ピレネーの山の犬 Zion♪シオン

シオンとともに歩く道、ともに見る風景、暮らしと庭の花たち。

分析

2020-01-03 | 生態・行動
そこの白いおふたりさん。
何がそんなに気になるのかな。



いつまでたっても・・・
納得のいくまで・・・



分析をやめないふたりなのでした。

それぞれのこだわりを尊重して、
私は待つよ。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




砂浜で走る代わりに

2019-12-28 | 生態・行動
いつもの百道浜に行きました。
人が少なくて寒くて、遊ぶには絶好の日でしたが、
シオンは砂の上はきついと言いました。



そうか・・・そうだね。
歩きやすい所を歩こう.
無理しなくていいよ。



海のカフェで休憩することにしました。
お店のお姉さんがシオンにもお水を持って来てくれました。
小さな器だけど、こぼさずに飲むシオン。



お姉さんがピザとコーヒーを運んで来ると、
シオンは何か話しかけているようでした。
お姉さんの笑顔が本当に素敵。
ピザには興味を示していないのがシオンらしい。

シオンはただの笑顔ではなく、
とびっきりの笑顔を引き出すのが上手です。
そして、そんな人の笑顔を見るのが好きなのでしょう。

走って遊ぶ季節を通り過ぎても・・・


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




店の中を覗く犬

2019-07-28 | 生態・行動
ケーキ店やパン屋さん、美容室、カフェ、レストラン・・・

Zionは、お店の中をのぞいてみるのが好きだ。

ガラスのドアや窓からただ、じ~っと中を見る。
中にいる人は、ほとんどの場合、驚いてくれる。

Zionのポケットの中には、色々な散歩の楽しみ方が入っている。



Zionがドアに近づき、中をのぞくと、
お店の人が笑顔で出てきて、声をかけてくれた。
そんなことがとても楽しいらしい。
そして、笑顔が大好きらしい。



だからと言って、シッポを振ったりするわけでもなく、
ただ、ぬぼ~っと立っているだけなのだが・・・(笑)



お店の人が出て来てくれない時は・・・
寂しそうな表情になる。

そんな時は、つい慰めてしまう。
今、とっても忙しいんだって。いこ、いこ。



梅雨明けと同時に、厳しい暑さがやって来た。
早朝でも、Zionにとってはとても暑い。
かと言って、夜は熱気がこもり、とんでもない。



お店が開いている時間帯の散歩は、しばらく無理だ。
早朝、30分~1時間が限度と言い聞かせながら帰る日々。

ポケットから色々出せないZion・・・
つまらないだろうなぁ。



あらっ!
今、たたんだばかりの洗濯物をぐちゃぐちゃにしたのは誰?

Zion曰く、こんなのもポケットに入ってたんだもん!

夏の過ごし方は、悩みが尽きない。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




超大型犬のストライド走法

2019-07-18 | 生態・行動
ランナーに例えると、Zionはストライド走法です。



ストライド走法は、一歩の歩幅が大きく、
維持して走れば、目的地に早く到達することが出来ます。
しかし、強い筋力を必要とし、地面に着地する度に、足には大きな衝撃がかかります。
体への負担が大きくなる走法と言えます。

筋力はピーク時から加齢とともに(特に10才以降)、低下してきているため、
Zionの歩くスピードは遅くなってきています。



それでも、興味を感じれば速足になり、
車にはこれまでして来たように、バックドアから飛び乗ろうとします。

最近では、家では手作りの台を使って乗ってもらい、
外では二人でZionをかかえて乗せ、
体への負担を減らすようにしています。

そもそも、車のバックドアからの乗り口が高めなのがいけない。
ということで、今より7センチ低い車に買い替えました。
4月に注文したのに、まだ来ていませんが・・・(遅っ)



ストライド走法に対して、歩幅を小さく取る走り方がピッチ走法。
足の回転が速いので歩数は増えますが、
着地時の衝撃は弱まり、筋肉への負担が軽くなるといいます。

小型犬はこの走法でしょうね。

Zion、この走法に変えてみない?

ちょこ、ちょこ、ちょこ、ちょこ・・・
ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん・・・

今さら、無理か・・・


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




また逢う日まで

2019-04-05 | 生態・行動
4月5日、桜祭りはとうとう最終日になってしまいました。
いつもなら、動物たちが帰ってもフェンスなどは設置されたまま。
でも、この日は違います。



夕方、営業が終了すると、何もかもが撤去されていきました。
まるで幻だったかのように・・・



Zionがスタッフのお姉さんに近寄って行きます。

お姉さん、どうして片付けちゃうの?
みんなは・・・もう帰るの?

