今宵の一枚はCarla Bleyのheavy Heart、1983年の制作でレーベルはWATT/ECM。Jazzファン以外はおそらくほとんど知られていないだろうが、女性版ギルエバンズといった人で素晴らしい才能の持ち主だ。アルバムの写真は若く見えるが、1938年生まれ、当時御年45歳である。実はフリージャズの旗手の一人で1960年代JCOA(The Jazz Composer's Orchestra)を結成、斬新なアルバムをリリースし注目を浴びていた。
録音が素晴らしい。一音一音が鮮明で力強く聴いていて爽快。アレンジの妙が随所にあり、何度も聴きたくなる。このアルバム、20年ぶりぐらいに針を落としたがノックアウトされた。素晴らしい。圧巻はB面一曲めEnding it。Gary Bullenteのtbが圧巻で超絶テクで音の良さで度肝を抜かれた。失礼ながら向井滋春とは格が違う。tbをこんなに早く、強く吹く人がいるとは信じられないほどだ。このLPぜひ聴いて欲しい。
sideA
1.Light or dark
2.Talking hearts
3.Joyful noise
sideB
1.Ending it
2.Starting again
3.Heavy heart
(Personnel)
Carla Bley(organ,synthesizer)
Steve Slagle(Fl,as,bs)
Hiram Bullock(Guitar)
Gary Valente(Tb)
Keny Kirkland(piano)
Steve Swalow(bass)
Victor Lewis(Drums)
Manol Badrena(percussion)
Michael Mantler(tp)
Earl Mcintyre(tuba)
A-3とのJazzの相性も頗る良し。オーケストラの細部まで鮮明に再生。620Bが嬉々として音楽を奏でている。