ロクマルでいこう、60でGo!

" AS SLOW AS POSSIBLE AND AS FIRST AS NECESSARY "

細部に宿る時代の香り

2015年06月29日 | ロクマル日記

 

 クルマというのは匂いを持っている。それは室内のあの匂いやマフラーから出る排気の匂いでもない。それは五感で感じる感性の匂いであって鼻のみで感じる匂いとは次元の異なるものである。そして、その匂い(香り)は想いを引き寄せる。その想いは一瞬に時代を超えて、そのクルマが誕生した時代から今日までを巡るような感覚である。

 

 時々ガソリンの給油口を掃除する。柔らかいナイロンブラシで隙間に溜まった汚れ(垢)を適当に落として布でふき取るだけの作業で数分で終わってしまう。この数分の時間は愉しいものである。なぜならばこの小さな給油口の周辺から良き時代の匂いを嗅ぐ事が出来るからである。もちろんガソリンの匂いもからまる。

 

 こういったクルマの細部を見ながら、良く出来ているなぁ!と思う。それは現在の車には無い味であり、嬉しい気持ちになるものだ。そこには当時の物作りの良さがあり、見てくれを優先した製品ではなくて、細かい所まで(見えないところに)気を配って製作されている故に、長く使う程その良さを発見出来る愉しみがある。そしてそれは、良いクルマの条件の一つなのではないだろうか。いい年をしたおっさんがクルマの給油口を見ながら癒されるというのはあまり多くの人々の支持は得られないとは思うが...。

 

 ダッシュボードのグローブ入れ。ランドクルーザー60はこの部分も鉄で出来ている。こういった所を見ながら、神は細部に宿るんじゃないかと思ったりする。細部(特に目に見えない所)をきちんと作っている、作られている。こういった事をクルマを手にした後に見つける(気付く)とクルマの所有満足感は維持され続けると思う。

 クルマの細部の一部はクルマ全体を象徴している。メイド イン ジャパン の ランドクルーザー が今日世界的な信頼を得て愛され続けられているのは、人々が細部に宿る匠の香りに無意識に惹かれているのであろう。時々給油口を掃除しながらその香りを確かめる。こういった所(細部)が良く出来ているが故にクルマを大事にしょう!ていう気持ちも自然に沸いてくるものなのだな。

 

コメント
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