えん で 飛良泉 山廃

日本からアメリカに広がる日本酒の輪。

そんなのを、感じてしまう出会いがあった。
話すと長くなるので、はしょってしまうけど、とにもかくにもすごいなぁ～～～って。

そんな輪を伝って連絡を下さった★さんは、１ヶ月前にマンハッタンに来られたばかり。
私がマンハッタンに来たのは３週間前。
さらに、その★さんのお友達がワシントンDCからマンハッタンへ戻ってきたのは１日前。

そして、その３人が一緒に集うことになったこの日。

・・・なんなんなんなんななななんなんでしょう、この巡りあわせ。怖いくらい。（しかもＤＣまで出てくるし）


そんな３人で飲みに行くことになったのは　えん　。（ＨＰ）

「えん」といえば、日本では“お手軽コースで宴会もできる大箱のお店”というイメージの強いお店。
でも　「知ってるお店で安心だから」　と、わざわざ選んで下さった。
　

中に入ると、目の前に表れるのは、日本酒や枡やお猪口が一面に飾られた装飾。
マンハッタンでやっていくには、こういうインパクトって大事なんだろうなぁ。
　
店内も、日本のダイニングと、ぜーんぜん変わらない。

とはいえ、日本の「えん」の大衆的なイメージとは違い、
ここはマンハッタンならではの　“イイお店感”　が漂う。　なんかチョット・・・いや、かなり違う。


さて。
最初のお酒は、６つの中から３種類選べる　利き酒セット　。

　
氷の上にグラスを乗せる演出に、付いて来るのが野菜チップだったりするのが、拘ってるな、って思う。

ちなみに６種類とは
伯楽星（純米）・上喜元（吟醸）・東洋美人（吟醸）・宗玄（純米）・強力（純米）・立山（吟醸）　
この中から、自分は純米をチョイス。

・・・この３つの中で宗玄が一番色が透明（左）だったのがショックでした・・・。味も「あぁ、やっぱり変わったね」というか。。。（涙）


おつまみも、純和風！

　
枝豆　は、とうとう メリアム・ウェブスターズ・カレッジエイト英英辞典 （広辞苑みたいなもの）に
edamame として掲載されたんですよ、と★さん。
ええ゛！！そうだったんだぁ～。そいえば、アメリカ人の友達と話してても、edamameって通じたもんなぁ。

「そのうち、お燗も kanzake って普通に通用するようになるといいですよね！！」
なんて話でも盛り上がるけど、「その前に日本をなんとかしなきゃねー・・・」　と。ホント、その通りっす。


おばんざいは　茄子揚げ浸し　に　ぜんまいピリ辛　に　オカラ　。
そして、18時に出来上がるという看板メニュー　湯豆腐豆乳仕立て　も時間ピッタリに。
　

どれもこれも、懐かしい味。
しかも、雰囲気やお酒に脳ミソがやられているワケではなく、本当に！美味しくてビックリ。

ゼンマイなんて、どこで仕入れるんだろう？
茄子って、何茄子なんだろう？
オカラなんて独特な料理はどこの国の人が作ってるんだろう？
豆乳もどこで仕入れて、どこの水を使ってるんだろう？

素朴な疑問が、ふつふつと、い～～～っぱい湧いてきてしまうのを押さえるのに必死。


しかし・・・みんなで笑っていたのは、メニューが全部ローマ字であること。

すっごい読み辛いんです（笑）！！

SHISHITO KOBU-AE なんて、一読みで分かったらスゴイ。
「シっ・・シ・・トっ　コブゥーアェ？？」って読んじゃう。（たぶん“獅子唐 昆布和え”）
英語で説明書きしてあるけど、あえて日本語でメニューを書かないのは、
ローマ字表記で日本語が解るアメリカ人も結構来たりするのかなぁ。


他にも、店員さんの口頭オススメメニューに、面白い食材が。
　
鱸の洗い　に　天使の海老　！！

おおお！天使の海老っすか！！
川崎の　おじゃれ家さん　で食べた時に感動して以来、お目にかかったことがなかったのに、
こんな所で、食べられるとは！！

海老頭は、もちろん。

カリっと揚げてくれる。
こうして見ると、お目めが普通の海老よりもデッカイのね、あなたたち。


そして、★さんイチオシで、尚且つ、自分もこの日一番気に入った酒肴。

SAKE-KASU PORK SHOULDER = 酒粕漬け　豚肩肉　が、激ウマ！

日本の発酵技術に、改めて、ばんざーーい！！
あぁ～～、私も早くDCのウチに帰って、塩酒粕に漬けたいよ～～～。



さてさて。
料理はこんな感じで大満喫、日本酒もグイグイ進む。

大きさは、グラス・デキャンタ（２合くらい？）・４合瓶　と選べるので、
その中から　白露垂珠 のデキャンタサイズを。

大きなに桶に入れられた竹筒が登場。桶には氷が入ってて冷たくして出される。

が。
あっという間に無くなるデキャンタ（笑）。
みんな良いペースで嬉しくなってしまうけど、冷たいお酒をクイクイ飲んでしまうと、後が心配。


んーー次は何にしよう。。。冷たい系じゃなくて、何か良いのないかなぁ・・・と。

しかも、★さんのお友達は、まだ日本酒のことがあまり分からないというのだけど、
唯一の手がかりは　好みは“山廃”　。

でも、そういう表記はしてないので、どうしようかと思っていると、
こちらに駆け寄って挨拶をしてくれる、お店のお兄さん。

★さんともお互いよく知っている感じで、しかも日本酒を任されている方という！ならば！！

ここぞとばかりに　「山廃って言ったら、どれが良いんでしょか？！」　と聞くと、
この日あった中でオススメされたのは　飛良泉　。


さらに、お燗が出来るかどうか聞いてみると、そこは「大箱」ならではの難関が。

オーダーはコンピュータが自動的に厨房やＢＡＲへ飛ばし、
そこから各所に配置されたウェイターに渡される・・・全てがシステム化されている感じ。
したがって、コンピューター回路にないオーダーは “普通は無理” 。

でも　「私が直接やりますんで」　というお兄さん・・・ステキですっ　（涙）！！


が、最初はあえて、桶に氷を入れないで“常温”に近い状態の飛良泉を、をお友達に味わってもらいつつ。
その後は、同じお酒をお燗にしてみる。


味わいの違い、わかってもらえるかなぁ～～？！　

と、相変わらずなことをやっている自分。

でも、冷たい状態　→　常温　→　お燗　って、同じお酒でも、こんなに違うんですよ～って、
楽しんでもらえるのが、本当に楽しくて♪

とはいえ、お兄さん曰く、
まだまだ日本酒といったら冷たいお酒が普通、とのこと。

日本では「マンハッタンはお燗がブーム」なんて言ってたけど、現実はまだまだみたい・・・？！


なにはともあれ、
こんな自分の我がままな注文に答えてくださったお兄さんに感謝です。
イヤ・・・そんな我がままが通るお店をチョイスしてくださった★さんにも、もっと感謝です！！

マンハッタンのこんなお店に来られて、たっくさーん勉強できた感じ。