まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その144

2014-08-16 21:07:45 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その144

  王がお待ちなのだものと 妖精は思った
  この花と縁づく以前が 思い出せなくても
  王の仰せに 間違いはないはず
  桃色の妖精は 差し出された手を取ろうと
  ふわりと 地面から浮かび上がった

<つづき>

草地も 光の熱気で湧き立ってたが
王が立つ光の激しさは 桃色の妖精を
吹き飛ばさんばかりだった
近寄ると 精霊の全身がビリビリと震え
光の波動の中で 薄れていくようだった

王はその中で こともなげに手を伸べていた
桃色の妖精は 恐怖した
紫陽花を見た 王を見た
紫陽花を見た 仲間たちを見た
紫陽花を見た 黒髪の・・いや崩れた肉塊を見た

貴女ガ大丈夫カ 知リタカッタンダ
あの肉塊は そう言った
オ・・役ニ立チマシタ カ・・?
涙目で あの肉塊はそう言い見上げた
青花サマ・・ あの肉塊はそう呼んだ

いかがした? と褐色の王が言った
時があまりない 早く参れ
黒髪の妖精は はっと焦りを見せて
光の中に留まったままの王をにらんだ
桃色の妖精も振り返り 彼女の王を見た

私ハ・・・
青花と呼ばれた妖精は 後ずさった
王が何を求め 黒髪の御方が何を企み
世界の理が 彼らにあっても
私ハ “青花”ダ

妖精の髪は 再び蒼く染まり
小さくなった背に 緑の羽がはためいた
褐色の存在が 光の向こうで声を上げた
・・ゥ・・シュク!
蒼い妖精は 焦げた肉塊に飛び込んだ


<つづく>


人気ブログランキング ← あなたの虹へ。


※変更:2018年8月19日
・・・ウシュク! → ・・ゥ・・シュク!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その143

2014-08-16 21:05:17 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
うわぁ・・・異次元世界の勝手な広がりに青ざめてるまかろんです。

自分が創った世界、のはずなんですけど、
これ、書き上げるだけの力量、まかろんにあるのかな・・・。

弱音はいてすみません~、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その143

  桃色の妖精は ただ目を見開いて
  褐色の王を 見つめるばかり
  ・・思い出せぬであろう
  と褐色の王は 桃色の目を見つめ言った
  我は そなたの“名”を識っておる

<つづき>

他の者が居る故 その名は出せぬが・・
褐色の王は 陶酔にふける妖精たちを見回した
驚いて桃色の妖精を まじまじと見る
黒髪の妖精を目にして わずかに
その厳しい口元に 笑みを刷いた

そなたは 我が女王オーナの欠片
と褐色の王は桃色の妖精に 朗々と言い放った
何故 そなたが斯様な事を致したか
我には分からぬが・・ と言ったとき
石鉢からの光が 少し揺らいだ

褐色の王は足元を見 空を見上げた
我が天上の女王が 地を離れゆく
褐色の王は 言った
急がねばならぬ 来よ我が朋友よ
我らが源 永遠の都へ共に還ろうぞ

桃色の妖精は ふらふらと
力強い褐色の手を 取ろうとしてふと
石鉢の足元に植わった 紫陽花を見た
葉は打ちしおれ けどそれでもなぜか
満開に咲く 浸み入るような蒼い青い花

これは ・・が挿し木をした物
桃色の妖精は 思い返した
この庭で私の宿木から いくつも増やした
けれどと 妖精はいぶかった
なぜそんなことが今 気になるのだろう

王がお待ちなのだものと 妖精は思った
この花と縁づく以前が 思い出せなくても
王の仰せに 間違いはないはず
桃色の妖精は 差し出された手を取ろうと
ふわりと 地面から浮かび上がった


<つづく>



人気ブログランキング ← 未熟でも、進んでいきたい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする