歴史作家 智本光隆「雪欠片―ユキノカケラ―」

歴史作家 智本光隆のブログです。

祈念―がんばろう東北―

桜の花に癒され、地震の爪あとに涙し・・・しかしながら確実に仙台の街は復興しております。1歩づつではございますが、前進していきたいと思っております―8年前、被災地からこの言葉をいただきました。今年もまた、春がめぐって来ました。今も苦しい生活を送られている方々に、お見舞いを申し上げます。本当に1日も早い復旧、復興がなされますよう、尽力して行きたいと思っております。

神剣の守護者人物秘話第4回―雪姫①―

2014-07-17 22:31:31 | 神剣の守護者
さて、次は『神剣の守護者』のヒロイン!雪姫さまにいってみましょうw
まず、本作のヒロインなんですが、
当初の案には「水軍の娘」「キリシタン(南蛮人宣教師)のハーフ」なる、
2つの案がありました。


これは、どっちも完全な架空ヒロインということになります。
この内、「キリシタン」案の方は影も形もありませんが、
(というか、真逆で神道かw)
「水軍の娘」の方は「戦の神に愛された水軍の女神」的な感じをイメージしてました。
結局、正具の主筋の「北畠の娘」ということで落ち着き、
水軍とは無関係なったのですが、シャーマン的?な設定がやや残っているかもですね?
なお、執筆時期からしまして件の「海賊の娘」さんとは無関係ですww


さて、雪姫さまですが性格設定的には、割と初期から不動です。
「姫」をいうキーワードで作ったキャラですが、
それで『本能寺将星録』の珠子の逆ベクトルを目指したというか。。。
伊勢の名門・北畠家の姫としての、
「気高さ」と「誇り高さ」を強調するように書きました。


実は、、伊勢取材で地元書店で資料を見繕っていた時、
雪姫に関して書かれたものが幾つかありました。
ところが、その時に読んだ2冊くらいが、
「雪姫は北畠の滅亡時に自害した」とあり・・・


もうひとつ、歴群の1か月先輩の深水先生の『剣豪の城』でも、
雪姫は死んでいたので、北畠に殉じたことに何の疑いもなくキャラづくりしました。
この時点ではまだ、「雪姫桜」の伝説をどう使うか、未定だったような気もするな・・・
とにかく、歴代作品の女性キャラとしては、珠子さんと並んで好きなキャラです。


雪姫には北畠の滅亡後も、織田信雄に添い遂げた・・・
との説もあり、近年ではそちらの方が有力らしいですが・・・
ただ!智本作品の場合、「地元説を優先する」という一応の言い訳・・・
もとい原則があるので、雪姫自害説の上の、桜伝説・・・としています。
なお、自害説は『系図纂要』に拠っています。


正具との関係は、本作完全オリジナルですw
雪姫の年齢も実際のところは不明ですが、
正具の年齢に合わせています。
そういっても、一回りは違う年になっていますがww


そして!以前にも懺悔していますが、
実際の雪姫桜は多気にありまして、八田城にもってきたのは作中の都合!
ですが、雪姫が桜の木の下で正具と別れる場面は、
何度も手を入れ直しているだけに、特に思い出深いです。
うちの母親が特に好きな場面でもありますねw



津市美杉町「雪姫桜」

リハビリというべき・・・?

2014-07-16 23:00:30 | 日記
ようやくというか、やっとこと言うか、
足が回復傾向に・・・
痛みがスタートしたのが3月。
両足に広がったのが5月末。
で、、、かばって歩くものだから、あっちこっちが痛くなり。。。


一応、右足の痛みが引いたので、
問題は左足。
熱がようやく引いたけど、油断は禁物・・・だそうです。
遠出したいが、朝がまだかなりイタイ・・・




俺と峠を攻めてみないか?


リハビリがてら土の公園を、ゆっくりゆっくり歩く。
見よ、この格調高さw



智本光隆

群馬祭!!

