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私は、女たちが好きだ。たったひとりで頑張って働く女も、主婦という孤独な立場で必死に踏ん張っている女も、道に迷ってへたり込み絶望している女も、泳ぎ続けてないと死んでしまう魚みたいに暴走し続ける女も、すべての女が私だから。私は、私を救いたいのよ。
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…下の世代の女たちはもっと醒めている。自分を救ってくれるのが王子様なんかじゃないことに、薄々気づいているから。自分を救うのはあくまで自分自身であり、その際に力になってくれるのは自分と同じ地獄に暮らす女たち(いわば自分の分身)なんだと、彼女たちは心のどこかで悟っているのだ。