今宵の一枚はウェス・モンゴメリーのThe Incredible Jazz。録音は1960年1月、レーベルはRiverside。Jazz Guitarはラッパやドラムのように前面に出ることは少なく、ベースほどではないしろ脇役と言ったら言い過ぎだろうか。ロックと違い、賑々しく振る舞うことは至極少ない。そんな中でウェス・モンゴメリーは別格。とにかく一音一音が明確で力強い。親指1本で爪弾くオクターブ奏法はつとに有名だが、演奏の上手さはもちろん後のギター奏者たちに与えた影響は計り知れないし、また決定的である。Jazzギターの始祖だ。
パワフルかつメロディアスな演奏はグイグイと引き込まれる。流麗な、文字通り澱みなく流れるような演奏で圧巻。トニー・フラナガン(piano)との絡みを聴くのも楽しいがやはり存在感が際立つモンゴメリーのギターの調べに、知らず知らず耳を傾けてしまう。他のプレーヤーを圧倒する存在感で俺がウェスだと主張しているサウンドである。
side A
1.Airegin
2.D-Natural Blues
3.Polka Dots and Moonbeams
4.Four on Six
side B
1.West Coast Blues
2.In Your Own Sweet
3.Mister Walker
4.Gone with the Wind
(personnel)
Wes Mongomery(Guitar)
Tommy Flnagan(piano)
Albert Heath(drums)
Percy Heath(bass)