平成25年7月6日~7日 雨から晴れへ イドンナップ岳
持っているOregon550の格納地図がイドンナップ地図ということもあって、以前から気になる山のひとつだった。何の気なしに日高森林管理局に電話で訊ねると、新冠ダムからの林道が解放されるという情報を得た。そして今回W田さんを誘ってイドンナップ岳に行ってきた。
夏山ガイドでは日帰りできる山とあるが、体力を考えて2日行程とした。しかし、その分担ぐ荷物が増えとても苦しい山行となった。日帰り軽装備と山中テント泊の重装備と、どちらを選ぶか難しい選択だが、日帰りとの方が楽かもしれないと思った。もちろん、その場合には早朝出発のためにイドンナップ荘などに前泊する必要がある。
■1日目(雨模様) テント設営
天気予報では、土日ともに曇り時々雨、現地行っての勝負と新冠ダムを目指して札幌を出発した。長い林道を走り新冠ダムの堰堤を抜けてイドンナップ岳登山口に近づくにつれて雨足が強くなって暗い気持ちになったが、登山ポストのある分岐点に到着すると雨はあがっていた。十数キロほどのザックを担いで、まずはサツナイ沢沿いの林道をを歩き登山口をめざす。登山口までは途中3ケ所の沢横断があるが、ブルトーザーで整地されていたので普通乗用車でも通行可能、戻って車をとってこようかと思ったほどだ。

(登山口への林道分岐、ここから歩きます)

(出だしの沢、水量は少ない)

(標高を上げていくW田さん)
林道を約30分歩くと登山口(看板などは何もない)に到着し、そこから沢に入っていく。沢といっても水量も少なく沢装備はまったく必要ない。ほんのちょっと沢筋を歩くと直ぐに尾根への取り付きとなり昔の林道跡に合流する。そしてやがて登山道は数えきれないほどのアップダウンの稜線歩きとなる。水分4Lとビールなどで重たくなったザックが肩に食い込み、標高100mごとの休憩となってペースはまったく上がらない。途中からは気温も上がり益々疲れがどんどん溜まる一方で、当初のテント予定地まで到達できず1404Pの先の雪渓上にテント設営した。しかし結果的には、そんなに悪くない位置だった。

(岩場と呼ばれているロープ場)

(わずかに残る雪渓上にテントを設営)
当日は、新冠富士まで行ったという2名の男女カップルとツアー登山(?)と思われる女性中心の数名パーティと出会った。ツアーの人たちとすれ違ったのはをテント場付近で時刻は午後5時を回っていた。どこまで行ってきたのかわからないが、この時間からではどう考えても8時以降の下山となる、ちょっと驚いた。(翌日に出会った前日イドンナップ荘に泊まったという単独者に聞くと、10時頃にバンから荷物を降ろしていたと聞いたので登山口には9時頃に到着した模様。)
雪渓上のテントは少し冷たかったが、地面が安定していて居心地は良かった。見よう見まねで作った野菜炒めの味は今一つだったが、アルコールを飲みながらいつしか夜は更けて9時過ぎには就寝した。夜間に一時雨も降ったが、日高の山奥でのテント泊は鳥や動物の鳴き声が一晩中聞こえていた。
■2日目(晴れ) 新冠富士、イドンナップ岳
3時に起床したが慣れない食事の準備に時間をとられ、出発できたのは計画の1時間遅れ5時過ぎだった。朝露対策のうっとしい上下雨具姿であったが最低限に減らした荷物は足がとても軽く感じられ、1時間半で新冠富士に到着した。空を見上げると青空が広がり、これから向かうイドンナップ岳方面の稜線も見え始め、気持ちはますます高まってくる。新冠富士までの道すがら、ゴゼンタチバナ、オオサクラソウ、ツガザクラ、ミヤマキンバエ、チングルマ、イワヒゲ、シャクナゲ、ウコンウツギ、シラネアオイ、それとギョウジャニンニクの花など、多くの高山植物が目を楽しませてくれた。

(新冠富士への肩のお花畑、写真には写っていないけれど、いろいろ咲いていました)

(新冠富士から眺めるイドンナップ岳への稜線、この時間帯から晴れてきました)
まずは標高1752mの三角点を目指して出発、笹薮が登山道を覆って途中でプチ道迷いもしたが、そんなに苦労もなく三角点に到着。さらにイドンナップ岳へは過酷な藪漕ぎを覚悟していたが、まったく大したことはなく狭い岩場の通過はあったが、あっさりとイドンナップ岳山頂に到着できた。しかし、標識など何もない山頂のせいか、時間が押していてゆっくりと余韻に浸っている余裕がなかったせいか、その時は思ったほどの達成感はなかった。

