今宵の一枚はジョン・コルトレーンのGiant Step。Jazz好きの人なら知らない人はいない、コルトレーン。彼イコールこのアルバム、といっても過言ではない。圧倒的な存在感でグイグイと前進するts、誰も止められないほどに疾走するサウンドは平伏すしかない。特徴は3つのセッション編成である。何曲か演奏する曲が被るがその違いがなんとも興味深いし、好みの分かれるところ。ピアノ、ドラムは変われどベースはすべてポール・チェンバース。この人は本当に上手い人なんだな、と納得してしまう。とにかくボリュームを上げて聴きたい。小音量ではその価値がわからない。
後ろを振り返ることのないコルトレーンの生き方を象徴するかのようなサウンドで、勇気とアグレッシブな気持ちが湧いてくるから不思議。落ち込んでいる暇などないのだ。Round about Midnightと並んで鼓吹されるアルバムである。
個人的には6曲目のNaimaが好き。tsとは思えないほど澄んだ音色で魅了される。調べがロマンチックでリリカル。