今宵の一枚はビル・エバンズのEverybody Digs Bill Evans、録音は1958年12月レーベルはRiverside。ビル・エバンズといえば、ラファロとモチアンのトリオが余りに有名で伝説と化しているが、このトリオが結成される直前に録音されたアルバムである。サムジョーンズ(bass)とフィルジョージョーンズ(drums)にてレギュラー?トリオとはずいぶんとテイストが違う。特にbassの趣きが全く違いちよっと戸惑うほどだ。ラファエロが硬質な響きと独特なリズムに対し、サム・ジョーンズはあくまでピアノやドラムに「合わせる」オーソドックスな演奏である。ビルの演奏が素晴らしい。レギュラートリオより闊達で伸び伸びと奏でていてこんなサウンドを紡ぐビルに新鮮な思いがした。
ステレオ録音最初期の作品でジャケットにはわざわざステレオ録音の解説が記載されていて、たいへん興味深い。Riversideでは初物?のようだがなかなかどうして、魅力的なサウンドである。現代のマルチモノーラル録音にない、シンプルなマイク2本による本来のステレオ録音、生の音に近い自然な音場で実に心地よい。
side A
1.Minority
2.Young and Foolish
3.Lucky to Be Me
4.Night and Day
5.Epilogue
side B
1.Tenderly
2.Peace Piece
3.What is there to say?
4.Oleo
5.Epilogue
(personnel)
Bill Evans(piano)
Sam Jones(bass)
Philly Joe Jones(drums)