(ハイマツの藪漕ぎ、見た目ほど濃くはない)

(こんな調子のアップダウンが続く)
山頂に20分ほど滞在してすぐに下山を開始した。三角点を過ぎた当たりで若い男性単独者と出会った。朝5時出発したということであったが、まだ山頂まで1時間以上はかかると話すと、焦った様子でイドンナップへ向かっていった。新冠富士を通り過ぎてテント場目指しお花が多い肩の急坂を下りて相棒のW田さんを待ったが、いつまで経っても降りてこない。大声を上げて何度も名前を呼んだが何の返答もなく、時間の経過とともにだんだん焦りが生じてきた。道を間違えたのか、忘れ物をして取りに戻ったのか、怪我でもして動けないでいるのか、いろいろ考えながら急坂を上り返したところでやっと声が返ってきて心からホッとした。聞くと沢筋の道に誤って入ってしまい、しかも、途中ストックの部品が落ちていたため、信じてさらに下まで降りていったという。GPSで間違いに気づいたから良かったものの、気づかずにさらに離れ離れになっていたらと考えると、パーティは目に見える範囲で行動する必要を強く感じた。(後から振り返って、疲れが判断を誤らせていたかなと...)

(イドンナップ岳から新冠富士に戻ります)


(稜線上に咲いていた花)
テント場に戻ったのが午後2時過ぎ、暗くなるまでに下山できる時間帯ではあったが、残された時間が少ないこともあって、手早くテントを撤収し急いで出発した。先日の重量に較べるとかなり軽くなったとは云えやはり重いザックを抱えての急坂の下山で残された時間をどんどん消費していく。そして登山口に到着したのが6時半。そして後は無言で車止めまで林道を歩く、この最後の30分が長かった~。車で林道を走っているうちに辺りは完全に闇夜になっていた。
今回、前日は自分がバテて、翌日はW田さんがバテた。また何回か道迷いなどもあって、信じられないほど遅いコースタイムとなってしまった。いろいろ反省の多い山行だった。
持っているOregon550の格納地図がイドンナップ地図ということもあって、以前から気になる山のひとつだった。何の気なしに日高森林管理局に電話で訊ねると、新冠ダムからの林道が解放されるという情報を得た。そして今回W田さんを誘ってイドンナップ岳に行ってきた。
夏山ガイドでは日帰りできる山とあるが、体力を考えて2日行程とした。しかし、その分担ぐ荷物が増えとても苦しい山行となった。日帰り軽装備と山中テント泊の重装備と、どちらを選ぶか難しい選択だが、日帰りとの方が楽かもしれないと思った。もちろん、その場合には早朝出発のためにイドンナップ荘などに前泊する必要がある。
■1日目(雨模様) テント設営
天気予報では、土日ともに曇り時々雨、現地行っての勝負と新冠ダムを目指して札幌を出発した。長い林道を走り新冠ダムの堰堤を抜けてイドンナップ岳登山口に近づくにつれて雨足が強くなって暗い気持ちになったが、登山ポストのある分岐点に到着すると雨はあがっていた。十数キロほどのザックを担いで、まずはサツナイ沢沿いの林道をを歩き登山口をめざす。登山口までは途中3ケ所の沢横断があるが、ブルトーザーで整地されていたので普通乗用車でも通行可能、戻って車をとってこようかと思ったほどだ。

(登山口への林道分岐、ここから歩きます)

(出だしの沢、水量は少ない)

(標高を上げていくW田さん)
林道を約30分歩くと登山口(看板などは何もない)に到着し、そこから沢に入っていく。沢といっても水量も少なく沢装備はまったく必要ない。ほんのちょっと沢筋を歩くと直ぐに尾根への取り付きとなり昔の林道跡に合流する。そしてやがて登山道は数えきれないほどのアップダウンの稜線歩きとなる。水分4Lとビールなどで重たくなったザックが肩に食い込み、標高100mごとの休憩となってペースはまったく上がらない。途中からは気温も上がり益々疲れがどんどん溜まる一方で、当初のテント予定地まで到達できず1404Pの先の雪渓上にテント設営した。しかし結果的には、そんなに悪くない位置だった。

(岩場と呼ばれているロープ場)

