ママラボ➕(ぷらす)

摂食障害からの回復を目指して 月一zoomで12ステップミーティングをしています 次回は2021年9月26日

p172

2020-04-10 18:37:00 | ダイエット幻想
歩く方と、食べること。このどちらもが世界にかかわる行為です。

私たちを取り巻く世界の状況は日々変わります

ときには私たちはぬかるんだ道や山道を歩かねばならず、ときに私たちは初対面の人たちと食卓を囲んだり、糖質量もカロリーも全くわからないものを口にしなければなりません。

ふつうに食べるとは、そんな刻々と変化する世界に、ふわっと入り込んで身体を馴染ませ、その中でたいした意識をすることもなく、食べ方に微妙に調整しながら心地よく食べられることであり、頭にため込んだ知識で、食べる量や内容を管理することではないのです。



p171

2020-04-09 20:26:00 | ダイエット幻想
摂食障害は通常何か特別な事情を抱える人がなる病気と考えられがちですが、食べることの調整を身体から頭に移譲する際、ふつうに食べる力は失われやすいという点に着目すると、拒食・過食に苦しむ人々と私たちとの繋がりが見えてきます。

なぜなら自分の食を数学や栄養素といった観点から頭で理解し、その上で管理することは私たちの社会で症例されているからです。

…身体と食べ物を物質の塊とみなし、それを細分化することで発展してきた医学や栄養学のモノの見方を徹底すると、ふつうに食べることがそもそも難しくなるという危険性について、目が向けられることがあまりありません。

p170

2020-04-09 06:45:00 | ダイエット幻想
(競技スポーツ選手が)ふつうに食べられなくなる過程には、他者による「ふつう」への他者による徹底的な介入がありました。…監督は選手に対して大きな力を持ちます。その人物に食事のたびに目の前に座らされ、食べる量を管理され、目の届かないところでも体重の報告を義務付けられる。

こんな日々が続く中、たべたいように食べるという、小さい子どもでもできるような日々のふるまいを続ける力が原さんから失われたことは想像に難くありません。

ふつうに食べる力は、それを調整している身体感覚を監視の中で徹底的に奪い取ることで失われていくのです。