そんな風に話しかけたのかな。



動物園は今日でおしまい。
いっぱい来てくれて・・・見送りまでしてくれるの・・・
ありがとうね・・・

お姉さんは目を潤ませているように見えました。



Zionは辺りを見つめては、においを集めました。



そして、動物たちを乗せた2台のトラックが動き始めると、
後を追いかけました。



さようなら・・・さようなら・・・
また、来てね・・・

若い頃のような迫力のある走りではないけれど、
Zionは精一杯、走りました。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




いない!いない!

2019-04-02 | 生態・行動
桜の季節なのだから、少し遠くに桜を見に行きました。
うきは市の巨瀬川沿いの桜並木。



思い立って午後から出かけたので、河川敷は桜の木陰。
Zionはのんびりと歩いて、風に吹かれていました。



そして、暇になると、土手を上がって行きました。



午後の光に照らされて、少し眩しい並木道でした。



この後、Zionが楽しみにしているので、
いつもの公園へと向かいました。
ところが・・・



ガラ~ン・・・

本日は終了、動物たちは帰っていました。
間に合わなかったみたい。



いない、いない・・・
どうして、いないの・・・

Zionは、先ほどまで確かにあった生命のにおいを追い求めて、
いつまでも、そこを離れないのでした。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




可愛い仔ヤギ

2019-03-31 | 生態・行動
まだまだ、春の風物詩は続きます。

とにかく、桜祭りの期間中は動物園は毎日やって来て、
毎日何か面白いことが起こり、Zionをわくわくさせてくれます。



この日は、まるでユキちゃんのような仔ヤギの姿がありました。
眠くて仕方ない様子がとても可愛い。



がんばって、起きているんだけど・・・
こっくり、こっくり・・・



次第に頭が・・・



おねんね状態に・・・



その様子を見つめる白い綿のような物体が
フェンスの隙間から見えています(笑)



大好きなウサギも真剣に見ています。



アフガンさんにも会いました。



でも、またしても、動物をしつこく見てストーカーになってしまい、
離れたところに連れて行かれました。
少し寂しそうなZion・・・



時々、動物園の方をちらっと見てしまいます。
何日も同じようなことを繰り返しながら・・・



また、明日も来るんだもんね。

ルンルンルン・・・


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




優しい色

2019-03-30 | 生態・行動
次の週もZionは大濠公園から舞鶴公園へと向かいました。
途中で出会う乗馬体験の馬たちにも興味津々です。



この馬たちは、久住高原のレゾネイト乗馬牧場から来ていました。



もう少し時間をかけると、仲良くなれそうな雰囲気。



Zionは責任者の方に自分から寄って行きました。
それなのに、可愛がってもらうと、むすっとして不愛想でした(笑)
推測ですが、プライドのような気がします。



そして、気持ちを変えることなく、ふれあい動物園を目指します。



しつこくストーカーになっては動物から離され・・・



木陰でしばらくの間、休憩。
人も馬も犬もそれぞれが穏やかな時を過ごしているのがいい。



散歩中のバーニーズさんにも会いました。



桜の季節は日差しもまた、桃色の霞がかかったような優しい色。



そう言えば、前の週、帰り際にピレのキャスパーくんに会いました。
更に前には、ブーマーくんにも会いました。

出会うピレさんたちはみんな若くて、可愛い。
そして、時の流れを感じてしまいます。

それでも、歳を重ねるごとに増す一緒に歩む素晴らしさ。
いつまでも、仔犬の時と変わらず、可愛らしく思うのです。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




桜の季節の風物詩

2019-03-24 | 生態・行動
その春の風物詩の訪れは、3月24日でした。
今年も桜まつりに合わせてやって来たふれあい移動動物園。

Zionは、遠くから感じていました。
歩くスピードが上がっていきます。

全ての面白そうなことを切り捨てながら・・・



ただ、あの場所へ・・・



段々と体を低くしながら・・・



人混みも目に入らず、かき分け、かき分け・・・



やって来た~っ!
ふれあい移動動物園!



この日のZionがしつこく興味を示したのは、カメさんでした。



やっぱり、うさぎちゃんも探します。



ポニーさんも遊べるかどうか、チェックします。
そして、またカメさんにつきまとい、あんまりしつこいので、
動物園から離されるZionなのでした。

別の場所を散歩しようと試みましたが、
Zionは興味を断ち切れない動物たちのところへ一直線です。



途中でイタグレくんが懐いてきてくれましたが、目に入りません。
ねえ、ねえっ!



