旅してマドモアゼル

Heart of Yogaを人生のコンパスに
ときどき旅、いつでも変わらぬジャニーズ愛

「ガブリエル・シャネル」

2009-07-04 | 観たものレビュー
舞台「ガブリエル・シャネル」を観て来ました。

夕方5時からの開演ということで、その前に、本日ご一緒するIさん宅へ初訪問
お茶しながら録画した「VS嵐」を観て、観劇前にIさんお手製のお食事までご馳走になりまして・・・そして新橋演舞場へ



タイトル通り、あの有名なシャネルの生涯を描いた舞台。
シャネル役は大地真央。そして恋人アーサー・カペル役が今井翼。
ミュージカル、とまではいかないけれど、随所に歌が散りばめられていて、でも、それほど違和感はない。
個人的には、今井君が2幕半ば、ヴェネツィアのシーンで歌った曲が、メロディーラインも歌詞もすごく素敵で涙腺もゆるんだ。
というか、今井君の声がとにかく素晴らしかった。そんなポテンシャルをいったいどこに秘めていたのかと、いや、もちろん、歌もダンスももともと上手いことは分かってはいたけれど、ライブで歌うのと舞台で歌うのとは別物。
でも、あの真央さんとデュエットで歌っても「負けない」声の張りと、Iさんが絶賛されるバリトンの声色におもわず胸がときめいてドキドキさせられた。
・・・しげ、ゴメン。

真央さんに宝塚仕込の男役の身のこなしや女性のエスコートの仕方を教わったという今井君の、27歳とは思えない落ち着き、たたずまい、そして、やはり真央さんを相手に堂々と向こうを張れる存在感は見事。

今回の舞台、装置も衣装も、シャネルが生きた時代の雰囲気がよく表現されていて、シャネルが生きた20世紀初頭の世界に最初からすんなり入って行けた。
シャネル本人の回想シーンとして出てくる子供の頃のエピソードだけは、ちょっとアニメーション的な、コメディの要素があって、この演出はなかなか面白かった。
そして、シャネルの写真などでも見かける、服のポケットに両手を突っ込むシャネルのポーズ。真央さんが随所でその癖をじつに違和感なく見せてくれた。

宝塚時代の真央さんはめちゃめちゃカッコよくって大好きだったけれど、宝塚を退団されてからの彼女の舞台はほとんど観たことがなかった。
今回あらためて拝見して、本当に華のある人なんだなと、そしてシャネルというインパクトの強い役を演じても「役に負けない」人だなとつくづく思った。
お針子だった若いときから、避暑地ドーヴィル、そしてパリと店が大きくなるにつて、洗練され垢抜けて、そして働く女のトップになるまでの変貌。
特に2幕以降、パリのガンボン通りに「シャネル・モード」を構えてからは、「ココ・シャネル」の風格も出てきて迫力があった。
だけど、死んだカペルを想って抜け殻のようになっているヴェネツィアでのシーンでは女性らしさにあふれている。

今日は初日から2日目の公演。
にしては完成度の高かった芝居だっただけに、最後のカーテンコールで、なぜ、真央さんがカッコイイシャネルスーツで出てきてくれなかったのかと、私もIさんも、それだけがちょっと残念だった。
ちょっと宝塚チックな感じの衣装、きっと好きな人は好きなのかもしれないけど。
たしかにトップスはシャネルスーツの上着だった。でも、あの衣装に違和感を覚えたのは、私とIさんだけじゃないと思うのだけど・・・
とにかく、総じて素敵な舞台だっただけに、最後の最後で惜しい。



だけど・・・久しぶりに新橋演舞場という大きな箱で舞台を観まして、「5列目って意外とステージから遠い・・・」という気がしたのは、先月から小さい箱で舞台を観続けたせいなんかな?(笑)