衝動的に買ってしまったC5(プリアンプ)に見合うパワーアンプを探していた。P-309+M-509は納品(オーバーホール終了)から1ヵ月強ちょうどエージングが終わり、本当に良い音を奏でていて手放すのは惜しいのだが、あいにくと寂しい懐具合が手元に置いておくことを許さないのだ。フルオーバーホール前とはいえ、C5+M-509の出音が、P-309+M-509に及ばなっかったのも選手交代の一因でもある。いろいろと組み合わせを考えあれこれ妄想を楽しみ、落ち着いた結論がLuxmanのM08か、純正組み合わであるM5もしくはM-Z1。M08はあいにくオークションで競り負け。M5は師匠?でありパイオニアで長らくアンプ設計に携わったN氏がお勧めせず、との御託言。となければ、MZ-1しかないではないか。
幸い折よく程度の良さそうなMZ-1がオークションに出品され「おいでおいで。」と手を振っているではないか。!(笑)MZ-1、実は10年前ほど前N氏にフルオーバーホールしていただき、暫く手元に置いたことがあったのだ。当時のプリはAccuphaseのC240、相性が悪かったのか、それともL-10(スピーカー)との相性か今一つだったか定かではないが、手放ししてしまった。とはいえ、力強く鮮明な音には驚いた記憶がある。
日曜に落札、月曜日発送で本来であれば昨日受け取るはずだったが、あいにくと定年を迎えられた同僚の送別会。本日到着である。
モノーラルアンプにててっきり2個口かと思いきや、1個口。佐川の兄ちゃんが盛んに「これ重いですよ~。」と不満タラタラ。当然である。片チャンネル19Kg、占めて38Kgだ。そりゃ重いはずだ。送料無料故、節約したのだろう。一瞬梱包に不安が走ったが、幸い取りこし苦労。某社の二重梱包箱に格納され、緩衝材で固定され動かない状態だった。これなら問題ない。
はやる気持ちを抑え開封(解梱?)し、セッティング、音出し。驚きのSoundが眼前に広がった。プリはP-309なれど量感が凄い。明らかにP-309+M-509を凌駕、620Bから聴いたこともない音が飛び出るではないか。!しかもclear、鮮明な、力強い音だ。10年前の記憶が蘇ったぞ。このアンプ無帰還でNFBを巧妙に打ち消しているのだ。いま市場に出ているアンプでNNFBアンプは、ない。明らかに異質な音で戸惑うかもしれない。M-509は200W+200W、MZ-1はわずか60W+60Wながらまったく遜色ない、それどころか聴感上は後者が前者を圧倒である。
これはいよいよもってC5との顔合わせが楽しみ楽しみ。
それにしても1979年当時これほどのアンプを開発したパイオニアの技術力の高さに脱帽である。なんでも凝りに凝った内容で定価60万円にも拘わらず作れば作るほど赤字。予定生産台数に達したらそのまま終了だったとか。オーディオ全盛期の怪物である。しかしアンプはいったいどれほど進歩したのか、と考えさせられた。