今日は久々にオーディオアンプの試聴会に参加した。勤務先から徒歩5分ほどの、新富町のとあるオーディオ屋さんのショールームである。こんな至近な場所にあるとはまったく知らなかった。本日のお題は、日本では珍しい設計者の名前がブランドな元SOUL NOTEの鈴木哲氏が設計製作したパワーアンプMA-10。昨年9月1日にSOUL NOTEから離れ理想を具現化したメーカーFundamentalを設立され、記念すべきパワーアンプ第一号がMA-10だ。12月に発売されたばかりの新製品である。お値段80万円なり。一台、一台手作りのカスタム生産。受注生産品である。小さな筺体(W320mm×0H152mm×D370mm 重量17.8Kg)に1KVAのトランス装備する。BTL接続を推奨しているので、×2となると国産ではトップクラスの価格帯だ。特徴は驚異的なSN。もはやパワーアンプレベルでなく、プリアンプレベルの静けさで、無信号時にボリュームmaxでもまったく無音。あいにく小型スピーカーだったので音場感は物足りなかったがソースによっては、部屋一杯に音が広がり理想的なステレオ感。特にメサイアは教会での録音らしく深くて広い音場が眼前に展開、固い石のホールが実感できるほどだった。
少し意地悪な質問をしてみた。
「音の決める要素が10だとするとアンプはどれくらいの比重ですか。?」(アナログおやじ)
「音は八割ソースで決まります。とはいえ、ハード側の性能があがると聴こえなかった音が聴こえるようになり一概にソース優位とはいえないのが正直なところです。だからオーディオは面白いものだと思います。」(鈴木氏)
鈴木氏はMusician出身でプロのギター奏者でもあり、たいへん説得力のある発言で興味深かった。FundamentalではハードだけでなくSoftも制作、Nicogiレーベルも立ち上げられた。First CDを聴かせて頂いたが度肝を抜かれた。アコースチックギター2本のみの演奏だが驚異的なレンジと、圧倒的な迫力。なんと、一発録音、ノンイコライジング、ノンコンプレッサーで録音だそうで、再生した曲はtakeを100回!!されたとのこと。録音が嫌になったとのこと。(笑)その他接続ケーブルに対する見解もたいへんおもしろかった。全く同感。太いケーブルは意味なし。
顔の見える設計者でしかもMusician。かつてのLevinsonのような存在である鈴木さん。気さくな好感の持てる方である。今後の活躍に期待したい。
620Bに繋げて見たいがさすがに手が出るお値段ではない。残念。う~ん、MA-10貯金でも始めますか。(笑)