『 サボテンと遠藤さんは夜開く 』
遠藤 崇昭さん 撮影
戦争なんてものは、私は行ったことがないから兵士達の真の心境は分からないけれど、
きっと溢れる愛国心と喧伝されるその戦争の意義や理由に惑わされて、国を挙げての
熱気や狂気に近い、酔った様なムードになっているのだろう。
昔の日本でも、特攻隊とか魚雷艇など武器も食料もなく精神で戦えと前線に送り出された
のだろう。
平時では全く考えられないが、国中が一丸となって熱病に冒されたかのようになって、
お国のためなら死んでもいいという気持ちになったと、特攻隊の生き残りの手記にもある。
何より大事なのは個人の名誉であり、家族の名誉であり、それを守るためならお国に命を
捧げることが出来るという心境になるらしい。如何に周りの環境や雰囲気が大きくそれに
影響を与えるかということを物語っている。
今のウクライナ侵略には、ロシア兵はロシアの固有の領土を奪還するのだ、その地で虐待
されているロシア人や親ロシア派人を救済するのだという大義名分と正義という名目で
動員されたらしい。
一方のウクライナ兵達は、昔から先祖が住み現在家族が住んでいる我が領土を侵入してきた
悪魔から守るためにという悲壮な心境なのだろう。
もし将来、有能で有力な政治家が日本にも出現して(鈴木宗男氏の様ではないタイプの)
北方領土を争った時には、ロシアはあれは自国の固有の領土だと国民を鼓舞して正義のため
として攻めてくるだろう。
果たしてその時日本は、どんな国民的大義名分を作り出せるだろうか。
平和惚けしていて、そこそこ豊かで享楽的な生活に慣れた日本人は、今やあんな北の小島など
他人事だとなってしまう事が懸念される。
それともいざとなれば昔のように一丸となって国民火の玉のように立ち上がれるだろうか。
いささか堕落した民主主義に慣れきった日本人がどうでるかが
怖いようでもあり楽しみでもある。もちろん望ましいのは争い無しで巧くまとめてくれる人物
の輩出が一番望ましいことだけど。