ねえーったらーっ!
イタグレくんが呼んでるよ!



尻尾に突っ込んでみるイタグレくん、それでも無視。



そこまで無関心に徹しなくても・・・
回りにいた人たちも皆、笑っていました。
イタグレくん、ごめんね。



Zionはひたすら、ふれあい動物園を目指して・・・
ひとり、旅に出るかのような風情をまとい・・・

去って行きました(笑)


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




変わらない心

2019-03-17 | 生態・行動
3月のまだ冷たい風が吹く海の中道海浜公園。
動物の森から漂ってくるにおいに誘われて・・・
Zionは嬉しそうに歩きます。



私は、Zionの歩き方をチェックしていました。



色々な方向から見ます。



特に異常はありません。



というのは・・・
正月早々、Zionは15キロの道のりを5時間半かけて歩きましたが、
休もうともせず、それは若い頃並みの歩き方でした。

Zionは大濠公園を歩いた後、西公園へ移動し散策、更に百道浜へ。
引き返そうと促す飼い主を巧みに誘導しながら、決して譲らず。
歩く姿はまさに快活で、本当に楽しそう。
無理に引っ張って帰る理由も見当たりませんでした。



ところが、次の朝、散歩に出ると、
ひょこたん・・・ひょこたん・・・ひょこたん・・・ひょこたん・・・

ど、ど、どうかした~っ?
初めて見る左前肢のおかしな動き。

それでも、どんなに促してもZionは散歩をすると言って聞きません。
体中を触ってみて痛そうな感じはなかったため、様子を見ていると、
一日が過ぎる頃、すっかり、よくなっていました。

人で言うところの筋肉痛のようなものなのか、
疲労の回復が遅くなったということらしい。



それ以来、Zionがどんなに主張しても、
長距離を一度に歩くことはせず、こまめに休憩をとりながら、
四肢の調子も観察しながら散歩するようになりました。

心はいつまでも冒険好き、放浪好き・・・
それも忘れてないよ。



公園を出て、駐車場に向かう途中。
遮断機が下りて、電車の音が近づいて来ると思ったら・・・
勢いよく走って行き、吠えたてるZion。
そのやんちゃぶり、小さい頃から、変わってない。

そんな今日この頃、
11才3か月のZionです。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




ピレ気質~放浪好き

2019-02-20 | 生態・行動
ある日のこと、ピレを含む多頭飼育の方のブログを読みながら、
思わず、にこにこしてしまいました。
ここにもいた、いた・・・そんなピレさん。



自宅の広々としたランで大型犬や超大型犬を遊ばせている羨ましい環境の中、
そのピレさんは、フェンスのちょっとした隙間などを見つけては脱走し、
人が目撃情報を知らせてくれたり、お巡りさんが連れて来てくれたり、
とても手を焼いている様子が書かれていました。

ピレネーという犬の遺伝子の一つに、
放浪という項目があるのではないかと推測することは、とても簡単です。
その遺伝子を受け継ぎ、スイッチが入っている個体は、
出来る環境があれば脱走、放浪、御用という行動パターンを飽きずに繰り返す・・・
そういう例をたくさん見聞きします。



その方が書かれているように、人に危害を加えたりはしないと私も思います。
犬種の性格は悠然としていて、人のことが怖くないからです。
しかし、大きな犬がノーリードで道端を歩いていれば、
人によっては大きいというだけで恐怖を感じたり、
驚いて転んだりするような事故が起こらないとも限りません。同感です。
勿論、犬が交通事故に遭うようなことがあってはいけません。

私は、それ故に管理をしっかりしましょうという話をしたいのではありません。
何故なら、それは当たり前のことで、
その上でその行動をどう考えるかということを大切に思っています。

脱走は、与えられている環境に不満があるからではなく、
限りなくある冒険心が突き動かす行動ではないかと思っています。

どんなに広々としたスペースで自由に過ごせたとしても、その外に憧れる犬です。
もはや躾の問題ではなく、そういうことを本能として好む犬なのだと思います。



人の価値観では、良い子ではありません・・・

それでも、しばしの間でも放浪を楽しんだ彼は、
本当に心潤う思いをしたことでしょう。

私はピレのそんなところが好きで、つい応援してしまいます。
大きな声では言えませんが・・・(笑)

