まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その146

2014-08-17 21:47:19 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
でも、眠くてコーヒー飲み過ぎて胃が痛いです・・・

皆さまも頑張りは、ほどほどにね。

続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その146

  大丈夫と 妖精は自分に言った
  あのお二人が 何とかなさるはず
  申し訳ありません 王よ・・・
  妖精は いずこかへ祈りをささげた
  私は この人間を助けたいのです・・

<つづき>

妖精は水の気を 大地に放ち始めた
きらきらした力が 乾いた大地に浸みこんで
けれど いくら力を浸みこませても
大地は呑みこんでいくばかり
紫陽花の精は渇きに めまいがしてきた

渇きをいやす物は 何もなかった
見渡す限りの ひび割れた大地
風は土ぼこりを 巻き上げるだけ
薄紅い空は 死に絶えた大地からまだ生気を
絞り上げながら 無関心げに広がっていた

なんて 大きな渇きなの
紫陽花の精は 唇をかんだ
こんなにも渇いていたのね サヤカ・・
ごめんなさい・・・
妖精は 乾いた大地にくずおれた

妖精の姿はぼやけ 紫陽花となった
花は枯れ 葉も打ちしおれた紫陽花は
乾ききった大地に 根をおろした
大地には 根を受け止める力がなかった
少しの風に 倒れそうになる

やはり 私程度では駄目だったのかしら
紫陽花は 根を踏ん張りながら思った
黒髪の御方の方が・・
王の力の前で平然と 立ってた姿を思う
だけどと 妖精はかすむ意識で空を見上げた

のっぺりと無情に広がる 薄紅い空の下
乾ききった大地に 枯れかけた紫陽花
それは何より 似つかわしい事のように思えた
貴女の渇きに 寄り添うことはできる
妖精は精一杯根を伸ばし 渇く大地に微笑んだ


<つづく>



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※変更:2018年8月19日
薄紅い空は 死に絶えた大地からまだ → ~ 死に絶えた大地からまだ生気を
大地は 根を受け止める力がなかった → 大地には ~
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その145

2014-08-17 21:43:28 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
あー、お盆(コミケ)終わりましたねぇ。

皆さまにとって、実り多い週末であったことを願ってます。

まかろんは、
・・・半死半生・減った貯金 VS 部屋の隅に山と積まれた戦利品(要片付け)

はて、この勝負どっちが優勢なんでしょう。
当茶菓子の続きもなかなか進まないし・・・

でも、大勢の人の純粋な創作意欲に元気をもらいましたので、
やっぱり行って良かった、と思います。

では、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その145

  妖精の髪は 再び蒼く染まり
  小さくなった背に 緑の羽がはためいた
  褐色の存在が 光の向こうで声を上げた
  ・・ゥ・・シュク!
  蒼い妖精は 焦げた肉塊に飛び込んだ

<つづき>

水気で満ちているはずの 生身の身体は
どこもかしこも 炎で焼き尽くされていた
蒼い妖精は 焼け野原の大地に立っていた
どこまでも乾き ひび割れ
生命の欠片も そこにはなかった

薄ぼんやりとした紅色が 空を覆っていた
熱の名残を含んだ 生ぬるい風が
足元を 小さく揺らした
焦げたイバラの欠片が 転がった
蒼い妖精が触れると 砕けて地に散った

妖精は 乾いた大地にひざまずいた
両手を地に伸ばし 水気を探る
けど どこまで意識を伸ばしても
打ち砕かれた地層が 広がるばかり
どうして・・ と妖精はつぶやいた

そんなに貴女は 自分が憎かったの?
欠片も残さず 焼き尽くしたいほど?
貴女はあんなに 水の気にあふれてた
止めろと言っても なお与えようとした
そう思ったところで 妖精は思い出した

私の中・・と妖精は胸に手を当てた
貴女の水の気が あるわ
妖精は手を 再び大地に当てた
一瞬それで良いか ためらう
庭の護りは仲間は どうなっちゃうの?

大丈夫と 妖精は自分に言った
あのお二人が 何とかなさるはず
申し訳ありません 王よ・・・
妖精は いずこかへ祈りをささげた
私は この人間を助けたいのです・・


<つづく>



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※変更:2016年1月10日
妖精は 乾いた大地にひざまづいた → 妖精は 乾いた大地にひざまずいた
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