まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その142

2014-08-15 21:44:30 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
とにかく、続きっ。です。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その142

  褐色の姿の陰鬱な目は 少し和らいだ
  そなたらの喜びは 我が喜び・・
  褐色の姿は 独りごとのようにつぶやいた
  そして今 更なる一つの喜びを得る
  褐色の姿は 桃色の妖精に手を差し出した

<つづき>

来よ 我が朋友我が女王よ
我が元に還る刻が 来たのだ
頬を染め 地にひざまづいてた
桃色の妖精は 愛らしい目を丸くして
差しのべられた手を 見上げた

何かお間違いでは? 我らが王よ・・
桃色の妖精は 褐色の存在から来る
陶酔も半ばに 戸惑って言った
他の妖精たちは 何も聞こえないかのように
ただただ 彼らの王を見つめ聞きほれていた

女王さまは おふたりとも先ほどの式に
おいでだったのでは・・?
桃色の妖精は おずおずと言った
私はただの・・ 百年ほど前この地に参った
ハイドランジアの精に ございます

では そなたの真の名は?
と褐色の姿は 深々とした声でたずねた
そなたが 見た通りの者と申すなら
花の精としての 真の名があるはず
思い浮かべてみよ ハイドランジアの精よ

わた・・私は・・青花と呼ばれて・・
桃色の妖精は うろたえて言った
それはこの地での 通り名であろう
と褐色の姿は あっさりと言った
今一度問おう そなたの“名”は?

桃色の妖精は ただ目を見開いて
褐色の王を 見つめるばかり
・・思い出せぬであろう
と褐色の王は 桃色の目を見つめて言った
我は そなたの“名”を識っておる


<つづく>



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※変更:2018年8月19日
と褐色の王は 桃色の目を見つめ言った → ~見つめ 言った 

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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その141

2014-08-15 21:38:48 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
コミケです。

ヤバいです、一行も書けてない・・・

時間もないし、それに仕事とかイベントとかで外部に気を使わないといけないと、
多少時間に空きがあっても、簡単に内部世界にアクセスできないんですね。

こういう状況になって分かりました。

そこをコントロールできるようになったら、また一つ、
世界の神秘を開くことになるとは思うのですが・・・

とにかく、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その141

  褐色の姿は 吹き上がる高熱の光の中
  恐れ気もなく わずかに浮いて立っていた
  その深い目は 草地の者たちを薙いだ
  草地の者たちは 言い知れぬ喜びに震え
  次々に地に降り 頭を垂れた

<つづき>

深い目は 立ったままの黒髪の妖精を見て
ほんの少し眉を上げ 興ありげな顔をした
久しいな朋友よ と深い声が言った
そなたから 我らが縁を呼ぶとは・・
最後に逢うたは さて千年ぶりか?

お前を呼んだんじゃねぇ
と妖精は 顔をしかめた
ふむやはりそうか と褐色の姿は
驚いた様子もなく言い 黒焦げの肉塊を見た
その人間の娘に関わることだな?

妖精は目元を少し赤らめ 目を反らした
可笑しなものよの と褐色の姿は言った
我らの中で 最も人間世界と縁なき者が
最も 人間と関わろうとするとは
ちらりと 鮮やかな光が目の奥に閃いた

この前は・・三百年ほど前だったか・・?
う・・うるせぇっ と妖精はわめいた
おめーこそ 何しに来やがった!
今まで 路をつないだからって
来たことねーじゃねーか! 儀式はどうした!

我は王ぞ むろん務めは忘れぬ
と人程に大きい褐色の偉丈夫は 重々しく言った
それもこれも全て 我が民のため
集った妖精たちから ほうっと声がもれた
ぱちりぱちりと 彼らの身体に光が弾けた

褐色の姿の陰鬱な目は 少し和らいだ
そなたらの喜びは 我が喜び・・
褐色の姿は 独りごとのようにつぶやいた
そして今 更なる一つの喜びを得る
褐色の姿は 桃色の妖精に手を差し出した


<つづく>


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