2014-07-13 23:32:26 | 神剣の守護者
富岡製糸場の世界遺産登録を祝しまして、
煥乎堂店頭にて、群馬の書籍フェアが実施中です。




『烏に単は似合わない』(阿部智里さん)
『秀吉を討て』(武内涼さん)
そして、『お前はまだグンマを知らない』(井田ヒロトさん)
と並びまして、『神剣の守護者』も!!
いつもありがとうございます、煥乎堂様!!
あ・・・『富岡日記』買って帰ろうw


ちなみに、今日まで前橋七夕でしたが、




「紺色の十本指」ではない方の本田選手が群馬に?
そういえば、ワールドカップも明日朝が最終戦か・・・



智本光隆

神剣の守護者人物秘話第3回―楠木正具③―

2014-07-09 23:15:17 | 神剣の守護者
5、楠木正具は何故、藤吉郎を選んだか?


はい、実は今回、作者の予想に反しまして、
もっとも多く寄せられたのはこの質問でした。
つまり「朝鮮出兵、そして秀次事件という晩年の愚行を重ねた秀吉を、」どうして正具は草薙剣の後継者に選んだのか?」ということです。


実は、取材して頂きました上毛新聞のW田さんがこの点に非常に熱心でして、
何度も質問いただいています。あと、某サイトでも指摘いただいていますか・・・


まず作者的には、
「織田信長」「豊臣秀吉」「徳川家康」の三者の中で、
「正成以来の民が自由と幸福とを得られる国」・・・それにもっとも近い国家観を持った者、
それが、豊臣秀吉だった
・・・ということです。


つまり、
「楠木正具は藤吉郎こそが、正成が目指した国を創ると信じたて賭けた」
「草薙剣そのものが藤吉郎を認めた」(白く光った)
「作者自身、豊臣秀吉はその国を創れたと思っている・・・それがほんの短期間であったにせよ」
の3点です。

大坂城の天守に立ち、この国を統べた時の豊臣秀吉は、
神剣を手にする「この国の守護者」たるべき男であった・・・そう思っています。


無論、その後の彼はさまざまな愚行を繰り返します。
(というか、私もそれを書いたことありますな。『天下人の血』とかw)


剣は豊臣家を見限ったでしょう。その後の豊臣の歴史は御存知の通り。
その時、楠木正具が存命であるなら、
「仕方ない、俺の見込み違いだったか」と口ではそういいながら、
それでも、狂う秀吉を制し、その生涯に付き合ったと思います。
それは、後醍醐天皇を最後まで見限らず、湊川へ向かった正成の心境。
堕ちて行く為政者を「見捨てることができない」
それもまた、「楠木の血」の宿命かと思います。


そんな正具ですが、実はひとつだけ「ずるい保険」をかけてもいます。
作中、甥の左近に「お前がそう思うなら・・・」と、神剣奪還の許可を与えています。
左近は正具近辺の人物で唯一、一度も藤吉郎のことを認めていませんが、
若い・・・というか、幼い本人は自分でそれがなぜなのか、
まだ完全には理解してはいません。


それは、正具は目指した国を藤吉郎に賭けたが、
左近の理想はそれとは違う・・・それを知っている正具は、
左近に神剣奪還の許可を与えました。


作中、正具には男子がなく「楠木の血」を引く男子は左近のみ。
その左近は「服部」を名乗り、東へと旅立って行った・・・
何れ、左近は神剣を託するに見合う者と出会えたのか・・・それはまた別の話になりますね。




回復したのは?

2014-07-06 11:05:34 | 日記
ブログをちょっとリニューアル。
前から右側に『天下人の血』を出そうと思っていたけど、
いざやったら『神剣の守護者』が一時的に消え・・・
四苦八苦して何とか復活!!
・・・してますよねw


『小説すばる』も載せました。
コラム「2036年ベイスターズ優勝?」(智本光隆)が
掲載されております。
未読の方はぜひご覧ください。
本編補足記事は、このブログにあったりします。


・・・足はまだ痛い。
歩行には一応支障はないんだけど、
鈍痛化?してきたというか。。。




智本光隆