聖夜、静けき真夜中・・・
ショパンのバラード第一番が聞こえる部屋で
Zionは夢を見ているようだった。
その穏やかな眠りに溶け込むように
私は先日のことを思い出していた。
散歩の途中に時々、Zionがご機嫌伺いに立ち寄る店がある。
「Zionちゃんを見てると何故だか涙が出て来る・・・
何でだろう・・・」
お店の方がそう言って、涙を拭った。
犬らしい甘え方はしない。
人で言うなら無口、無愛想。
でも、ふと気づけば、何気なく近くで寝ていたり、
何気なく後を追いかけて来たりする。
何も出来なくていい。
ただ、山のようにどかっといてくれるだけで、
幸せな気持ちになるのだから。
いつも当たり前過ぎて、忘れている気持ち。
きっと、同じように感じて下さったのだ。
Zionはその涙を拭う指、顔をじっと見ていた。
そして、ゆっくりと左の前足を差し出した。
右の前足も差し出した。
Zionの気持ち、伝える言葉・・・
ちゃんと届いたと思うよ。
ピアノの音が青白く凍る湖面を跳ねながら闇に消えていく。
Zionが2階の自分のベッドルームに上がって行った。
私は取り残された気持ちになりながら、
伝える言葉を探している。
静かに更けていくクリスマスの夜。
今日も会いに来てくれて、ありがとう!
ショパンのバラード第一番が聞こえる部屋で
Zionは夢を見ているようだった。
その穏やかな眠りに溶け込むように
私は先日のことを思い出していた。
散歩の途中に時々、Zionがご機嫌伺いに立ち寄る店がある。
「Zionちゃんを見てると何故だか涙が出て来る・・・
何でだろう・・・」
お店の方がそう言って、涙を拭った。
犬らしい甘え方はしない。
人で言うなら無口、無愛想。
でも、ふと気づけば、何気なく近くで寝ていたり、
何気なく後を追いかけて来たりする。
何も出来なくていい。
ただ、山のようにどかっといてくれるだけで、
幸せな気持ちになるのだから。
いつも当たり前過ぎて、忘れている気持ち。
きっと、同じように感じて下さったのだ。
Zionはその涙を拭う指、顔をじっと見ていた。
そして、ゆっくりと左の前足を差し出した。
右の前足も差し出した。
Zionの気持ち、伝える言葉・・・
ちゃんと届いたと思うよ。
ピアノの音が青白く凍る湖面を跳ねながら闇に消えていく。
Zionが2階の自分のベッドルームに上がって行った。
私は取り残された気持ちになりながら、
伝える言葉を探している。
静かに更けていくクリスマスの夜。
今日も会いに来てくれて、ありがとう!