青い花

読書感想とか日々思う事、飼っている柴犬と猫について。

看護専門学校の体験会

2016-08-08 09:45:13 | 日記

土曜に湘南看護専門学校の一日体験に参加してきました。
娘はキッザニアで看護師のまねごとをして以来、将来の夢として看護師を挙げるようになったので、申し込んでみたら当選したのですよ。
体験会は地元の小学生が対象で、男の子も来ていましたよ。
こちらの専門学校は生徒の約半数が社会人経験者だそうです。前日のオープンキャンパスでは、40・50代の方も参加していたそうですよ。「お子さんだけでなく、お母さん方も入学を検討してみて下さい」とのことでした。






図書室や職員室はガラス張りでした。






通常の教室や実習室のほか、訪問介護の実習のための和室もありました。茶道の授業もあるそうです。他には映像学習用の演習室も。







棚にしまってある人形は、死体っぽくってちょっと怖かったです。
ベッドに寝かせてあると安心します。











体験学習として、新生児のケアを学んだり、心音や肺呼吸の音を聞いたりしました。

娘は、今回の一日体験で看護師の仕事を現実的に考えられるようになったみたいです。看護師は就職率が高いのが魅力です。子育てでブランクが出来ても、再就職が容易ですし。この湘南看護専門学校なら、うちから徒歩圏ですので、交通費もかからないのが嬉しいです。これ、とても大切ですね。
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妄想と脅迫

2016-08-05 10:00:39 | 日記
エドゥアール・デュジャルダン著・萩原茂久訳『妄想と脅迫』

『妄想と脅迫』の原著は1886年が初版であるが、この日本語訳が出版されたのは今年の3月。このことから、デュジャルダンが日本ではいかにマイナーであるかということがよくわかる。私がデュジャルダンを知ったのも割と最近のことだ。

デュジャルダンは、初期の印象派に属する作家・詩人であり、マラルメの火曜会に入っていた人物。代表作は、『もう森へなんか行かない』『月経樹は切られた』。英語圏では、「意識の流れ」の手法で広く影響を与えた。影響を受けた者の中には、ジェイムス・ジョイスやフォークナーなど日本で人気の作家もいる。

序言(初版より)

生くるは、われらが魂のみ……
テオドール・ドゥ・ヴィゼヴァ

ただひとつ、想念だけが存在する。私たちが生きる世界は、私たちのありふれた作りものなのだ、がときおり、私たちは別の想念によって、別の世界に生きる。
人生の特殊な創造や、想念の厳格については、また、いくつかの妄想・脅迫については、以下の各章に。
                  一八八六年二月

本書を読むにあたっては、この序言が大きな支えとなる。以下は、妄想と脅迫による13の別の世界の物語。作りものなのは、別の想念が生み出した世界か?それとも現世界か?

オーギュスタ・オルメス嬢に―――
「近づく狂気」
A・ラスクゥ氏に―――
「過ぎ去った狂気」
「カチュール・マンデス氏に―――
「愛のことば」
ステファヌ・マラルメ氏に―――
「ダーラナ」
ラシルド嬢に―――
「一日の物語」
「フェリクス・フェネオン氏に―――
「子への恐怖」
ヴェリエ・リラダン伯爵に―――
「足つかみ悪魔」
エドゥアール・ロ氏に―――
「鉄の処女」
ジョリ=アルル・ユイスマンス氏に―――
「自己処刑者に」
ヒューストン・スチュワート・シャンベルラン氏に―――
「除霊術者(今ある狂気)」
オディロン・ルドン氏に―――
「遺言」
ジュール・クルティエ氏に―――
「地獄」
アジェノール・ボワシエ氏に―――
「聖職者」

