主人公はロンドン市ケニントン地区の民生係ジョン・メイ(エディ・マーサン)44歳。彼の仕事は、ひとりきりで亡くなった人の葬儀を執り行う“おみおくり”。几帳面な彼は、事務的に処理することもできるこの仕事を、残された遺品の中から何とか手がかりを見つけ、遺族を探したり、その人の為に弔辞も書く。ある日、ビリー・ストークという男が自身のアパートの真向かいで孤独に亡くなったという報告を受けたジョンは、彼のこれまでの人生を探す旅に出ることに―――
邦画の「おくりびと」のような作品かと想像していたら違いました。
44歳独身←が、納得できるような風采の主人公ジョン。
生活の仕方も地味で几帳面。
およそ女性にも縁がなく・・・(今の日本だとまず無理だな)
そんな彼は、俗に言う孤独死をとげた人と、その身内縁者であろう人たちに真摯に向き合う。
その静かで多くを語らない向き合い方がいい。
強要しないのがいい(生きている身内縁者に)
死者に対しては、行き過ぎだけど、知人であるかのように弔辞を書いたりするのが(遺品を手がかりにして)
面白かった。
風采の上がらなさが、暖かな人間味として胸を打つ。
音楽もよかった。
終盤、思わぬところで「えっ?!」と・・・
そしてラストは、私の死生観とかなり違うので、個人的にはあれはないことにする。
なかったらあまりに悲しすぎるけど。
無くてもいい映画だと思える。