まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その147

2014-08-18 21:34:23 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
ども、お盆休み終わって初日、いかがでしたか。

続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その147

  のっぺりと無情に広がる 薄紅い空の下
  乾ききった大地に 枯れかけた紫陽花
  それは何より 似つかわしい事のように思えた
  貴女の渇きに 寄り添うことはできる
  妖精は精一杯根を伸ばし 渇く大地に微笑んだ

<つづき>

黒髪の妖精は 紫陽花の精が
王の制止を振りきって 腕の中の肉塊に
飛びこむのを 驚いて見ていた
・・止むをえまい と褐色の存在は言った
朋友よ その娘をこちらへ渡してくれ

なに? と黒髪の妖精は言った
何を驚く と褐色の存在は言った
元々 こちらへ連れてくるつもりで
路をつないだのであろう さあ早く
と力強い手を 差し出した

いやしかし・・ と黒髪の妖精はためらった
王の立つ光は あまりにも強かった
普通に渡せば 人間など身心ともに消え去る
俺の風の力で 護りきれるのか?
褐色の存在は いらだった様子を見せた

早くせよ と褐色の存在は強く言った
妖精たちは その剣幕にはっとまばたいた
褐色の存在は それに気づき声をおさえた
焦げた人身に長くいては オーナの欠片が死ぬ
それに と褐色の存在は言った

時間がない 路が閉じ始めている
王の立つ光が 石鉢の口一杯の真円状から
少しずつ 月のように欠け始めていた
早く連れ帰り オーナに戻してやらねば
彼女の力は・・永遠に欠けたものとなる・・

その意味は そなたなら分かるであろう
と褐色の存在は 言葉を続けた
みなに届けられる 陽の力の強さは
事前の 彼女の水の護り如何によるのだ
我が民は二度とッ・・ と褐色の存在は激昂した

<つづく>


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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その146

2014-08-17 21:47:19 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
でも、眠くてコーヒー飲み過ぎて胃が痛いです・・・

皆さまも頑張りは、ほどほどにね。

続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その146

  大丈夫と 妖精は自分に言った
  あのお二人が 何とかなさるはず
  申し訳ありません 王よ・・・
  妖精は いずこかへ祈りをささげた
  私は この人間を助けたいのです・・

<つづき>

妖精は水の気を 大地に放ち始めた
きらきらした力が 乾いた大地に浸みこんで
けれど いくら力を浸みこませても
大地は呑みこんでいくばかり
紫陽花の精は渇きに めまいがしてきた

渇きをいやす物は 何もなかった
見渡す限りの ひび割れた大地
風は土ぼこりを 巻き上げるだけ
薄紅い空は 死に絶えた大地からまだ生気を
絞り上げながら 無関心げに広がっていた

なんて 大きな渇きなの
紫陽花の精は 唇をかんだ
こんなにも渇いていたのね サヤカ・・
ごめんなさい・・・
妖精は 乾いた大地にくずおれた

妖精の姿はぼやけ 紫陽花となった
花は枯れ 葉も打ちしおれた紫陽花は
乾ききった大地に 根をおろした
大地には 根を受け止める力がなかった
少しの風に 倒れそうになる

やはり 私程度では駄目だったのかしら
紫陽花は 根を踏ん張りながら思った
黒髪の御方の方が・・
王の力の前で平然と 立ってた姿を思う
だけどと 妖精はかすむ意識で空を見上げた

のっぺりと無情に広がる 薄紅い空の下
乾ききった大地に 枯れかけた紫陽花
それは何より 似つかわしい事のように思えた
貴女の渇きに 寄り添うことはできる
妖精は精一杯根を伸ばし 渇く大地に微笑んだ


<つづく>



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※変更:2018年8月19日
薄紅い空は 死に絶えた大地からまだ → ~ 死に絶えた大地からまだ生気を
大地は 根を受け止める力がなかった → 大地には ~
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その145

2014-08-17 21:43:28 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
あー、お盆(コミケ)終わりましたねぇ。

皆さまにとって、実り多い週末であったことを願ってます。

まかろんは、
・・・半死半生・減った貯金 VS 部屋の隅に山と積まれた戦利品(要片付け)

はて、この勝負どっちが優勢なんでしょう。
当茶菓子の続きもなかなか進まないし・・・

でも、大勢の人の純粋な創作意欲に元気をもらいましたので、
やっぱり行って良かった、と思います。

では、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その145

  妖精の髪は 再び蒼く染まり
  小さくなった背に 緑の羽がはためいた
  褐色の存在が 光の向こうで声を上げた
  ・・ゥ・・シュク!
  蒼い妖精は 焦げた肉塊に飛び込んだ

<つづき>

水気で満ちているはずの 生身の身体は
どこもかしこも 炎で焼き尽くされていた
蒼い妖精は 焼け野原の大地に立っていた
どこまでも乾き ひび割れ
生命の欠片も そこにはなかった