13編の短編小説は、それぞれが時の著名な詩人・作家・批評家その他に捧げられている。
なかなか面白い試みなのだが、碩学な私が知っているのは、マラルメ・リラダン・ユイスマンス・ルドンの4人だけ。やはり知っている人に書かれた作品の方が、知らない人宛ての作品より面白かったので、その点を非常に残念に思った。軽くでも良いからあとがきで、彼らのプロフィールやデュジャルダンとの関係に触れてくれたら有り難かったのに…(自分でググれ?)。
精神の混乱というテーマ以外は割とバラバラの作風なので、この作品を捧げられた人はこんな話を好むタイプなのだろうなぁ、と想像しながら読むのも一興だ。という訳で、彼らについて略歴でも知っておいた方が、本書をよりディープに楽しめるのではないかと思った次第である。

私がこの短編集で一番読み易かったのは、ユイスマンスに捧げた「自己処刑者に」だ。

「苦痛は喜びでもあるんだ」

あるビア・ホールで、男が話しかけてきた。
男は、かつて詩人であり、今はもう詩人ではなかった。男は、若さの苦悩を恋愛に求めた。その苦しい恋愛にうってつけの女性を見つけた。彼女のことは、顔も性格もよく覚えていない。良い人ではあったらしい。
一人の女性を愛したいと望んで、その人を愛した。彼女も愛してくれた。しかし、男は彼女から逃げた。そして、彼女の元に戻って、許しを乞うた。拒絶された。挙句の果てには、憐れまれてしまった。……当たり前である。相手からすれば、馬鹿にするのも大概にして欲しいというところだろう。
男は、幸福の中には、殆ど快楽的な喜びはないと考えている。人は自らの苦悩からしか存分に楽しむことが出来ない。
ああ!絶望的な日日の苦悩!
男は、この顛末に満足している。熱病、叫び、涙、自らに対する激高。心身をすり減らし、魂を焼いてしまった。精神が実年齢より老いてしまった。しかし、あれはなんと喜びに満ちた時代であったか!男にとって、苦悩こそが至高の快楽的喜びなのだから。

フランス18世紀末に限らず、古今東西、こういう人って珍しくはない。
私の知っている中にも、そんな傾向がある人が何人かいるので、比較的ポピュラーな感覚だと思っている。
凡人が手っ取り早く悲劇の主人公になれるのが、恋愛というものの有り難さ。
自分の感覚や経験が特異なものではなく、平凡の範疇であることを知れば、憑き物が落ちたように平穏に生きることが出来ると思うのだけど、苦しいのが好きなのだからどうにもならない。好きに生きれば良いと思う。

それから、本書を読むにあたって一番期待していたのが、リラダン伯爵に捧げた「足つかみ悪魔」。
理由は、この中ではリラダン伯爵が一番好きだからという、至極単純なもの。
「足つかみ悪魔」は、言語学・比較神話の教授にして悪魔学の研究者でもあるジェニウス氏の突然の結婚と、学問的探究の旅で立ち寄った村で農民の娘から聞いた足つかみ悪魔の話が彼に齎した精神の変化についての物語。
いかにもリラダン伯爵が好みそうな作風だ。原著を読んでいる訳ではないのではっきりとは言えないけど、もしかしたら文体もリラダン伯爵を意識しているのかもしれない。

ただ、非常に残念なことに、この訳者の日本語は読み難い。
所々文法的におかしいところがある。その度に考え込まされるので、なかなか乗れない。面白いことが書いてある筈なのに、意識が上手く入り込めなくて、歯痒いことこの上なかった。
それと、この訳者には、“恋びと”、“夕がた”、“ひと気”など、漢字と仮名の分け方に妙なこだわりがあるのが気になった。原著は面白そうなのに変なところばかり気になる。つくづくもったいない。
収録された短編の並びも、読みつぎやすいように考えて、訳者が順序を入れ替えたとのこと。大きなお世話である(一応、あとがきに原著の順も記載されているので、その通りに読むこともできる)。
訳者のエゴが前面に出ていて、作品を半ば私物化しているように感じた。訳者には黒子に徹していただきたい。フランス語が堪能な方なら、原著を読むべきであろう。
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宮沢賢治の星空と火星大接近

