始まりは昨日の事ですが・・・・
ひょんなことから中国・浙江省産のヒレイケチョウガイ(Hyriopsis cumingii)を入手した。
それも立派な翼状突起と綺麗な鶯色を残した幼貝です。
と、言うことでCherryは早々に標本処理に着手するのですが、同じ翼状突起を持つカラスガイの幼貝と同様に半ば強引に殻を開けると翼状突起は破壊されてしまう。
そこで・・・・
刃の薄いカミソリを殻の隙間から挿入して前後にある二つの貝柱を切断する。
すると、翼状突起が邪魔をするものの殻は僅かに開く。
後は先の鋭利なピンセットやペンカッターを使って内部の肉を取りだし後は乾燥するまで待てば良し!と、普通の二枚貝標本であれば終えるのだけど、こいつらは翼状突起が乾燥と共に反り始める。
いや、ただ反るだけなら良いが乾燥で殻の強度が保てずにクラックが走りパリパリに割れてしまう。
そこで殻の裏側に酢酸ビニル樹脂などを塗布して補強を図らなければならない。
まぁ、それでも割れる時には割れるのだけど・・・・
しっかし、この翼状突起をもった貝標本を作ったのは何十年ぶりなんだろう?
で、今になって考えると・・・
あの頃のCherryは常人の域を超えるほどの覇気があったよなぁ。
ちなみに・・・・
このヒレイケチョウガイは日本固有のイケチョウガイ(Hyriopsis schlegelii)とは同属の別種にあたります。