犬種によって、また個体によって、それぞれに違う犬の性格。
多頭飼育は、その違いや犬同士の様々な関係性の展開が興味深く、魅力的です。

犬それぞれ・・・
そのそれぞれをどうしてあげるのか・・・

そんなところにとても興味を持っています。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




物語に出て来る犬たち

2018-12-07 | 生態・行動
散歩中、Zionのことをセントバーナードですか?とよく聞かれます。
多くの人が知っている超大型犬は、セントバーナードなんでしょうね。

それほどよく知られているのは、あのTVアニメに登場したことがきっかけではないでしょうか。
「アルプスの少女ハイジ」に出て来るセントバーナード、ヨーゼフ。

たとえ犬種名や名前が出て来なくても、
スイスの・・・ハイジの・・・それだけで通じる抜群の知名度です。



私は超大型犬ファンなので、ヨーゼフの描写にとても魅かれます。
不愛想ながら優しく、用がなければのんびりと寝て過ごし、
必要な時には実にいい仕事ぶりを発揮するところなど、
主役でもないのに細かく描かれています。

山の放牧地でハイジとペーターがユキちゃんに食べさせるための薬草を採る場面では、
同行したヨーゼフが山羊たちの面倒を見たり・・・
危険な場所からふたりが落ちてしまった時は、
ヨーゼフが崖下で全身で受け止めたり・・・

特に好きなところは、ヨーゼフの捜索シーン。
はぐれた山羊を探して、ハイジとペーターが濃霧の中で道に迷う場面があります。
濃霧を心配したおじいさんがヨーゼフと共に山の放牧地に上って来ます。
ヨーゼフがふたりを探し出し、正しい道へと誘導する時の凛々しい姿!
私の感動のポイント、ズレてますか?(笑)

Zionのことをセントバーナードですか?と聞かれて、
違います・・・と答えながら、そんな心温まる場面を思い出すのでした。



ヨーゼフ・・・パトラッシュ・・・ラッシー・・・
そして、ジョリー・・・

劇場版でなく、全52話を観なければ分からない描写の一つ一つは、
心のリセットボタンになっています。

画像は、広川町太原(たいばる)の銀杏の木と(11月23日)。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




不愛想・・・その心

2018-11-03 | 生態・行動
Zionが動物好きなことは何度も書いてきましたが、
勿論、人のことも好みはあるものの、大好きなのです。

人は自分のことを無条件に可愛がってくれ、遊んでくれる
信頼できる生き物だと認識していると思います。



木陰の冷たい草の上で休憩していると、
子どもたちが集まってきました。
子どもたちに全身を触られても、されるがままになっています。
自分を犬という生き物として尊重し、
可愛がってくれる気持ちに応えているのだと思います。



それなのに、どんなに気持ちを伝えても、どこか受け入れないようなクールな表情。
実は、Zionは精一杯、親しみを感じ、表しているのです。
もしも、そういう気持ちがないのなら、この場をさっさと去るでしょう。

可愛がってくれたとしても、
魂が伝わる生命として尊重することを知らない人には、
さらりと身を翻すでしょう。



人に信頼を寄せているにもかかわらず、
一見、まるで興味がなく不愛想に見えるZion。

それは、ピレネーという犬の
気高い気性からくる表現なのかもしれません。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




慕われる犬

2018-10-20 | 生態・行動
出来事や感じたことを書き留めておくのは、
時が経って読み返す時、中々面白いものです。
ふと、4年前に書いた記事を目にして、思いました。
あの頃はこんなことを考えていたんだな・・・
そして、今も答えを求めて、同じところを彷徨っています。



それは、こんな風に書き始められていました。

野犬の群れにおいて、リーダー犬はどのようにして生まれるかという
いくつかの研究報告を読んだことがあります。
それによると、リーダー候補の犬が強い力を見せつけて
トップの座を勝ち取るのではないと言います。

ある一頭の犬の行動を見ていた別の犬が
その犬に自発的について行くことがあるそうです。
ある一頭の犬の後にそんな犬が増えていくと、群れが出来ます。
つまり、慕われ尊敬される犬が自然にリーダーにされるというのです。


高度な社会性を有するオオカミは、群れの序列を決める時、
体格や力ではなく、性格や態度によって決めると考えられていることから、
同じ祖先を持つ犬においても、あり得る行動のように思えました。



犬が犬を慕い尊敬するポイントは何なのでしょうか。

いくつかは想像することが出来ます。
一緒にいると何かいいことがある・・・
食べ物を得たり、身を守るための正確な判断だけでなく、
精神的な充足感を分かち合える・・・

