んで、続き。
2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その138
妖精たちは 四方八方に飛び惑った
また小さくなる者 怪物のように膨れ上がる者
囲い地から逃げ出そうとする者
石鉢からあふれていた炎と光は 不安定に
あふれだしたり とぎれたりし始めた
<つづき>
乱れ爆発しそうな空気の中に
浸み入る声が 葉を伝う雨のように流れた
・・いのち湛えし 古き女王オーナ・・
青花と呼ばれた妖精が 石鉢の下
満開の紫陽花に座り 歌っていた
青花も あまり姿は変わっていなかった
少し大きくなり 蒼い髪と目が
明るい桃色に 変わったくらいだった
濃い緑色になったドレスが 歌に揺れた
・・力もて砕かん 新しき女王ヌアラ・・
ぴくっと 黒焦げの肉塊が動いた
動揺する妖精たちを なだめるように
紫陽花の精は 歌い続けた
・・導きたまえ フィン・バラの王・・
ひとりふたりと 妖精たちが歌い始めた
・・隠されし都 ブルー・ナ・ベーハ
妖精たちはまた 声を合わせて歌っていた
草地や木立から きらきら淡い金色の光が
包みこむように ふんわり立ち上り始めた
石鉢が 蜜蜂のような低いうなりを上げた
妖精たちの顔は光の中 期待と喜びに満ち
もう 黒焦げの肉塊など気にしていなかった
・・いざやいざ 恵みもて還らん!
石鉢から再び 光がほとばしった
燃える炎に似た 力強い紅蓮の光だった
縮まっていた者も 醜く膨らんでいた者も
また伸びやかに 美しい姿を取り戻した
肉塊は びくりびくりとわずかに動いた
姿を全く変えてない妖精が 痛ましげに見た
彼には その物いわぬ肉片の声が聴こえていた
<つづく>
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2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その138
妖精たちは 四方八方に飛び惑った
また小さくなる者 怪物のように膨れ上がる者
囲い地から逃げ出そうとする者
石鉢からあふれていた炎と光は 不安定に
あふれだしたり とぎれたりし始めた
<つづき>
乱れ爆発しそうな空気の中に
浸み入る声が 葉を伝う雨のように流れた
・・いのち湛えし 古き女王オーナ・・
青花と呼ばれた妖精が 石鉢の下
満開の紫陽花に座り 歌っていた
青花も あまり姿は変わっていなかった
少し大きくなり 蒼い髪と目が
明るい桃色に 変わったくらいだった
濃い緑色になったドレスが 歌に揺れた
・・力もて砕かん 新しき女王ヌアラ・・
ぴくっと 黒焦げの肉塊が動いた
動揺する妖精たちを なだめるように
紫陽花の精は 歌い続けた
・・導きたまえ フィン・バラの王・・
ひとりふたりと 妖精たちが歌い始めた
・・隠されし都 ブルー・ナ・ベーハ
妖精たちはまた 声を合わせて歌っていた
草地や木立から きらきら淡い金色の光が
包みこむように ふんわり立ち上り始めた
石鉢が 蜜蜂のような低いうなりを上げた
妖精たちの顔は光の中 期待と喜びに満ち
もう 黒焦げの肉塊など気にしていなかった
・・いざやいざ 恵みもて還らん!
石鉢から再び 光がほとばしった
燃える炎に似た 力強い紅蓮の光だった
縮まっていた者も 醜く膨らんでいた者も
また伸びやかに 美しい姿を取り戻した
肉塊は びくりびくりとわずかに動いた
姿を全く変えてない妖精が 痛ましげに見た
彼には その物いわぬ肉片の声が聴こえていた
<つづく>
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