薄ぼんやりとした紅色が 空を覆っていた
熱の名残を含んだ 生ぬるい風が
足元を 小さく揺らした
焦げたイバラの欠片が 転がった
蒼い妖精が触れると 砕けて地に散った

妖精は 乾いた大地にひざまずいた
両手を地に伸ばし 水気を探る
けど どこまで意識を伸ばしても
打ち砕かれた地層が 広がるばかり
どうして・・ と妖精はつぶやいた

そんなに貴女は 自分が憎かったの?
欠片も残さず 焼き尽くしたいほど?
貴女はあんなに 水の気にあふれてた
止めろと言っても なお与えようとした
そう思ったところで 妖精は思い出した

私の中・・と妖精は胸に手を当てた
貴女の水の気が あるわ
妖精は手を 再び大地に当てた
一瞬それで良いか ためらう
庭の護りは仲間は どうなっちゃうの?

大丈夫と 妖精は自分に言った
あのお二人が 何とかなさるはず
申し訳ありません 王よ・・・
妖精は いずこかへ祈りをささげた
私は この人間を助けたいのです・・


<つづく>



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※変更:2016年1月10日
妖精は 乾いた大地にひざまづいた → 妖精は 乾いた大地にひざまずいた
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その144

2014-08-16 21:07:45 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その144

  王がお待ちなのだものと 妖精は思った
  この花と縁づく以前が 思い出せなくても
  王の仰せに 間違いはないはず
  桃色の妖精は 差し出された手を取ろうと
  ふわりと 地面から浮かび上がった

<つづき>

草地も 光の熱気で湧き立ってたが
王が立つ光の激しさは 桃色の妖精を
吹き飛ばさんばかりだった
近寄ると 精霊の全身がビリビリと震え
光の波動の中で 薄れていくようだった

王はその中で こともなげに手を伸べていた
桃色の妖精は 恐怖した
紫陽花を見た 王を見た
紫陽花を見た 仲間たちを見た
紫陽花を見た 黒髪の・・いや崩れた肉塊を見た

貴女ガ大丈夫カ 知リタカッタンダ
あの肉塊は そう言った
オ・・役ニ立チマシタ カ・・?
涙目で あの肉塊はそう言い見上げた
青花サマ・・ あの肉塊はそう呼んだ

いかがした? と褐色の王が言った
時があまりない 早く参れ
黒髪の妖精は はっと焦りを見せて
光の中に留まったままの王をにらんだ
桃色の妖精も振り返り 彼女の王を見た

私ハ・・・
青花と呼ばれた妖精は 後ずさった
王が何を求め 黒髪の御方が何を企み
世界の理が 彼らにあっても
私ハ “青花”ダ

妖精の髪は 再び蒼く染まり
小さくなった背に 緑の羽がはためいた
褐色の存在が 光の向こうで声を上げた
・・ゥ・・シュク!
蒼い妖精は 焦げた肉塊に飛び込んだ


<つづく>


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※変更:2018年8月19日
・・・ウシュク! → ・・ゥ・・シュク!
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その143

2014-08-16 21:05:17 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
うわぁ・・・異次元世界の勝手な広がりに青ざめてるまかろんです。

自分が創った世界、のはずなんですけど、
これ、書き上げるだけの力量、まかろんにあるのかな・・・。

弱音はいてすみません~、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その143

  桃色の妖精は ただ目を見開いて
  褐色の王を 見つめるばかり
  ・・思い出せぬであろう
  と褐色の王は 桃色の目を見つめ言った
  我は そなたの“名”を識っておる

<つづき>

他の者が居る故 その名は出せぬが・・
褐色の王は 陶酔にふける妖精たちを見回した
驚いて桃色の妖精を まじまじと見る
黒髪の妖精を目にして わずかに
その厳しい口元に 笑みを刷いた

そなたは 我が女王オーナの欠片
と褐色の王は桃色の妖精に 朗々と言い放った
何故 そなたが斯様な事を致したか
我には分からぬが・・ と言ったとき
石鉢からの光が 少し揺らいだ

褐色の王は足元を見 空を見上げた
我が天上の女王が 地を離れゆく
褐色の王は 言った
急がねばならぬ 来よ我が朋友よ
我らが源 永遠の都へ共に還ろうぞ

桃色の妖精は ふらふらと
力強い褐色の手を 取ろうとしてふと
石鉢の足元に植わった 紫陽花を見た
葉は打ちしおれ けどそれでもなぜか
満開に咲く 浸み入るような蒼い青い花

これは ・・が挿し木をした物
桃色の妖精は 思い返した
この庭で私の宿木から いくつも増やした
けれどと 妖精はいぶかった
なぜそんなことが今 気になるのだろう

王がお待ちなのだものと 妖精は思った
この花と縁づく以前が 思い出せなくても
王の仰せに 間違いはないはず
桃色の妖精は 差し出された手を取ろうと
ふわりと 地面から浮かび上がった


<つづく>



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