(わずかに残る雪渓上にテントを設営)
当日は、新冠富士まで行ったという2名の男女カップルとツアー登山(?)と思われる女性中心の数名パーティと出会った。ツアーの人たちとすれ違ったのはをテント場付近で時刻は午後5時を回っていた。どこまで行ってきたのかわからないが、この時間からではどう考えても8時以降の下山となる、ちょっと驚いた。(翌日に出会った前日イドンナップ荘に泊まったという単独者に聞くと、10時頃にバンから荷物を降ろしていたと聞いたので登山口には9時頃に到着した模様。)
雪渓上のテントは少し冷たかったが、地面が安定していて居心地は良かった。見よう見まねで作った野菜炒めの味は今一つだったが、アルコールを飲みながらいつしか夜は更けて9時過ぎには就寝した。夜間に一時雨も降ったが、日高の山奥でのテント泊は鳥や動物の鳴き声が一晩中聞こえていた。
■2日目(晴れ) 新冠富士、イドンナップ岳
3時に起床したが慣れない食事の準備に時間をとられ、出発できたのは計画の1時間遅れ5時過ぎだった。朝露対策のうっとしい上下雨具姿であったが最低限に減らした荷物は足がとても軽く感じられ、1時間半で新冠富士に到着した。空を見上げると青空が広がり、これから向かうイドンナップ岳方面の稜線も見え始め、気持ちはますます高まってくる。新冠富士までの道すがら、ゴゼンタチバナ、オオサクラソウ、ツガザクラ、ミヤマキンバエ、チングルマ、イワヒゲ、シャクナゲ、ウコンウツギ、シラネアオイ、それとギョウジャニンニクの花など、多くの高山植物が目を楽しませてくれた。

(新冠富士への肩のお花畑、写真には写っていないけれど、いろいろ咲いていました)

(新冠富士から眺めるイドンナップ岳への稜線、この時間帯から晴れてきました)
まずは標高1752mの三角点を目指して出発、笹薮が登山道を覆って途中でプチ道迷いもしたが、そんなに苦労もなく三角点に到着。さらにイドンナップ岳へは過酷な藪漕ぎを覚悟していたが、まったく大したことはなく狭い岩場の通過はあったが、あっさりとイドンナップ岳山頂に到着できた。しかし、標識など何もない山頂のせいか、時間が押していてゆっくりと余韻に浸っている余裕がなかったせいか、その時は思ったほどの達成感はなかった。

(ハイマツの藪漕ぎ、見た目ほど濃くはない)

(こんな調子のアップダウンが続く)
山頂に20分ほど滞在してすぐに下山を開始した。三角点を過ぎた当たりで若い男性単独者と出会った。朝5時出発したということであったが、まだ山頂まで1時間以上はかかると話すと、焦った様子でイドンナップへ向かっていった。新冠富士を通り過ぎてテント場目指しお花が多い肩の急坂を下りて相棒のW田さんを待ったが、いつまで経っても降りてこない。大声を上げて何度も名前を呼んだが何の返答もなく、時間の経過とともにだんだん焦りが生じてきた。道を間違えたのか、忘れ物をして取りに戻ったのか、怪我でもして動けないでいるのか、いろいろ考えながら急坂を上り返したところでやっと声が返ってきて心からホッとした。聞くと沢筋の道に誤って入ってしまい、しかも、途中ストックの部品が落ちていたため、信じてさらに下まで降りていったという。GPSで間違いに気づいたから良かったものの、気づかずにさらに離れ離れになっていたらと考えると、パーティは目に見える範囲で行動する必要を強く感じた。(後から振り返って、疲れが判断を誤らせていたかなと...)

(イドンナップ岳から新冠富士に戻ります)






(稜線上に咲いていた花)
テント場に戻ったのが午後2時過ぎ、暗くなるまでに下山できる時間帯ではあったが、残された時間が少ないこともあって、手早くテントを撤収し急いで出発した。先日の重量に較べるとかなり軽くなったとは云えやはり重いザックを抱えての急坂の下山で残された時間をどんどん消費していく。そして登山口に到着したのが6時半。そして後は無言で車止めまで林道を歩く、この最後の30分が長かった~。車で林道を走っているうちに辺りは完全に闇夜になっていた。
今回、前日は自分がバテて、翌日はW田さんがバテた。また何回か道迷いなどもあって、信じられないほど遅いコースタイムとなってしまった。いろいろ反省の多い山行だった。
私もそろそろ山中泊を楽しんでみたいと思い、大型ザックやテントを調達しました。そのうち山でお会いできると信じています。今後ともよろしくです。