ママラボ➕(ぷらす)

摂食障害からの回復を目指して 月一zoomで12ステップミーティングをしています 次回は2021年9月26日

第三章2.

2022-12-20 15:34:00 | 私という病
p107
一方、男たちの騒ぎ立てぶり(p106 揶揄と侮蔑の薄ら笑いに満ちたもの)に比べると、不思議なことに女たちからの批判や軽蔑はそれほど表立って見えては来なかった。…何通か、共感を表明する手紙すら、女性読者からはいただいた。


p112
「おまえが悪いんだぞ。俺を誘惑したんだからな」



第三章1.

2022-12-19 14:49:00 | 私という病
p101
私のデリヘル体験を新聞で読んだ途端に、彼の中の私は「作家」から「デリヘルをやった女」に一気に格下げされ、それゆえ、これまでは「礼儀正しく振る舞うべき相手」であって私が、いきなり「馴れ馴れしい態度をとっていい(しかも、身体を触ることすら許される)相手」となったのであろう。そう、それは彼の中では「格下げ」であったはずだ。彼の馴れ馴れしさから伝わってくる、あの独特な不快さは、まさに彼が私を「見下ろしてる」感じからくる不快さなのである。…「おい、おまえ」と呼びつけるような、…


p103
…客たちのほとんどは、私をきちんと「人間扱い」してくれた。…(運が良かったのかもしれないけど)。が、客でもない男たちが、私を勝手に格下げし、「おい、おまえ」的に扱うのである。こりゃまた、不思議な現象ではないか。

第二章4.

2022-12-18 22:46:00 | 私という病
p89
今回のデリヘル嬢体験で、もっとも興味深かったのは、デリヘル嬢の仕事そのものではなく、デリヘル嬢をやった私に対する世間の反応であった。露骨に嫌悪を表明し、風俗嬢に対する差別意識を臆面もなく曝け出したのは、女たちではなく男たちだったのである。

第二章3.

2022-12-17 10:56:00 | 私という病
p87
私たちは、自分を肯定したいのである。社会的にも性的にも人間的にも、「私はこれでok.ちゃんと、周囲の皆に認めてもらってるわ」と安心したいのである。…人間は、一つの役割だけで充足できるものではない。「社会的な役割と価値を持った私」「プライベートなコミュニティでの役割と価値を持った私」「性的な役割と価値を持った私」と、さまざまな方向から多角的にアイデンティティを承認されることで、私たちはようやく一個の完全な人間としての存在を達成した気になれるのだ。


p88
…とはいえ現代は…(医療などで)いつまでも性的な役割を諦められなくなってきているのだ。…歳を取れば取るほどきわめて欲深な自己確認欲求に身を焦がす羽目になっているのである。とくに、男に比べて「性的役割と価値の確認」の場が少ない女は、不自由な枷の中でもがき苦しむことになる。




第二章3.

2022-12-16 21:02:00 | 私という病
p87
先ほどのセックス依存症の彼女の場合は「不倫」、私の場合は「高価な買い物」という、己の不安を解消するための思い切った行為が強烈な快感を呼び、以後、(強迫神経症者が)ガス栓を確認するようにその行為を何度も何度も繰り返すのだが、それは「不安解消と恍惚感の確認の儀式」に過ぎず根本的な問題解決ではないから、あっという間に形骸化し、しかも儀式であるがゆえに何やら呪術的な強迫観念が生まれて、止められなくなってしまうのだ。