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電柱鳥類学
3月9日の朝日新聞天声人語は鳥類学者の三上修さんが提唱している『電柱鳥類学』の話でした。なぜ鳥たちが街中に張りめぐらされた電線に止まるかを考察しています。鳥たちはただ静かに休んでいる訳ではないようで、巣にエサを運ぶ前に電線に止まって巣の近くに外敵がいないか観察したり、自分の姿を異性に見せたり、さらには電線のほのかな熱で足を温めているという説まであるそうです。
街中の電線や街路樹に止まっている鳥たちはその数が多くなると、落ちてくる糞が鳥害となるため、電線に止まられないように電線の上にさらに細い線を張ったり、いろいろ工夫をして鳥との戦いは社会問題にもなっています。
話は変わりますが、先週3月3日のこと、山道を歩いていると道の傍に立っている赤白に塗られた大きな送電線の鉄塔から”バチバチ”と電気放電のかなり大きな音が聞こえます。この道はときどき通る道で、今まで聞いたことのない音です。超高圧送電線はコロナ放電と言って”ジー”という音がすることがありますが、これとは違います。街中であればラジオに雑音として入っていることと思います。
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送電線の上の方ですから火災などの心配はありませんが、少し興味もあって、鉄塔のフェンスに書かれていた電力会社の連絡先へ電話をしてみました。すぐ確認するとのことです。その後ウォーキングの山道を折り返し、小一時間して戻ってみますと鉄塔の下に保守担当の方2名が来ていました。夕暮れが近く、もう少し暗くなれば放電箇所が分かるかもしれないので待ってみることになったそうです。 一週間後また鉄塔の下を通ると音は止まっていました。電力会社に聞いてみると、その3日の夜は原因は確認できず、翌日鉄塔に登り確認したところ、どうもカラスの糞が原因だったようで、次回送電が停止した際に再度点検することになったそうです。音が止まったのは糞が雨で流されたためらしいです。
そういえばその鉄塔にはいつも夕方になると数十羽のカラスがやかましいほどの鳴き声と共に集まっていました。街中では鳥よけのためにキラキラ光る反射材やクルクル回る風車をつれている鉄塔を見ます。
電柱に作るカラスの巣も電力会社を悩ませています。いろいろ苦労しているなかから『送電線鳥類学』なるものができるかもしれません。いや、もうすでにあるかもしれません。私も現役のころ、電話局屋上の鉄塔に集まるカラスの対策に苦労した覚えがあります。電力会社に聞いてみたいと思ったのですが、そこまででしゃばるのはよけいなおせっかいです。控えました。
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