それとも、想像もつかないことでしょうか。



人と生きる犬は、どんな人を慕い尊敬するのでしょうか。

ピレネー犬は独立心が強く、自分の判断で動き、
その判断を高く評価してもらうことで、人との信頼関係を結んで来ました。
そうした遺伝子を多く受け継いでいる個体ほど、
強いコマンドでコントロールしようとすると、
良い結果が出ないことが多いように思います。
むしろ、こちらが尊敬されていれば、
対話の中で意図を読み、行動する機知を持つ犬です。

少なくとも、人の価値観を押しつけるリーダー風を吹かしていては、
本当の意味での信頼関係には到底、たどり着けないでしょう。



野犬の群れの中に犬の姿をしている自分がいると考えてみます。

私の後をついて来てくれる犬はいるでしょうか・・・

ついて来る犬など全くいなかったら・・・(悲)



ふと、フランダースの犬を思い出しました。
原作は19世紀に英国人作家が書いた悲劇の短編ですが、
正直に言うと、好きではありません。

日本のアニメでは、ネロの年齢など設定をいくつか変え、
オリジナルの話をたくさん盛り込み、
随所で誠実さや優しさに溢れる暮らしぶりが描かれています。
私としては展開に納得できないところもありますが、
それでも、最後のシーンが何度見ても泣けるのは、
物語が結末へと向かうほどに重なる不幸を憂えるからではなく、
ただ、ネロを探し歩くパトラッシュの描写に心を打たれるからです。

吹雪の中、倒れては起き上がり、ネロの姿を追うパトラッシュ。
大聖堂に辿り着き、ルーベンスの絵の前で横たわるネロを見つけると、そばに寄り添います。

「いつまでも僕と一緒だって言ってくれてるんだね・・・」ネロが言います。

Nearer My god, to Thee(主よ、みもとに近づかん)が流れる昇天のシーンは、
曲の美しさが映像の悲しさを幸福感にかえていくようです。



さて、野犬の群れに戻るとしましょう。
その中には、Zionもいます。
Zionは犬の姿をした私を探し出し、
後をついて来てくれるでしょうか。

思い込みや願望を捨て去ると、吹雪の中に取り残されそう・・・

分かっていないことだらけの道が続いています。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




カーミングシグナル

2018-06-25 | 生態・行動
犬王様がやって来たよ!こんにちは、犬王様!
散歩で出会うと、そう声をかけてくれる犬連れの方がいる。
王様ではないけれど、物語のようでほのぼのとしてくる。

しかし、大きな体は強暴だと誤解されることもある。
そこのけ、そこのけ、俺様が通る。
俺様は強いぞ、こわいぞ。
そんな風に見る人もいるかもしれない。



散歩中のZionをよく観察していると、
無関心そうに見える時でも、視野に入る犬たちをおそらく全て認識している。
相手が警戒したり、怖くて吠えたりすると、目をそらしたり、伏せをしたりして対応する。
常にカーミングシグナルを発して感情を伝達し、
自分は危険ではないということを伝えているのが分かる。

動物(哺乳類)が大好きなZionは、
ポニーや猫や他の動物に対しても同じようにするのだが、
果たして伝わっているだろうか・・・



Zionを見て、緊張気味の飼育員さんとポニーさん。



近づいてみたいけれど・・・
Zionは顔をそらして、緊張を和らげるようにふるまう。



気の合うポニーには、遊びを誘うボディランゲージで
コミュニケーションをとろうとしたりするが、
このポニーには少し距離を置きながら、静かに並んで歩いた。



ワオキツネザルにシッポを振るZion(写っていませんがブンブン振っています)。
ふれあい動物園(ピクニカ共和国)で。



どんな動物とも心のやりとりをしようとする半面・・・
よく行く公園で、Zionはあるワンコに吠える。

何故なんだろう・・・
吠えるのは若い頃から決まってこのタイプ。
柴系の雑種、中型のオオカミのような風貌のオス犬で、
他の犬と交流しているのを見かけないのも共通している。
Zionは発見した瞬間から大きな声をとどろかせ、相手はキョトンとしている。
本当に申し訳なく思うが、Zionには無視できない理由があるのだろう。

Zionのシグナルが伝わらないのだろうか・・・
Zionが相手のシグナルを読めないのだろうか・・・
それとも、相手はシグナルを発信していないのだろうか・・・

そして、走る!追いかける!追いかける!
Zionが立ち止まるのは、公園からその犬のにおいが消えた場所。
まるで捜索犬のようにその辺りに残っているにおいを探るのだった。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!