WIND BENEATH MY WINGS

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ゴルゴ13「ゼロエミッション」

2009-06-16 22:30:19 | 環境全般
さいとう先生、失礼しました!
エコカーをテーマにこんな面白い作品を世に出しておられたとは!

しかも「パシフィック電鉄」ネタにからませて。
パシフィック電鉄」というのはアメリカの実在する会社で、石油メジャーや自動車会社が潰したという説があり、結構有名。(ゼネラルモーターズ、ファイアストン、シェブロン、フィリップス石油などによって設立されたナショナル・シティ・ラインズ社(NCL社)によって20世紀中ごろにアメリカ中の路面電車網が買収され、廃止されてバスに置き換えられたという陰謀論など)。

この話をピリッときかせた日欧米エコカー開発競争の辛口話。

日本の自動車メーカーで邪険に扱われた技術者が水素エンジンを実用化。
これを阻止するためにゴルゴが雇われるのですが、今回はゴルゴはちょっと脇役。
むしろ主役は、自動車業界「謀略史」。お話の闘いはフランス企業VS日本企業ですが、アメリカがからんできます。

ネタばれになりますが、ゴルゴは環境問題に興味がない模様、「依頼だから」なんのためらいもなく「夢の水素自動車」を仕留め、水素自動車は大爆発。
しかしゴルゴの神業も今回は、最後のオチを盛り上げるオードブルで、このあとが味わい深い。(かなり苦いけど)

日本のサワダ自動車のサワダ会長
「第二次大戦前、世界一の鉄道網を持つロサンゼルスを今の車オンリーの町にしたのは●●(自動車メーカー)でしたね。鉄道会社を買収して、運行を停止。住民が車に頼るしかないようにした」

これを受けて
アメリカの自動車会社幹部(GMがモデルとしかみえない)
狙撃成功後、わざわざお電話(ねちっこいぜ)
「実は鉄道会社買収の裏で資金を提供したのは石油メジャーだよ」
「ついでに言っておくが、我々は既に10年前に完全なゼロ・エミッション車を開発済みだよ」
「だが石油が枯渇するまであと半世紀、勝手な真似は許されない、
それはサワダ自動車も同じだよ、会長」
(ふぁっふぁっふぁっと高笑い?)

GMにそんな技術力があれば、
いま、こんなことにはなっていないでしょうが!!

しかし、こんなありえない「謀略」でも「ありそお~」と思えてしまうほど、
『謀略』とは切っても切れない「石油メジャー」&「石油関係各種企業さん」
ですう。

それにしても、石油枯渇後は、新エネルギーを制した企業が、ポスト「セブンシスターズ」として、また、おどろおどろしいネーミングで、後世、語られたりするのだろうか??

新エネルギーも、エコカーも「環境に良いこと」(はあと)っつーより、国や企業の生き残りをかけた闘いだからなあ。

だから、しつこいようですが日本が「現在の延長線上で」「-15%」(-8%)とか言っていると、起こるイノベーションも起こらないと思うんですよね。せっかく世の中がそっちに(どっちだ!)うねうねと、うねっているのに、水差すような「センスないこと」しないでくださいね~。

ゴルゴ13 105 (SPコミックス)
さいとう たかを
リイド社

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