ミズナ
昨年ミズナから種を採りました。ミズナは一株から想像以上に種が採れます。捨てるのももったいないので、全部蒔きました。密生です。
数センチの芽の頃から間引きながら食べています。今は人にあげても恥ずかしくないくらいに大きく成長し、食卓の上に毎朝上がっています。その名のとおりパリパリとしたみずみずしい食感は食欲をそそります。
考えて見れば、1ミリにも満たない小さな種が根を出し、芽を伸ばし、葉を広げ、見る見るうちに青々とした株になっていく。地中から水分と養分を吸い取り、太陽の光を浴び、細胞を増やし親と全く同じ形に成長していく。現代の科学ではそのすべてが解明されているのでしょうが、不案内の私にとっては神秘な不思議な現象だとしかいいようがありません。
ミズナだけではなく、他の野菜、動物から人間に至るまで、さまざまな要素があつまり微妙なバランスの上に作り上げられているのでしょう。いつだったか、鎌倉円覚寺横田老師が「小さな花は小さな一つの天地を造って居る」と話されていました。小鉢に山盛りに盛られたミズナを見てふと思い出しました。