ピレネーの山の犬 Zion♪シオン

シオンとともに歩く道、ともに見る風景、暮らしと庭の花たち。

吠えるミステリー

2014-08-12 | 生態・行動
本当のところは、ミステリーなんかじゃない。
犬からすれば、当たり前の理由がある。

それでも、犬のボディランゲージは複雑だ。
同じ行動でも、状況によって数種類の違う意味があり、
観察力と的確な状況判断なしには、理解出来ないことも多い。

吠えること一つをとってみても、何故この状況で吠えるのか、
私には正直分からないことがいくつもある。



Zionはどの犬にも興味を示す方で、
相手に激しく吠えられても、9割ほどはぬうぼうとしているし、
また大型のオスに対しても多くの場合は、上手く衝突を回避している。

ところが、近所のあるオスの柴犬にだけは、見た瞬間から顔つきが変わり、
怒っているとしか思えないほどに猛烈に吠えるのだ。
他の犬とも別のオスの柴犬とも区別している。
何故なのだろう。

興味のある犬が飼い主に引っ張られて遠ざかる時、
「待って」 「こっちに来て」 と要求吠えをすることがあるが、これとは全く違う。

「怖い」 「あっち行け」 と警戒吠えをするとは、さらに考えにくい。

柴犬の飼い主さんを知る方から聞いた話によると、
この柴犬は、近所のどの犬からも何故かよく吠えられるそうだ。

このような不思議は、犬のカーミングシグナルにヒントがありそうだ。
引き続き、観察したいと思う。



不思議と言えば、私はかつて先代犬とゾ~ッとする体験をしたことがある。

先代ピレは、外では休むことがなく、
コマンドを入れても、おすわりさえしない犬だった。
ある夕暮れの道、その愛犬が急に路上に座り、
座ったまま、前方を見て吠えた。

静まりかえった住宅街の一角。
誰もいない・・・

愛犬は一方を見据え、なお座ったまま吠え続ける。
何故、座ったまま?

座るという行動に込められたカーミングシグナルは、
争いを避けたり、相手や自分を落ち着かせようとする信号だ。



ある家の前で、オレンジ色の灯りが揺れた。

その時、私は背筋が冷たくなった。
帰ろう! とにかくこの場所から立ち去ろう!
愛犬がいるから怖くなんかない。
泣きそうになりながら家路に辿り着いた。

翌日、母とその家の前を通った。

忌中・・・門柱に灯籠が下がっていた。
オレンジ色の灯りは、通夜の灯籠の灯りだったのか。
それとも・・・

愛犬にはいったい何が見えていたのだろう。

吠えるミステリー・・・
想像の余地がありすぎる。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




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