2016-08-03 08:16:22 | 日記
平塚市博物館のプラネタリウムに行ってきました。


7月16日から9月25日までの一般投影は、『賢治がつづった星空』です。プログラムと一緒に宮沢賢治作詞作曲「星めぐりのうた」の楽譜ももらいました。
『銀河鉄道の夜』に出てくる星座・恒星・球状星団・散開星団・ガス星雲・星間物質などについて語られましたよ。

銀河系の中心は射手座の方向にあり、太陽系から約三万光年の距離です。
銀河系はここを中心にして回転します。白鳥座、射手座、蠍座のあたりは、他のどの部分よりも圧倒的に星団や星雲が密集しています。この銀河系の構造が、賢治の心を捉え、『銀河鉄道の夜』を執筆する動機の一つとなったのではないでしょうか。
そういえば、蠍座は賢治が最も好きな星座と言われていますね。

帰宅後、『銀河鉄道の夜』を再読しました。
北の十字から南の十字を通り越して、どこまでも、どこまでも―――。カムパネルラと一緒に青白い金剛石をひっくり返したような銀河を旅することが出来たなら、もう帰って来られなくても良いと思う。

“けれどもほんとうのさいわいはいったいなんだろう”

『賢治がつづった星空』のほかは、お約束の季節の星座についての講義、それから旬の話題として火星大接近について語られました。

火星は、地球のひとつ外側をまわっているので、外惑星といいます。
火星が太陽の周りを1周する間に地球は約2周します。この公転周期の違いから、2つの惑星は約2年2か月ごとに隣り合わせとなり、距離が近づくのです。
その中でも15年に1回は大接近になります。
地球の軌道は円に近い形ですが、火星の軌道はつぶれた楕円形をしています。このため、火星と地球が接近する位置は毎回ずれ、距離も大きく変わるのです。

5月から6月ごろは、日が暮れたばかりのころに南東の空、深夜に南の空に火星、蠍座の1等星アンタレス、土星の3つの明るい星が集まりました。
火星は惑星なので、星座の中を動いていきます。4月の中ごろまでは西から東へ動き、その後は6月末まで東から西へと反対に動きます。そして、5月31日に地球と最接近しました。
7月からはまた、西から東へ動き、8月24日ごろにアンタレスに最接近します。
火星・アンタレスの2つの赤い星が並んで輝いているさまは、天体ファンでなくても心躍る光景ではないでしょうか?また、今年の夏だけは、火星・アンタレス・土星の小さな三角形を見ることが出来ます。

火星は、地球と似ています。
四季もあり、1日の長さも24時間37分22秒と、地球とほぼ同じです。昔は火星 にも大気や海があったと考えられています。火山活動が起きた時に、地下の氷がとけて流れだして、川のようなあとが残っていたり、雨のようなあともあったりします。火星は、名前に反して水のイメージの強い星です。江戸川乱歩の『火星の運河』を思い出しました。
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夏祭り2016

2016-08-01 10:42:24 | 日記

週末に住んでいる地区の夏祭りに行ってきました。
私たちの街は新しいので、神社もお寺もありません。だから、お祭りなど大きなイベントは、だいたい小学校か市民センターで行われます。お寺も神社もない街って神仏に守られていない感じですね。因みに、駄菓子屋さんもないので、買い食いはもっぱらコンビニです。
私自身は東京の中野区の育ちで、子供時分には新井薬師で八の日に開かれる縁日を毎回楽しみにしていました。普段、お友達と駄菓子屋さんに行くのも楽しかったです。親には不潔だからって禁止されていましたけど、そんなの関係ありません(笑)。
そんな訳で、縁日や駄菓子屋さんの賑やかでちょっぴり猥雑な雰囲気を経験できない娘はかわいそうかなと思いますね。家を買う時には、そんなことまで気にしなかったからなぁ…。




屋台を出すのは、子供会や少年野球、少年サッカーのご父兄です。餅は餅屋、屋台はテキ屋と思いますけど、学校の中にテキ屋さんを入れたらいけないというルールでもあるのでしょうか…。
それでも、娘は浴衣を着たり買い食いが出来たりで楽しかったようです。親が気にするより、子供はポジティブですね。
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