私的海潮音 英米詩訳選

数年ぶりにブログを再開いたします。主に英詩翻訳、ときどき雑感など。

バーント・ノートン Ⅰ1~8行目

2009-10-13 22:18:01 | 英詩・訳の途中経過
Burnt Norton T.S.Elliot

Ⅰ[ll.1-8]

Time present and time past
Are both perhaps present in time future,
And time future contained in time past.
if all time is eternally present
All time is unredeemable.
What might have been is an abstraction
Remaining a perpetual possibility
Only in a warld of speculation.


バーント・ノートン   T・S・エリオット

       Ⅰ[1-8行目]

今在るときと過ぎたときとは
おそらくは どちらもまだ来ぬときのうちに在り
まだ来ぬときは過ぎたときのうちに含まれていた
すべてのときが非時にただ今にのみ在るなら
すべてのときはあがないえず
在りえたなにかはただひとつの想にすぎないまま
果てない見込みをとどめながら
識の世にのみ留まる


  
 ※「四つの四重奏」から。またしばらくエリオットでいきます。
   四行目「非時」は「ときじく」。eternalに対応させてどうかとこのごろひねり出しました。いかがなものでしょう?