今年最後の休日の朝、寒さを覚悟で自転車のロードトレーニングに出かける。僕にとって自転車に乗る事の難しさとは、重いギアを速く回す事や上り坂での持久力ではなく、自転車に乗るトレーニングを継続し続ける事である。仕事が忙しく時間的な余裕の無い時、そして冬の寒い日の朝におけるやる気のスイッチの入力等においては意志と少しの工夫が必要なのである。今年のクリスマス前の商戦期に結構高い買い物であったが冬季用の新しい自転車用防寒ウェアーを揃えた。
今朝の外気は3℃、日中は最高7℃位まで気温は上昇するらしいが、お昼頃から雨になる予報。新しいウェアーに身を包み雨が降り出す頃には帰宅する予定で走り出す。自転車のトレーニングを継続させる為には時々こういった投資(新しい道具を購入する)もいい動機付けになるなと自分を納得させてみる。一時間程北に向かって走っていると小雨が降りだしサングラスに水滴が付きだす。まだ空は明るいので小雨のままであろうという判断で折り返し地点まで到着した。帰路も小雨が続いている。小雨が続く事により道は黒く濡れ700Cのタイヤが跳ねるしぶきを浴びる様になる。自転車と新品のウェアーにはねっとりした冬の水と泥が付着した。走り終えてペットボトルの水で自転車を洗い、濡れたウェアーを乾かしながらも気分は爽快であった。寒いと出掛けるのが億劫であるが、その気分を押して走り終えると気持ちの良さに支配される。灰色に汚れが付いた黒い新しいウェアーを見ながら、寒い冬に新しい防寒ウェアーを身にまとって走る事は贅沢な事だが、その新しいウェアーを躊躇する事無く汚す走りは贅が極まる行為なのだと思った。とりあえず、新しいウェアーを入手する事によって億劫な冬季自転車トレーニングのネジバネが強く回される事になったという事である。冬の冷たい空気が好きになるかも知れない...。