まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その114

2014-08-01 21:54:06 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その114

  赤いスカートの女の子が 小道にいた
  さやかさんはただ 女の子を見上げた
  何を言ったら したら良いのか分からなかった
  黙って見上げる さやかさんの頬に手を当て
  女の子は 植木の向こうを指差した

<つづき>

迷路のように 植え込まれてる庭木
その向こうなんて 見えるはずない
だけど さっきの妖精らしき女の子が
綺麗に咲きそろった 花壇の上で
仲間たちと 飛び回ってるのが視えた

赤いスカートの女の子は
さやかさんの手をとって 一緒に
梅酒のビンに 手を当てた
見つめるさやかさんと 目を合わせ
子どもらしい笑顔で 笑った

さやかさんも へにゃりと笑った
心からとげが 消えてくようだった
鼻が ぐすっと鳴った
目が少しうるんで 熱く・・
温かいものが さやかさんの目をぬぐった

女の子が 小さな小さな手を当てていた
さやかさんが びっくりしていると
女の子は さやかさんの両頬を
びっと引っ張り いたずらっぽく笑った
さやかさんも 思わず笑った

女の子はまた 植木の方を指さした
もういつも通りにしか 見えない
何のことかな?と さやかさんが
女の子に 目を戻すと
女の子は 消えていた

まあ・・これは大丈夫 なんだよね?
さやかさんは 立ち上がった
みんなの所に行けって・・
行っていいって そうなんだよね?
さやかさんは 荷物をかついで歩き出した


<つづく>



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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その113

2014-08-01 21:51:29 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
ども、8月ですねー。

でも!当作品の中ではいつでも梅雨です。
ずっと梅雨です。

今2018年ですが、この作品を書き終えられてないまかろんの中では、
ずっと終わらない雨が降っているような気がします。

では、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その113

  アタシ飲ンデミタイ と女の子は言った
  ああうん向こうでねみんなと・・
  と言いかけた さやかさんに
  イマ! 飲ミタイノ!
  と女の子は わめいた

<つづき>

ああもう何なのこの子!と思ったが
うかつな返事で 怒らせたくない
じゃあちょっと待ってね と
さやかさんは 女の子を近くの枝に乗せ
バッグを開けようと しゃがみこんだ

風がふわりと吹いて 木がさざめいた
えーとこれどうやって飲む? と
さやかさんは 大ビンを抱えて
女の子を乗せた枝を 見上げた
女の子は消えていた

えっ? さやかさんは目を丸くした
立ち上がって 枝の辺りや地面を探す
風で落ちちゃった? まさか・・
あたしがつかんだから 羽が?
うろうろしたが 女の子は見つからなかった

どうしようどうしよう
さやかさんは うろたえた
触っちゃいけなかったんだろうか
やっぱり人間が来ちゃいけなかった?
またあたし 余計なことを?

胸が ぎゅーぅっと痛んだ
全身の血が騒いで 裡から刺すようだった
さやかさんは しゃがみこんだ
ビンの梅酒が ゆらりと揺らいだ
赤い色が目の端に見えた

赤いスカートの女の子が 小道にいた
さやかさんはただ 女の子を見上げた
何を言ったら したら良いのか分からなかった
黙って見上げる さやかさんの頬に手を当て
女の子は 植木の向こうを指差した


<つづく>



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