まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その122

2014-08-05 21:33:22 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その122

  さてこれから どんな式をするのかな
  そう思ってると 光の柱はゆっくりと
  空き地から木立の向こう
  石鉢がある囲い地へと 移動し始めた
  カエルたちは じっと座り込んでいた

<つづき>

ええーっと? さやかさんは
カエルたちを 眺めた
やっぱり悠然と 座り込んでて
妖精たちを 追う様子はない
えーと? 君たちは行かなくていいの?

バイオリンを丁寧に 綿毛でぬぐってた
雨呼ビが 驚いたように見上げた
おやサヤカさん お戻りですか
ああうん・・ とさやかさんは
しゃがみながら むにゃむにゃ言った

えーと みんなはどこに
それで あたしたちはどうするのかな
雨呼ビは 戸惑うさやかさんに笑いかけた
青花さまは 貴女に何と?
君たちといろって とさやかさんは答えた

ああなるほど・・ と雨呼ビは言った
お式は あの向こうでやるんですよ
雨呼ビは 囲い地の方を指差した
石鉢の所でね 王様とつながるのに
一番“場”が良いとかで

・・王様? とさやかさんは首をかしげた
この辺のひとたちの結婚に 王様が来るの?
俺たちが んなメンドーなことするかよ
と 横から声がした
以前見た 男の子の妖精がそばに浮いていた

思わず 後ずさりするさやかさんを見て
妖精は面白そうに にやりとした
よぉ~地味女 まだ生きてたか
ええ見ての通りね! とさやかさんは
反射的に 妖精をにらみつけた


<つづく>


人気ブログランキング ← うわ、出た・・って気分。


※変更:2016年1月10日
と声が 横からした → と 横から声がした

※変更:2018年8月19日
この辺のひとたちの結婚 じゃないの? → この辺のひとたちの結婚に 王様が来るの?
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その121

2014-08-05 21:29:46 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
ども、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その121

  だって・・大変そうだと思ったんだ・・
  さやかさんは 口をとがらせた
  そう思うなら と妖精は諭すように言った
  カエルさんたちと 大人しくしててください
  式の間は 絶対私たちに近寄らないこと!

<つづき>

そのあまりに 真剣な言い様に
は・・はい とさやかさんはうなずいた
妖精は 美しい青灰色の目で
さやかさんを じっと見つめた
貴女は 善いひとですね

妖精はついと さやかさんの額に
小さな花のような 唇を落とした
貴女に 天地の加護がありますように
そうして妖精は みなが騒いでいる
空き地へと 飛んでいった

さやかさんは じっと立っていた
もう式が近いのか 庭のあちこちから
妖精たちが さやかさんのそばを
通りすぎ 空き地の方へ飛んでいく
草木たちも 身震いしてるように感じた

さやかさんは そっと額に手を当てた
庭を包む 黄金色の空を見た
またひとり 妖精が慌てて飛んでいった
さやかさんは しっかりと足を踏みしめ
みなが集まる空き地へ 歩いていった

空き地には 何千何万という
大小の光が 集まって
光の柱が 立っているように見えた
青花さまはどこだろうと見たが
色とりどり揺れる光で 見えなかった

さてこれから どんな式をするのかな
そう思っていると 光の柱はゆっくりと
空き地から木立の向こう
石鉢がある囲い地へと 移動し始めた
カエルたちは じっと座り込んでいた


<つづく>



人気ブログランキング ← あ、あれカエルくーん?


※変更:2016年1月10日
空き地へ 飛んでいった→ 空き地へと 飛んでいった
通りすぎ 空き地へと飛んでいった → ~ 空き地の方へ飛んでいく


※変更:2018年8月17日
石鉢がある囲い地へ 移動し始めた → ~囲い地へ ~
カエルたちは じっと座り込んでた → ~~座り込んで
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