必要なルート、そして我々はJP直下に延びる真ん中のルンゼを登った。落石が激しいので間隔を空けて3点確保を肝に銘じながら一歩一歩登っていくとポンと稜線で飛び出る。登ってきた道を振り返ると、そのべらぼうな斜面に、ここを降りたくないと思った。

(真ん中のルートを進む)

(先行するMさん、だんだん急になってくる)
稜線の先にエサオマンのピークが見える。しつこいハイ松に苦労しながらも見た目ほどは時間は掛からず6時半に山頂に到着した。昨年登った幌尻岳や1ケ月前のカムエクを前後に配し鋭い稜線の日高の山に囲まれ、ここに自分が居ることが不思議な気がした。

(急斜面から稜線にでると、すぐそこにエサオマンがあった)

(エサオマン山頂、背後に幌尻岳や戸蔦別岳が見える)
いよいよ下山、帰りは一般的に使われている左側のルートでいくこととし、JPを通過した先にあった踏み跡を下りた。草が生えていてそれほど急でない道に、楽ちん楽ちんと口ずさみながら降りていくとやがてガレ場が現れ、落石を注意し緊張しながら降りていくと、やがて崖の真上に出てしまった。戻るのも大変、さてどうすると周りを見渡し左岸側の尾根を強引にトラバースした。結果はオーライ。草付の適度な斜面を下って崖下にでることができた。そのため余計に1時間ほどの時間を費やしたが、安全に換えられるものはない。

(崖をなんとか高巻いてテン場に戻る)
テントを撤収し9時半に北東カールを後にした。稜線からの下りで余りに緊張を強いられたためか、滑滝の下りや滝の高巻きも淡々と降りたという感じで、あの滝はどこだろうと思いながらいつの間にか997二股に着いていた。とはいえ、重いザックによる下山は足にくる。足への負担を避けるため手を使いながら、また、なるべく巻道を使って降りた。最後の林道を惰性で歩き14時過ぎに車止めに戻り、お疲れさんとメンバと握手を交わした。

(滝の左岸を高巻いているところ)
■今回も反省
今回の山行の核心部はカールバンドの登下行だった。なんとなくザイル不要と判断しテントに置いてきたのが間違いのひとつ。行動の選択肢が狭められ、その結果余裕のない行動につながる。また、最初から左のルートを登下行すれば何事もなかったかもしれない。今回の結果オーライが自分(もしくはパーティ)の実力の範囲内なのか、その範囲を超える危険な状態だったのか、今もよく分からない。
(ログがずいぶんと飛んでいる、こんなことも想定しGPSを使う)※クリックでYahoo地図
〔コースタイム〕
■16日(土)
03:00 札幌出発
06:15 エサオマン戸蔦別林道入口(=ゲート前)着
06:40 エサオマン戸蔦別林道入口 発
07:20 入渓
09:55 997二股
12:40 北東カール(テン場)着
■17日(日)
04:00 起床
05:00 テン場 発
05:40 稜線
06:30 エサオマン頂上 着
06:50 下山開始
07:18 JP通過
08:50 テン場 着
09:20 テント撤収し下山開始
11:00 997二股
13;20 沢を離れ林道へ
14:00 エサオマン戸蔦別林道入口(=ゲート前)着
今回の沢遡行やゴルジュの登りなど、大げさにいえばこれまでの山経験は、この日高山行のための備えだったと言えるかもしれません。岩場の登りは素人同然ですが、その能力を総動員しました。
行動時間の長さや登路の険しさなど、スケールが大きい分、得られる満足感も大きく、病みつきになりますね。そのためにも、なお一層精進したいと思います。
いろいろご指導をお願いします。
楽しく拝見させて頂きました。
反省点にもありましたが、カールバンドの登下行は
カールから見た左のルートが正解です。・・・と言い
つつ私たち夫婦も3ルートすべてを登ってしまった
経験があります(笑)
日高は何事にも経験です。
どんな経験も楽しく癒される時間です。
ケガだけは気を付けて、色々な日高を楽しみましょう。
GAKUさんの同行も報告を楽しみにしています。
私ともどこかでご一緒出来る事を楽しみにしています。
お疲れ様でした。