続きでーす。
2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その130
人影は 大きな花びんほどの丈
妖精たちより 大分大きかった
足元まで覆う長い外衣の背に 羽はなく
膝までの長い髪が 光にひるがえっている
全てが影に沈んで 目鼻立ちは分からなかった
<つづき>
人影は時折揺らめき 姿がかすれた
妖精たちは繰り返し 歌を歌い続けた
ちらちら ちらちらと
歌う妖精たちの身体に 蒼い光が走った
妖精たちは 一段と浮かれ飛びまわった
どうしようかなと さやかさんは思った
ぐったりしてるのを 起こしたくないが
ねぇ と手の中の妖精をつついた
王様っぽいのが 出てきたよ
急いだ方がいいんじゃない どうしたらいい?
妖精は うっすらと目を開け
囲い地の方にのたくた 身を向けた
まだ・・いい と目を反らす
今だと言ったら・・俺を中に放り込め
そう言うと 眉をしかめながら目を閉じた
大丈夫かなと さやかさんは思った
これで タイミングが分かるんだろうか
大丈夫と さやかさんは心に言った
ちゃんと自分で分かってるはず
大丈夫大丈夫と 包んだ手を胸に押し当てた
痛ぇ と妖精が手の中でもごもご言った
お前の不安のトゲが ビンビンきやがる
痛いわうるさいわで 寝てらんねぇ
ごめ・・ごめんね とさやかさんは慌てて言った
まあいい と妖精はもぞもぞ囲い地に向いた
起きてた方が・・様子も分かるしな
妖精は重そうに頭を上げて 囲い地を見つめた
さやかさんの手を押す 妖精の手は冷たかった
お前の心は しけってトゲだらけだが
吹く“風”は熱いぜ ・・悪くない
<つづく>
人気ブログランキング ← しけった心の中を、傘差して歩こう。
※変更:2018年8月17日
ねぇ と妖精をつついて呼びかけた → ねぇ と手の中の妖精をつついた
2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その130
人影は 大きな花びんほどの丈
妖精たちより 大分大きかった
足元まで覆う長い外衣の背に 羽はなく
膝までの長い髪が 光にひるがえっている
全てが影に沈んで 目鼻立ちは分からなかった
<つづき>
人影は時折揺らめき 姿がかすれた
妖精たちは繰り返し 歌を歌い続けた
ちらちら ちらちらと
歌う妖精たちの身体に 蒼い光が走った
妖精たちは 一段と浮かれ飛びまわった
どうしようかなと さやかさんは思った
ぐったりしてるのを 起こしたくないが
ねぇ と手の中の妖精をつついた
王様っぽいのが 出てきたよ
急いだ方がいいんじゃない どうしたらいい?
妖精は うっすらと目を開け
囲い地の方にのたくた 身を向けた
まだ・・いい と目を反らす
今だと言ったら・・俺を中に放り込め
そう言うと 眉をしかめながら目を閉じた
大丈夫かなと さやかさんは思った
これで タイミングが分かるんだろうか
大丈夫と さやかさんは心に言った
ちゃんと自分で分かってるはず
大丈夫大丈夫と 包んだ手を胸に押し当てた
痛ぇ と妖精が手の中でもごもご言った
お前の不安のトゲが ビンビンきやがる
痛いわうるさいわで 寝てらんねぇ
ごめ・・ごめんね とさやかさんは慌てて言った
まあいい と妖精はもぞもぞ囲い地に向いた
起きてた方が・・様子も分かるしな
妖精は重そうに頭を上げて 囲い地を見つめた
さやかさんの手を押す 妖精の手は冷たかった
お前の心は しけってトゲだらけだが
吹く“風”は熱いぜ ・・悪くない
<つづく>
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