まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その140

2014-08-14 20:40:30 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その140

  肉塊に触れてた妖精の姿が 揺らめいた
  髪は黒くぞろりと 背丈は人ほどに伸び
  黒い上着と黒いズボンをはいた背からは
  羽が 静かに宙に消えていった
  連れてってやる と妖精はささやいた

<つづき>

妖精は蒼白い手を 肉塊にかけた
肉塊はふわりと 妖精の腕の中に収まった
妖精は金色の目を 白金の光に向けた
白金の光から ブ・・-ンンン・・と
低く震える音が し始めた

妖精は はっとして光を見つめ
たむろする妖精たちを 素早く見やった
妖精たちは 戸惑って光を見つめてた
妖精は舌打ちをして 肉塊を抱える腕に
わずかに 力を込めた

白金の柱が 激しく揺らぎ始めた
桃色の紫陽花の精も 目を丸くして
ただ 揺れる紫陽花にしがみつき
吹き上る光の柱を 見上げていた
妖精は 花に向かって足を踏み出しかけた

ドン! と目がつぶれんばかりの光が
石鉢を揺るがし 草地を揺らした
じわり と影が中ににじんだ
しみのような影は 次第に人の形をとり
がっしりとした褐色の手が 光の中から出てきた

褐色の手は 内から光の柱を打ち払った
堂々とした体躯の 褐色の肌の姿が現れた
流れる黒髪は黒い外衣と共に 光に舞い
太い眉の下の目は 深い刻の積み重なりを
見つめ続けた地の底のように 暗かった

褐色の姿は 吹き上がる高熱の光の中
恐れ気もなく わずかに浮いて立っていた
その深い目は 草地の者たちを薙いだ
草地の者たちは 言い知れぬ喜びに震え
次々に地に降り 頭を垂れた


<つづく>



人気ブログランキング ← もうこの辺りになると、本文と合うバナーがないです・・・
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その139

2014-08-14 20:33:30 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
いよいよお盆ですねー。
お休みの方、そうでない方、どうぞ素敵な夏を(はっ、梅雨の話してたんだった・・・)
お過ごしください。

では、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その139

  縮まっていた者も 醜く膨らんでいた者も
  また伸びやかに 美しい姿を取り戻した
  肉塊は びくりびくりとわずかに動いた
  姿を全く変えてない妖精が 痛ましげに見た
  彼には その物いわぬ肉片の声が聴こえていた

<つづき>

行キタイ とその肉片は言っていた
アノ光ノ元ヘ アノ力強イ輝キノ元ヘ
妖精は みなと歌う紫陽花の精を見た
紫陽花の精は桃色の瞳で 強くうなずいた
妖精は石鉢をまっすぐ見据え 口を開いた

・・いのち湛えし 古き女王オーナ・・
それは 一陣の風であった
幾万の夜を超えた風 まつろわぬもの
古と今の狭間 天地の間を吹きぬける
今 古きえにしを呼んでいた

石鉢から放たれていた光が 止まった
白い光が射し始め 次第に
輝く白金の光となった
どこまでも澄み輝く 高熱の光が
石鉢から 高く高く吹きあげた

踊りまわってた 妖精たちは
その激しさに驚き 石鉢から身を引いた
幼子の姿の妖精は 歌いながら
焦げた肉塊に 手を触れた
肉塊は・・ 分からぬほどにわずかに動いた

・・いざやいざ 恵みもて還らん!
幼子の姿に似合わない 力強い声が
鎮まった草地に独り 響き渡った
白金の光を発する石鉢が 一度大きく震え
ほとばしる灼熱の 光の柱を支えた

肉塊に触れてた妖精の姿が 揺らめいた
髪は黒くぞろりと 背丈は人ほどに伸び
黒い上着と黒いズボンをはいた背からは
羽が 静かに宙に消えていった
連れてってやる と妖精はささやいた


<つづく>



人気ブログランキング
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする